アイ・コール・ユア・ネーム

ビリー・J・クレイマー > アイ・コール・ユア・ネーム
ビートルズ > 作品リスト > アイ・コール・ユア・ネーム
ビートルズ > 曲名リスト > アイ・コール・ユア・ネーム

アイ・コール・ユア・ネーム」(I Call Your Name)は、ビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタスの楽曲である。1963年にシングル盤『バッド・トゥ・ミー英語版』のB面曲として発売された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実際には主にジョン・レノンによって書かれた楽曲で、一部ポール・マッカートニーが手伝っている[1][2]。1964年にビートルズによってセルフカバーされ、アメリカでは4月10日に発売されたアルバム『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』、イギリスでは6月19日に発売されたEP『のっぽのサリー』に収録された。

アイ・コール・ユア・ネーム
ビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタス楽曲
英語名I Call Your Name
リリース1963年7月26日
規格7インチシングル
A面バッド・トゥ・ミー英語版
録音1963年6月26日
ジャンルロック
時間2分2秒
レーベルパーロフォン
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタス シングル 年表

背景 編集

レノンは、ビートルズ結成前に「アイ・コール・ユア・ネーム」を作曲していた[1]。1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで、レノンは「僕オリジナルのブルースみたいなものをやろうとして、ミドルエイトはずっと後になってくっつけた。最初の部分はハンブルクへ行く前に書いたもので、僕にとってこれが『初めての曲作り』だった」と語っている[1]。マッカートニーは、レノンが母親の死と父親の失踪を受けて、叔母のミミの家で書いた曲であることを明かしており、「『名前を呼んでも、そこにあなたはいない』ってどういう意味?彼の母親なのか?父親なのか?僕らはまだ若いコンビだったから、自分で何を書いているのかわからないこともあった。背景までは見えてなかった。あれこれ分析するようになったのはずっと後のことだった」と語っている[3]

1963年にレノンは、「アイ・コール・ユア・ネーム」をビリー・J・クレイマー&ザ・ダコタスに提供[4]。「アイ・コール・ユア・ネーム」は、1963年7月26日に発売されたクレイマーの2作目のシングル『バッド・トゥ・ミー英語版』のB面に収録された[5]。その後、アルバム『Listen』に収録され[6]、1995年に発売されたベスト・アルバム『EP Collection』にも収録された[7]

ビートルズによるセルフカバー 編集

アイ・コール・ユア・ネーム
ビートルズ楽曲
英語名I Call Your Name
リリース
A面  のっぽのサリー
録音
ジャンル
時間2分9秒
レーベル
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ビートルズ シングル 日本 年表
パスト・マスターズ Vol.1 収録曲
ロング・トール・サリー
(10)
アイ・コール・ユア・ネーム
(11)
スロウ・ダウン
(12)

ビートルズは、1964年3月1日に「アイ・コール・ユア・ネーム」のレコーディングを行なった[10]。本作はジョージ・ハリスンリッケンバッカー・360/12で弾いたギターリフから始まる[11]。間奏では、ビートルズの楽曲では初となるスカのアレンジが取り入れられている[12]。当初、本作はアルバム『ハード・デイズ・ナイト[10]および同名の映画に収録することが予定され、7テイク録音した後に同日に録音した「すてきなダンス」や「のっぽのサリー」と共にミキシングが行なわれた[13]。しかし、最終的に本作と「ロング・トール・サリー」は映画の使用曲の候補から外され、未収録となった[14]

ビートルズによるセルフカバー・バージョンは、アメリカでは1964年4月10日にキャピトル・レコードから発売された『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム[15]、イギリスでは1964年6月19日に発売されたEP『のっぽのサリー』に収録された[16]。日本では、EPの収録曲として発売されたほか、シングル盤『のっぽのサリー』のB面曲としても発売された。その後、1976年に発売された『ロックン・ロール・ミュージック』や1988年に発売された『パスト・マスターズ』にも収録された[17]

1964年3月31日にBBCラジオの番組『Saturday Club』用に演奏が録音されたが[18]、公式作品へは未収録となっている。

スターは、1990年5月5日にリヴァプールで行なわれたレノンのトリビュート・コンサートで、トム・ペティジェフ・リンジム・ケルトナーの伴奏のもとで歌唱した[19]

クレジット 編集

※出典[20]

その他のアーティストによるカバー 編集

1966年、ママス&パパスがアルバム『夢のカリフォルニア英語版』で本作をカバー。間奏でキャス・エリオットが「John... John」と囁いているが、これはエリオットがレノンへの敬意を表したもの[21] 。ママス&パパスによるカバー・バージョンは「I call your name... ye-ah!」というフレーズで締めくくられている[22]

1977年にザ・ボーイズ英語版がアルバム『The Boys』でカバー[23]

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c Sheff 2000, pp. 169–170.
  2. ^ Compton 2017, p. 76.
  3. ^ Miles 1998.
  4. ^ Guesdon & Margotin 2014, p. 250.
  5. ^ Kiste 2017, p. 69.
  6. ^ Eder, Bruce. Listen - Billy J. Kramer & the Dakotas | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年8月7日閲覧。
  7. ^ Unterberger, Richie. EP Collection - Billy J. Kramer & the Dakotas | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年8月7日閲覧。
  8. ^ Terence J. O'Grady (1 May 1983). The Beatles: A Musical Evolution. Twayne Publishers. p. 47. ISBN 978-0-8057-9453-3. https://books.google.com/books?id=n33uAAAAMAAJ 
  9. ^ MacDonald 2005, p. 142.
  10. ^ a b MacFarlane 2019, p. 168.
  11. ^ Halpin 2017, p. 25.
  12. ^ Lewisohn 1988, p. 41.
  13. ^ Morton 2011, pp. 54–55.
  14. ^ Morton 2011, p. 55.
  15. ^ Russell 2006, p. 218.
  16. ^ Womack 2014, p. 573.
  17. ^ I Call Your Name - The Beatles | Song Info - オールミュージック. 2021年8月7日閲覧。
  18. ^ Winn 2008, p. 167.
  19. ^ Harry 2012, p. 353.
  20. ^ MacDonald 2005, p. 114.
  21. ^ Speech at Monterey”. Casselliot.com (2009年10月20日). 2021年8月7日閲覧。
  22. ^ Gilliland 1969, show 36, track 5.
  23. ^ Thompson, Dave. The Boys - The Boys | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2021年8月7日閲覧。

参考文献 編集

外部リンク 編集