ナギモドキ属学名Agathisアガチス属とも)は、一般にアガチスカウリなどと呼ばれる樹木で、17-8より成る常緑樹の小さなグループである。

ナギモドキ属
分類
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Pinophyta
: マツ綱 Pinopsida
亜綱 : マツ亜綱 Pinidae
: マツ目 Pinales
: ナンヨウスギ科 Araucariaceae
: ナギモドキ属 Agathis
学名
Agathis Salisb.
和名
ナギモドキ属

本文参照

概要

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ナギモドキ属は非常に大きな幹を特徴としており、この幹が分岐する事は稀である。幼木は普通低所の枝が長く、高所へ行くに従って短くなる円錐形であるが、成熟すると樹の頂点が丸みを帯び、また枝が不規則に分枝するようになる。

ナギモドキ属の樹皮は平滑で薄灰色をしており、樹の成長や樹皮の肥厚に伴い不規則な形の断片として剥落する。幼木の枝は水平方向に伸びるが、成長するに従って上向きの枝が多くなる。低い枝は自然に落ちていき、幹に円形の跡を残す。ナギモドキ属の全ての種は成木よりも幼木の方が大きなを付ける。幼木の葉の形状は尖ったもの、卵形のもの、披針形ものなど種によって様々である。一方成木の葉は楕円形から直線形で、のように厚く硬い。幼木の葉は緑色もしくは灰緑であるが、季節によってはしばしば赤銅色を呈する。

雄花は成長した大きな樹にのみ見られる。雌花は短い側枝に生じる場合が多く、形は卵型-球形である。幾つかの種の種子Agathiphaga 属のの幼虫による食害を受ける事がある。

またナギモドキ属の樹の樹脂は分泌量が多く、ダンマル樹脂: Dammar gum)の原材料になる。

種と分布

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Farjon et al. (2018) では17種が認められている。

 
ワイポウア森林保護区にあるカウリマツ(A. australis)の巨木テ・マツア・ナヘレTe Matua Ngahere)。ニュージーランドで2番目に大きい。最も大きいタネ・マフタTāne Mahuta)もこのすぐ近くにある。

利用

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ナギモドキ属の樹木からは様々な天然樹脂が採れ、木材と並んで利用されている。幹は木目がまっすぐで良く揃っており、木材としての品質に優れる。材は安価なギター囲碁碁盤に用いられる。日本国内においては「南洋桂」や「新桂」の名で知られるが、これらは材としての商品名であり、カツラ科カツラ属の落葉広葉樹とは何の関係ない。

画像

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脚注

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  1. ^ a b 米倉・梶田 (2013-).
  2. ^ kauri - Māori Dictionary. 2018年11月3日閲覧。
  3. ^ Farjon, A. (2013). Agathis borneensis. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T202905A2757743. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T202905A2757743.en. Downloaded on 03 November 2018.
  4. ^ Farjon, A. (2013). Agathis dammara. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T202906A2757847. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T202906A2757847.en. Downloaded on 03 November 2018.
  5. ^ ウォーカー 編 (2006).
  6. ^ Thomas, P. (2010). Agathis moorei. The IUCN Red List of Threatened Species 2010: e.T185863A8493742. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2010-3.RLTS.T185863A8493742.en. Downloaded on 03 November 2018.
  7. ^ Corner & Watanabe (1969).
  8. ^ Farjon, A. (2013). Agathis robusta ssp. nesophila. The IUCN Red List of Threatened Species 2013: e.T16435549A16435565. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2013-1.RLTS.T16435549A16435565.en. Downloaded on 03 November 2018.

参考文献

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英語:

  • エイダン・ウォーカー 編 (2006).『世界木材図鑑』乙須敏紀 訳、産調出版。ISBN 4-88282-470-1(原書: The Encyclopedia of Wood, Quarto, 1989 & 2005.)
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info (2018年11月3日).

英語・日本語:

  • E.J.H. Corner、渡辺清彦『図説熱帯植物集成』廣川書店、1969年、8頁。
  • Farjon, A., Gardner, M. & Thomas, P. (2018). Conifer Database (version Jan 2014). In: Roskov Y., Ower G., Orrell T., Nicolson D., Bailly N., Kirk P.M., Bourgoin T., DeWalt R.E., Decock W., Nieukerken E. van, Zarucchi J., Penev L., eds. (2018). Species 2000 & ITIS Catalogue of Life, 30th October 2018. Digital resource at http://www.catalogueoflife.org/col. Species 2000: Naturalis, Leiden, the Netherlands. ISSN 2405-8858.
  • The Plant List (2013). Version 1.1. Published on the Internet; http://www.theplantlist.org/ (accessed 3rd November 2018).

外部リンク

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