アラセイトウ属

アブラナ科の植物

アラセイトウ属(アラセイトウぞく、学名 Matthiola) は、アブラナ科の属の1つ。マッティオラ属ともいう。

アラセイトウ属
アラセイトウ Matthiola incana
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : アオイ類 malviids
: アブラナ目 Brassicales
: アブラナ科 Brassicaceae
学名
Matthiola Aiton
和名
アラセイトウ属
英名
stock

この属名は、シエーナ医師博物学者だったピエトロ・アンドレア・マッティオリ (Pietro Andrea Mattioli) に献名された。

この属には48種が含まれる[1]木本または草本[1]マデイラ諸島カナリア諸島南ヨーロッパ北アフリカ西アジアに自生する。

本属の植物を総称してストック(stock)と呼ぶこともある[2]。ただし、バージニアストック (Virginia stock, Malcolmia maritima) は、アラセイトウ属ではなく、同じアブラナ科のマルコルミア属である。

栽培種 編集

次の2種が栽培化されている。

  • アラセイトウ(紫羅欄花)Matthiola incana 英名 ガーデンストック (garden stock)
  • ヨルザキアラセイトウ Matthiola longipetala (= Matthiola bicornis) 英名 ナイトセンテッドストック (night-scented stock)

アラセイトウ 編集

単にストックというと、ほとんどはこの種のことである。

南ヨーロッパ原産で原産地では多年草であるが、日本では秋蒔き一年草として扱う。開花期は早春~春。花壇に植える他、切り花にされることが多い。西洋では古くから香りの強い植物(バラスミレユリなど)が好まれてきたが、ガーデンスストックも同様によい香りを持っている。

日本では主に切花として栽培されているものと花壇に植えるものとに分かれている。切花の場合は、八重咲きの花が好まれる傾向にある。しかし、ガーデンスストックの八重花は雄ずいも雌ずいも花弁となってしまっているために生殖能力が無い。そのため、八重と一重の遺伝子を両方持つ株から採種し、選抜しなければならないので、幼苗時に鑑別を行う必要がある。(通常は50%前後の確率で八重が出現するが、品種によっては90%近い発生率をもつものもある)鑑別方法は幼苗の生育の違いが八重と一重で異なることを利用して行うが、違いがはっきりしておらず、熟練を要する。

観賞用のほか食用品種(食用ストック)もある[3]

ヨルザキアラセイトウ 編集

夜になると香りを放つため「ナイトセンテッドストック」と呼ばれる。

一年草。イギリスでは、3月5月に種をまき、5月~9月に花を咲かせる。

出典 編集