ウィグワムwigwam )は、アメリカインディアン部族の伝統的なドーム型の住居

オジブワ族のウィグワム。重ねた布で覆う(ポール・ケーン画、1846年)

概要 編集

 
オジブワ族のウィグワムと、平原部族式のティーピー。(1928年)
 
ミクマク族のウィグワム(1857年)

アメリカインディアンのうち、北東部から五大湖周辺の部族が伝統住居としたもの。テントと違って、中にかまどを切り、火を使うことが出来る。

その構造は、曲げた丈夫な木の枝を柱に、樹皮や布を重ねて乗せ、入口に蓆をかけて住居としたものである。組み立てが簡便で、東部森林地帯のインディアンは移動生活をしながら、先々でこれを建てていた。普段はティーピーを使って移動狩猟生活を行ってきた平原の部族は、秋になるとウィグワムの集落を用意し、「冬の村」として春の来るのを待った。

五大湖地方から白人によって南西部に追いやられたキカプー族には、現在もこの住居で暮らすものが多い。多くの部族では、「月経小屋」として、初潮を迎えた女子や月経の際には小型のウィグワムが作られ、ここで月経の終わるのを待つならわしだった。オジブワ族やアパッチ族など、現在も儀式の際の重要な場所として、ティピーと並んでこれを活用し続けている部族は多い。

 
アパッチ族のウィキアップ (エドワード・S・カーチス撮影、1903年)

他言語の呼称 編集

ウィグワムは、アメリカ南西部では(wickiup 、wikiup)」と呼ばれる。

参考文献 編集

  • Opler, Morris E. (1941). An Apache life-way: The economic, social, and religious institutions of the Chiricahua Indians. Chicago: The University of Chicago Press. (Reprinted in 1962, Chicago: University of Chicago Press; 1965, New York: Cooper Square Publishers; 1965, Chicago: University of Chicago Press; & 1994, Lincoln: University of Nebraska Press, ISBN 0-8032-8610-4).

関連項目 編集

外部リンク 編集