イソシアネート: isocyanate)とは −N=C=O という部分構造を持つ化合物のこと。イソシアナートイソシアン酸エステル(イソシアンさんエステル)などとも呼ぶ。非常に反応性に富むため、湿気を避けて冷蔵保存する。ポリウレタンの材料になるため工業的にも重要な化合物。

イソシアネートの一般構造式

無機化学では、シアネートイオンの窒素に金属が配位した塩 M(N=C=O)n をイソシアネート、イソシアン酸塩と呼ぶことがある。

皮膚や眼に加えて呼吸器に有害性があり、急性では気動刺激による咳および呼吸困難、慢性では喘息および肺機能低下が挙げられる[1]

合成 編集

工業的には一級アミンホスゲンの反応によって合成される。実験室レベルではトリホスゲンを用いるのが簡便である。また酸アジドクルチウス転位ヒドロキサム酸ロッセン転位によっても合成される。

反応 編集

イソシアネートの炭素は電子不足となっているため、そこへさまざまな求核剤が容易に付加する。

加水分解でアミンを、アルコールとの反応でウレタン結合を、アミンとの反応で尿素誘導体をそれぞれ生成する。ジイソシアネートジオールの反応では重要な高分子のポリウレタンを生じる。

主なイソシアネート 編集

脚注 編集

関連項目 編集