アーサー・ヤノフArthur Janov1924年8月21日 - 2017年10月1日[1])は、アメリカ合衆国心理学者原初療法(長く抑制された幼い頃の心の痛みを、繰り返しさかのぼり、感じ、表現することが必要であるとする精神病の治療方法)をつくり出した人物である。かつては、サンタモニカカリフォルニア州)にあるプライマル・センターと呼ばれる精神療法学会を指揮していた。数多くの著作(『原初からの叫び ― 抑圧された心のための原初理論』で最も知られている)の著者としても知られている。

生涯 編集

カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。ヤノフは1960年に、精神医学的な社会福祉における学士号医療ソーシャルワーカーの資格をカリフォルニア大学ロサンゼルス校から、博士号をクレアモント大学院大学(en)から授かった。当初はカリフォルニアで従来の精神療法を施していた。彼はビバリーヒルズにあるハッカー精神医学診療所で研修期間を過ごし、ブレントウッド神経精神病学病院で復員軍人援護局のために働き、1952年から個人で営業するようになった。ロサンゼルス小児病院の精神医学部でもスタッフを務め、彼らの精神身体医学ユニットの開発に関係していた。

ヤノフは自身の専門家としての人生は1967年のある日に、彼の言う「原初的苦痛(Primal Pain)」を発見したことで変わったとしている。ある治療セッションの間、後に解説されることとなる「床に存在している青年の深い部分から湧き出てくる不気味な悲鳴」を聞いた。そこにヒントを得て、依頼人が抑制された感情と考えられるものを再現し、身体で表現することを奨励する「原初療法(primal therapy)」を開発した。

ヤノフの患者には、ジョン・レノンオノ・ヨーコも含まれていた。

著書 編集

  • 原初からの叫び ― 抑圧された心のための原初理論 - The Primal Scream (1970年)
  • The Anatomy of Mental Illness (1971年)
  • The Primal Revolution: Toward a Real World (1972年)
  • The Feeling Child (1973年)
  • Primal Man: The new consciousness (1976年)
  • Prisoners of Pain (1980年)
  • Imprints: The Lifelong Effects of the Birth Experience (1984年)
  • New Primal Scream: Primal Therapy 20 Years on (1992年)
  • Why You Get Sick and How You Get Well: The Healing Power of Feelings (1996年)
  • The Biology of Love (2000年)
  • Sexualité et subconscient : Perversions et déviances de la libido (2006年)
  • Primal Healing: Access the Incredible Power of Feelings to Improve Your Health (2006年)
  • The Janov Solution: Lifting Depression Through Primal Therapy (2007年)
  • Life Before Birth: The Hidden Script That Rules Our Lives (2011年)

出典 編集

外部リンク 編集