いとの森の家』(いとのもりのいえ)は、東直子による長編小説2014年10月28日ポプラ社より刊行、2017年4月5日ポプラ文庫より文庫化された。第31回(2015年坪田譲治文学賞受賞作[1][2]

いとの森の家
著者 東直子
発行日 2014年10月28日
発行元 ポプラ社
ジャンル 長編小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六版
ページ数 239
公式サイト www.poplar.co.jp
コード ISBN 978-4-591-14207-3
ISBN 978-4-591-15052-8(児童書)
ISBN 978-4-591-15434-2文庫判
ウィキポータル 文学
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小学4年から5年の約1年間を現在の福岡県糸島市で過ごし「宝物のような時間だった」と語る著者が自身の実体験をもとに、米国帰りで森の家に1人で暮らしつつ死刑囚の慰問を続けて「死刑囚の母」と呼ばれた実在の女性をモデルに、10歳前後の子どもたちと老婦人との交流を描く[3]

NHK福岡放送局の製作により福岡発地域ドラマとして2015年テレビドラマ化された[4][5]

あらすじ 編集

福岡市内の団地で暮らしていた小学4年生の加奈子は、父の突然の決断により、郊外の糸島半島の丘の上に建つ一戸建てに引っ越して生活することとなる。都会との差異に当惑しつつも、まもなく楽しい遊びを教えてくれる友達もできて、自然の恵みあふれる田舎の生活に徐々に親しんでいく。

童話に登場するような森の家に暮らしいつもおいしいジャムやクッキーを振る舞ってくれるおばあさん・おハルさんは子どもたちの人気者で、加奈子にとっても特別な存在となるが、毎月行っている死刑囚への慰問がもとで大人たちの中にはおハルさんを疎んじる人がいることを知る。「なぜおハルさんは、死刑になるような人に会いに行くの?」と素朴な疑問を抱いた加奈子は、おハルさんからいろいろな話を聞くようになり、命の重みや死、生きていくことについて考えることで精神的な成長を遂げてゆく[1][6]

書誌情報 編集

テレビドラマ 編集

福岡発地域ドラマ
いとの森の家
ジャンル テレビドラマ
原作 東直子
脚本 坂口理子
演出 木寺一孝
出演者 永作博美
渡辺真起子
中村蒼
品川徹
須田邦裕
濱田ここね
樹木希林
製作
製作総指揮 福島広明
制作 NHK福岡放送局
放送
放送国・地域  日本
放送期間2015年12月4日 - 12月11日
放送時間金曜20:00 - 20:43
放送分43分
回数2
公式サイト
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NHK福岡放送局が毎年製作する福岡発地域ドラマの第13作目としてテレビドラマ化され、NHK総合(九州・沖縄地方)にて2015年12月4日12月11日の20時から20時43分に放送、またNHK BSプレミアムにて12月26日12月27日の11時から11時45分[注 1]に全国放送された。全2回(前後編)[4][5][7]

NHK総合(全国)にて2016年2月21日2月28日の15時5分から15時50分[注 2]に再放送された。

キャスト 編集

現在 編集

過去(35年前) 編集

スタッフ 編集

受賞歴 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 前編放送後に『いとの森の家 後編予告』(11:43 - 11:45)、後編放送前に『いとの森の家 前編ダイジェスト』(11:00 - 11:02)を放送。
  2. ^ 前編放送後に『いとの森の家 後編予告』(15:48 - 15:50)、後編放送前に『いとの森の家 前編ダイジェスト』(15:05 - 15:07)を放送。

出典 編集

  1. ^ a b 第31回坪田譲治文学賞「いとの森の家」”. 岡山市文学賞. 岡山市文化振興課 (2016年1月26日). 2018年9月26日閲覧。
  2. ^ 瀬谷健介 (2016年1月26日). “坪田譲治文学賞 東直子さんの「いとの森の家」に”. 毎日新聞. https://mainichi.jp/articles/20160127/k00/00m/040/044000c 2018年9月26日閲覧。 
  3. ^ “森の家、「死刑囚の母」… 福岡・糸島の記憶 物語に 作家 東直子さんが新刊”. 西日本新聞. (2014年11月18日). https://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/127782/ 2018年9月26日閲覧。 
  4. ^ a b “NHK:糸島舞台、命の物語 「いとの森の家」あす、11日放送 /福岡”. 毎日新聞. (2015年12月3日). オリジナルの2016年9月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160926152859/https://mainichi.jp/articles/20151203/ddl/k40/200/584000c 2018年9月27日閲覧。 
  5. ^ a b “樹木希林が死刑囚と交流する謎の老婦に、永作博美主演の福岡発ドラマ”. CINRA.NET (CINRA). (2015年11月29日). https://www.cinra.net/news/20151129-itonomori 2018年9月26日閲覧。 
  6. ^ 原武史 (2018年6月8日). “伝説に出会い成長を遂げる少女”. 好書好日. 朝日新聞社. 2018年9月27日閲覧。
  7. ^ “永作博美、樹木希林らが糸島で会見 NHK福岡の地域ドラマ13作目に出演”. インターネットTVガイド (東京ニュース通信社). (2015年11月11日). http://www.tvguide.or.jp/news/20151111/08.html 2018年9月26日閲覧。 
  8. ^ 第42回放送文化基金賞 受賞一覧・記者発表(受賞のことば)”. 放送文化基金賞. 放送文化基金. 2018年9月26日閲覧。
  9. ^ “樹木希林ありがたく受賞 放送文化基金賞演技賞”. デイリースポーツ online. (2016年7月6日). https://www.daily.co.jp/gossip/2016/07/06/0009256834.shtml 2018年9月27日閲覧。 

外部リンク 編集