イディアサバル

スペインのうち、ナバラ、バスクのチーズ。

イディアサバルスペイン語: Idiazábal)は、スペインバスク州およびナバラ州北西部で生産される、ヒツジの乳を原料としたチーズ[2]。セミハードタイプに分類される[2]。濃いオレンジ色の表皮を持ち、中身は締まっており気孔が見られる[2](色は淡黄色[5])。味は若干の辛味[3]と酸味[5]を帯びる。長く熟成させるとセミハードを通り越してハードタイプといった方がよい状態になる[5]

イディアサバル
Idiazábal
分類 セミハード[1][2]
原料 羊乳(生乳)
原産国 スペイン
原産地 バスク州
ナバラ州北西部
生産場所 酪農場、酪農工場
生産期間 一年中
形状 円筒状
大きさ 直径10 - 30cm、高さ8 - 12cm
重量 500 - 3,500g
脂肪分 45 - 50%
表皮 オレンジ色。スモークしたものもある。
熟成 3ヶ月以上(2ヶ月以上[3]
呼称統制 DO(1987年[4]
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製造にあたっては地元のヒツジの乳を使用し、凝固剤に子羊の塩漬け(部位は胃袋[5])を使用するという特徴がある[2]。出荷前に10日ほどスモークしたものもあり、木材はブナやサンザシを用いる[6]。日本で流通しているものはほとんどがスモークしたもので、現地では逆にスモークしていないものが多いという[5]

広範囲で製造されているため、DO認定の際はまずどの名称(地名)で申請するかで議論があったが、結局イディアサバル(村の名前[2]en:Idiazabal)に決定し、1987年に認定されたという経緯がある[4]。ヨーロッパの食の遺産に認定されている[3]

脚注 編集

  1. ^ 以下「基本情報」欄は、特記の無い限り下記文献 (本間, 増井 & 山田 2009, p. 188) による。サイズの cm はセンチメートル。重量の g はグラム
  2. ^ a b c d e f 本間るみ子; 増井和子; 山田友子 著、文藝春秋 編『チーズ図鑑』 182巻(7版)、株式会社文藝春秋〈文春新書〉、2009年、188頁。ISBN 4-16-660182-2 
  3. ^ a b c QUESO DE IDIAZABAL”. navarragastronomia.com. 2010年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年12月1日閲覧。(スペイン語)
  4. ^ a b Denominación de Origen Idiazabal”. D.O. Queso Idiazabal. 2014年12月1日閲覧。(スペイン語)
  5. ^ a b c d e 本間るみ子 著、主婦の友社 編『チーズの選び方 楽しみ方』株式会社主婦の友社、2012年、135頁。ISBN 978-4-07-285215-6 
  6. ^ Idiazábal cheese”. スペイン政府観光局. 2014年12月1日閲覧。(英語)

外部リンク 編集

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