アジ化メチル (Methyl azide) は、分子式CH3N3を持つアジ化物である。直線状の分子で、アジ化水素やほかのアジ化アルキルと関係がある。共鳴により、中心の窒素原子は、となりの2つの窒素と完全な直線方向に結合しているが、メチル基と結合した窒素は、非共有電子対も持つので、メチル基と折れ曲がった方向に結合している。

アジ化メチル
識別情報
PubChem 79079
特性
化学式 CH3N3
モル質量 57.05
爆発性
衝撃感度
摩擦感度
危険性
主な危険性 有害、爆発
関連する物質
関連物質 アジ化水素, アジ化塩素, アジ化エチル
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

化学的性質 編集

この化合物はアジ化ナトリウムメチル化により得られる。また、次の1次反応により分解する[1]

CH3N3 → CH3N + N2

安全上の注意点 編集

アジ化メチルは常温では安定であるが、加熱されると爆発する可能性がある[2]水銀の存在下では、衝撃や火の粉に敏感になる。混合すると危険な物質は、(マロン酸ジメチル + ナトリウムメトキシド)、水銀、メタノールアジ化ナトリウム硫酸ジメチルアジ化水素などがある。加熱による分解が起こると、有毒ガスであるNOxが発生する。

脚注 編集

  1. ^ O'Dell, M.S. and Darwent B. (1970). Canadian Journal of Chemistry. pp. 48, 1140. http://article.pubs.nrc-cnrc.gc.ca/ppv/RPViewDoc?issn=1480-3291&volume=48&issue=7&startPage=1140 [リンク切れ]
  2. ^ P. G. Urben. Bretherick's handbook of reactive chemical hazards 

参考文献 編集

  • Graner, G., Hirota, E., Iijima, T., Kuchitsu, K., Ramsay,D. A., Vogt, J., Vogt,N.: CH3N3 Methyl azide. Kuchitsu, K. (ed.). SpringerMaterials - The Landolt-Börnstein Database [1] DOI: 10.1007/10653318_320
  • NIST Webbook