アベル・プラナの和公式

数学の総和公式

数学において、アベル・プラナの和公式: Abel–Plana summation formula)は留数の性質を巧みに用いて級数の和を与える公式である[1]

但し、において正則であり、について一様に

であることを条件とする。更に

であれば

となる。

証明 編集

  に位数1留数1の極を持つ。従って、積分経路 が実軸を で切るようにすれば、留数の定理により、

 

である。積分経路の表記を

 

とすると、

 

であるが、 は仮定により正則であるから、

 

である。さて、

 

であり、仮定により

 

であるから

 

である。また、

 

であるから、以上を綜合して

 

を得る。また、 が整数である場合は、積分経路上にある極の留数の半分を加え、

 

となる。

オイラーの和公式との関係 編集

  を中心としたテイラー級数に、  を中心としたテイラー級数に展開すると、

 

となるが、最後の積分は

 

であるから

 

となり、オイラーの和公式を得る。なお、 ベルヌーイ数である。

出典 編集

  1. ^ Wolfram Mathworld: Abel-Plana Formula