アモール (小惑星)

小惑星

アモール[1] (1221 Amor) は、アモール群の語源となった地球近傍小惑星の一つで、地球火星の間の軌道を通る。アモールはしばしば火星の軌道を横断するが、地球の軌道を横断することはない。

アモール
1221 Amor
仮符号・別名 1932 EA1
分類 地球近傍小惑星
軌道の種類 アモール群
火星横断
発見
発見日 1932年3月12日
発見者 ウジェーヌ・デルポルト
軌道要素と性質
元期:2007年4月10日 (JD 2,454,200.5)
軌道長半径 (a) 1.920 AU
近日点距離 (q) 1.085 AU
遠日点距離 (Q) 2.754 AU
離心率 (e) 0.435
公転周期 (P) 2.66 年
軌道傾斜角 (i) 11.88°
近日点引数 (ω) 26.48°
昇交点黄経 (Ω) 171.40°
平均近点角 (M) 59.83°
物理的性質
直径 1.5? km
質量 3.5 ×1012 kg
平均密度 2? g/cm3
表面重力 0.00042 m/s2
脱出速度 0.00079 km/s
スペクトル分類 CかS?
絶対等級 (H) 17.7
アルベド(反射能) 0.15?
表面温度
最低 平均 最高
~198 K
Template (ノート 解説) ■Project

アモールが地球から1600万km(地球 - 月間の40倍)の距離に近づいた時に、ベルギー天文学者ウジェーヌ・デルポルトが写真の撮影に成功、発見した。これは、小惑星がこれほどまで地球に近づきうることが知られた初の事例である。翌月にはアポロも地球に接近していることが分かり、小惑星の地球への激突の可能性が科学者に懸念されることとなった。

アモールはローマ神話の愛の神として知られるクピド(キューピッド)の別名アモルにちなんで名付けられた。同じような命名の小惑星として、(763) クピドギリシア神話でキューピッドに相当する (433) エロスがある。なおエロスもアモールと同じように地球近傍小惑星、火星横断小惑星に分類されるが、地球近傍小惑星には男性神の名前をつけるという命名規則からすれば偶然とは言えない(クピドにはエロスやアモールに比べて中性・両性具有的なイメージがあるためか、小惑星帯の中でも比較的太陽に近いところを周る小惑星に名付けられている)。

脚注 編集

  1. ^ 『オックスフォード天文学辞典』(初版第1刷)朝倉書店、11頁。ISBN 4-254-15017-2 

関連項目 編集

外部リンク 編集