アブ・ハッサン』(Abu Hassan)J.106は、カール・マリア・フォン・ウェーバーが作曲した1幕からなるオペラ、もしくはジングシュピール(歌芝居)。

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
Weber:Abu Hassan - Isaac Selya指揮Queen City Opera Orchestra他による演奏。当該指揮者自身の公式YouTube。
Abu Hassan - Ivan Meylemans指揮Radio Kamer Filharmonie他による演奏。NPO Radio 4公式YouTube。

概要 編集

1810年にウェーバーはシュトゥットガルトに住んで生活していたが、この当時ウェーバーにとって経済的に最も苦しく、収入も得ることが出来ない時期であった。

『アブ・ハッサン』は生活が最も苦しい時期に作曲された5番目のオペラで、1810年8月11日から1811年1月12日にかけてシュトゥットガルトで短期間で作曲・完成された。『千夜一夜物語』を題材に、フランツ・カール・ヒーマー(Franz Carl Hiemer)が台本を作成した。

初演は1811年の6月4日ミュンヘン宮廷歌劇場で行われた。その後も各ヨーロッパの小劇場においてレパートリーから消えることなく定着し、上演され続けた。

現在は多く上演されることはなく、序曲のみ演奏される。

登場人物 編集

人物名 声域
アブ・ハッサン テノール 君主のお気に入り
ファティーメ ソプラノ ハッサンの妻
オマール バス 金持ちの両替屋
ハールーン・アッラシード 台詞 君主
ズバイダ 台詞 ハールーンの妃
ハールーンの従者 台詞
ズバイダの侍女 台詞

構成 編集

音楽・音声外部リンク
序曲のみ試聴する
  C.M.Von Weber - Abu Hassan (Ouverture) - Leonardo Catalanotto指揮Concerto sinfonico 'MAMMALITURCHI!'による演奏。当該指揮者自身の公式YouTube。

序曲と全10曲から構成される。演奏時間は約60分。

序曲 編集

序曲は約3分と短いものだが、オペラの主要な旋律が織り込まれている。舞台であるバグダードの街の喧騒を生き生きとしたプレストで表現される序曲である。また所々打楽器が華々しく活躍する。

あらすじ 編集

時と場所:『千夜一夜物語』の時代におけるバグダード

録音 編集

正規の録音には、LP時代にはハインツ・レーグナー指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団盤、ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮バイエルン国立管弦楽団盤などがあり、CD時代になってから古楽器を使用したブルーノ・ヴァイル指揮カペラ・コロニエンシス盤が登場した。

参考資料 編集

外部リンク 編集