イクビゴケ属Diphyscium)は、マゴケ綱に属するコケ植物の一分類群。かつてはクサスギゴケ属キセルゴケ属とともに分類されていたが[1]、分類の再検討によって独立した分類群としてみなされており、本属のみでイクビゴケ亜綱イクビゴケ目イクビゴケ科を構成する。

イクビゴケ属
分類
: 植物界 Plantae
: マゴケ植物門 Bryophyta
: マゴケ綱 Bryopsida
亜綱 : イクビゴケ亜綱 Diphysciidae
Ochyra
: イクビゴケ目 Diphysciales
M. Fleisch.
: イクビゴケ科 Diphysciaceae
M. Fleisch.
: イクビゴケ属 Diphyscium
D. Mohr

本文参照

概要 編集

茎は非常に短く[1]、円形に開いた葉によってほとんど見えなくなっている。葉の中肋は葉の先端より長く、糸状に伸びている。朔は円形で、葉の間に埋もれている。

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Magombo (2003)では15種が記載されている[2]。当初、そのうちの2種はクサスギゴケ属に分類されており、またチリに分布する1種は独立した属(Muscoflorschuetzia、1属1種)の種とされていた[3]。しかしMagombo (2003)で分類を再検討され、別属にあったこの3種も含めた15種をすべてイクビゴケ属とするよう提案されている[2]

日本には5種が分布するとされる[1]。以下の15種がある[2]

脚注 編集

  1. ^ a b c d 岩月善之助、水谷正美『原色日本蘚苔類図鑑』(1972年、保育社)p.39
  2. ^ a b c Magombo, Z. L. K. (2003). “Taxonomic revision of the moss family Diphysciaceae M. Fleisch. (Musci)”. Journal of the Hatori Botanical Laboratory 94: 1–86. 
  3. ^ Schofield, Wilfred B. (2002). “Diphysciaceae”. Flora of North America. 27. New York: Oxford Univ Pr. pp. 162–164. ISBN 978-0-19-531823-4. http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=1&taxon_id=10281