アル・ズバラ級フリゲート

アル・ズバラ級フリゲート英語: Al Zubarah-class frigate)は、カタール海軍フリゲートの艦級[1]フリゲートとしての艦種記号を付されているが[1]、公式にはドーハ型コルベット: Doha-class corvette)と称される[2]

アル・ズバラ級フリゲート
基本情報
艦種 フリゲート (コルベット)
就役期間 2021年 -
前級 バルザン級 (ミサイル艇)
要目
満載排水量 3,250トン
全長 107 m
14.7 m
吃水 4.0 m
機関方式 CODAD方式
主機 ディーゼルエンジン×4基
推進器 スクリュープロペラ×2軸
出力 42,913馬力
速力 28ノット
乗員 98名+予備14名
兵装
搭載機 NFH90ヘリコプター×1機
レーダー
ソナー 機雷探知機
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来歴 編集

カタール湾岸協力会議(GCC)の原加盟国だが、イラントルコとの関係強化を図る独自外交を展開した結果、サウジアラビアなどとの軋轢が生じて、2010年代半ばからは他のGCC諸国から制裁を受ける立場となっており、2017年カタール外交危機では一部のイスラム諸国との断交にまで至った[3]。これらの軋轢は武力衝突に発展する状況には至っていないが[3]、これを契機として、従来は小所帯だった海軍力の強化が図られており[2]2016年にはイタリアとの間で38-40億ユーロの武器輸出パッケージを取り決めた[1]

この一環として、同国のフィンカンティエリで建造されたのが本級である[2][1]

設計 編集

船型は長船首楼型で、イタリア海軍カルロ・ベルガミーニ級フリゲートの縮小型のような艦容となっている[2]。上部構造物後端部に艦載ヘリコプター格納庫を有するのも同級と同様だが、船体幅が狭いために1機分に削減されている[2]。艦尾には大型のハッチが設けられており、舟艇の発着用と推測されている[2]

満載排水量3,250トンと小型の水上戦闘艦ながら、艦隊防空用としてアスター30近接防空用としてRAMと2種類の艦対空ミサイルを併載するうえに、艦対艦ミサイルとしてエグゾセMM40ブロック3を8発搭載するなど、重武装が目立っている[1]

前檣頂部にはアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナを採用したKRONOS多機能レーダーを搭載する[1]。ただしソナーとしては、障害物回避・機雷探知用のもののみを搭載している[2]

同型艦一覧 編集

# 艦名 就役
F101 アル・ズバラ
QENS Al Zubarah
2021年
10月28日
F102 ダムサー
QENS Damsah
2022年
4月28日
F103 アル・ホール
QENS Al Khor
2022年
12月22日
F104 シマイスマ
QENS Semaisma
2023年
5月16日

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c d e f 井上 2021, p. 155.
  2. ^ a b c d e f g 海人社 2021.
  3. ^ a b 井上 2020, pp. 148–149.

参考文献 編集

  • 井上孝司「中東諸国 (ネーバル・レビュー2020)」『世界の艦船』第922号、海人社、142-151頁、2020年4月。 NAID 40022187383 
  • 井上孝司「世界の大型水上戦闘艦」『世界の艦船』第946号、海人社、2021年4月。 NAID 40022516372 
  • 海人社 編「カタール海軍初のコルベット「アル・ズバラ」公試開始!」『世界の艦船』第941号、海人社、118-119頁、2021年2月。 

関連項目 編集