ぼくのなつやすみシリーズ

ソニー・コンピュータエンタテインメントのアドベンチャーゲームシリーズ

ぼくのなつやすみシリーズは、ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されている、夏休みをテーマとしたアドベンチャーゲームのシリーズ。移植(リメイク)作を含めると6作が制作され、シリーズ累計約180万本(2021年時点[1])の売上を達成した。

ぼくのなつやすみ
ジャンル なつやすみアドベンチャー
開発元 ミレニアムキッチン
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
対応機種 PlayStation
PlayStation 2
PlayStation Portable
PlayStation 3
1作目 ぼくのなつやすみ
2000年6月22日
最新作 ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!
2010年6月24日
公式サイト ぼくのなつやすみ 公式ポータルサイト
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概要 編集

ゲームの目的は基本的に夏休みを楽しむことであり、達成しなければならない目標などは特に無く、昆虫採集釣り花火大会に参加する(シリーズによっては目標がある場合がある)など自由な時間を過ごせる。

ぼくのなつやすみ』は北関東にある自然に囲まれた田舎群馬県みなかみ町(旧月夜野)という説が有力)、『ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇』は伊豆半島静岡県富戸)、『ぼくのなつやすみ3 -北国篇- 小さなボクの大草原』は北海道京極町、『ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」』は瀬戸内海広島県尾道市)が舞台となっている。なお、時代設定は1~3は1970年代だが、4では1980年代に設定されている。ゲームテーマは同一ながら内容に関連性はほぼ無い。

キャラクターデザインは、ライオン薬用石鹸キレイキレイ」のCMキャラクターで知られる上田三根子がシリーズ全てを担当。

ぼくのなつやすみ』から『ぼくのなつやすみ3』までは、ディレクターを務める綾部和の夏休みにおける経験が多く取り入れられている[2][3]

2016年12月7日に、スマートフォン版[4]の配信が、『ForwardWorks Beginning』[5]でプロジェクト発表された[4]。綾部はTwitter上にて、メインスタッフは今までと変わりない旨をツイートしている[6]

シリーズ一覧 編集

発売年表(メインタイトルは太字)
2000ぼくのなつやすみ
2001
2002ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇
2003
2004
2005
2006ぼくのなつやすみポータブル ムシムシ博士とてっぺん山の秘密!!
2007ぼくのなつやすみ3 -北国篇- 小さなボクの大草原
2008
2009ぼくのなつやすみ4 瀬戸内少年探偵団「ボクと秘密の地図」
2010ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!

家庭用ゲーム機では、PS1~PS3と各機種ごとに発売されてきたが、PS4版は発売がされていない。

制作 編集

企画とシナリオを担当した綾部和は、もともと原始人が主人公の『太陽のしっぽ』のような変わったゲームに興味を持っていたが[7]、仕事で疲れ目を閉じたときに、小学生の夏休みに自然に囲まれた親戚の家でのことを思い出し、友人の石田に「夏休みのゲームが出たら買うか?」と尋ねたところ「買う」と即答されたことで、1997年の夏ごろに企画が動き始めた[7]

1997年末に綾部は当時の会社を辞め、ミレニアムキッチンを設立。その数日前にSCEに「ピザ屋の宅配シミュレーションゲーム」と『ぼくのなつやすみ』を持ち込んだところ、プロデューサーの金子孝弘は、わずか15分のプレゼンで試作を作ることが決定した[7]。なお、「夏休み」をテーマにしたゲームを持ち込んだのは綾部で3人目だったという[7]。『ぼくのなつやすみ』というタイトルは『みんなのゴルフ』から来ている[7]

その後、スタッフの一人の奥さんの「虫相撲を入れてはどうか」といった意見でシリーズ定番となる虫相撲が作られたほか、プロデューサーの金子から「釣りが見たい」との一言で釣りも作られた[8]。その結果、1999年夏に発売予定だったものが秋にまでずれ込み、さらに夏休みがテーマなのだから夏前に発売したほうが良いとの考えから、翌年の2000年夏にまで延期された[8]

『ぼくのなつやすみ3』では、開発途中では女の子が主人公の冬休み[2][3]や、未来の話[2][3]も検討された。

書籍 編集

ぼくのなつやすみ美術館[注 1]

背景画集 草薙3 日本の風景編[注 2]

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ぼくのなつやすみ美術館”. 草薙. 2016年10月14日閲覧。
  2. ^ 背景画集 草薙3 日本の風景編”. 草薙. 2016年8月閲覧。

出典 編集

  1. ^ @ayabekazのツイート”. Twitter (2021年2月17日). 2021年2月18日閲覧。
  2. ^ a b c “『ぼくのなつやすみ3』開発当時は女の子が主人公の“ふゆやすみ”の構想が!【闘会議2015】”. 電撃オンライン (KADOKAWA). (2015年1月31日). http://dengekionline.com/elem/000/000/998/998965/ 2016年10月14日閲覧。 
  3. ^ a b c “『ぼくのなつやすみ』には雪山をそりで滑る冬休みバージョンが存在した!?【闘会議2015】”. ファミ通.com (KADOKAWA DWANGO). (2015年2月1日). https://www.famitsu.com/news/201502/01070672.html 2016年10月14日閲覧。 
  4. ^ a b PlayStationBlogスタッフ (2016年12月7日). “『みんGOL』『アーク ザ ラッド』など名作タイトルをスマホで! フォワードワークスが新作コンテンツを発表!”. PlayStation: 「どこでもいっしょ」「パラッパラッパー」「ぼくのなつやすみ」もスマホへ!. https://www.jp.playstation.com/blog/detail/4160/20161207-forwardworks.html?tkgpscom=dc_forwardworks_ps_tw_20161207 2016年12月11日閲覧。 
  5. ^ “フォワードワークス コンテンツ発表会 “ForwardWorks Beginning” 開催”. ForwardWorks. (2016年12月7日). https://forwardworks.com/news/20161207-01/ 2016年12月11日閲覧。 
  6. ^ 綾部和@ミレニアムキッチン [@@ayabekaz] (2016年12月7日). "と云うわけで『ぼくなつ』シリーズ、スマホ版の制作が発表されました。メインスタッフはいままでとほぼ同じ。期待して待っていてください。". X(旧Twitter)より2021年8月16日閲覧
  7. ^ a b c d e 10周年記念コンテンツ 第1回”. 「ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!」 公式サイト. ソニー・コンピュータエンタテインメント. 2013年8月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月14日閲覧。
  8. ^ a b 10周年記念コンテンツ 第2回”. 「ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!」 公式サイト. ソニー・コンピュータエンタテインメント. 2011年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月14日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集