ウィーン気質』(ウィーンかたぎ、ドイツ語: Wiener Blut作品354は、ヨハン・シュトラウス2世が作曲したウィンナ・ワルツ

『ウィーン気質』
ドイツ語: Wiener Blut
ピアノ初版譜の表紙(C.A.シュピーナ社出版)
ジャンル ウィンナ・ワルツ
作曲者 ヨハン・シュトラウス2世
作品番号 op.354
初演 1873年4月22日

シュトラウス2世の「十大ワルツ」のひとつに数えられる作品である。

楽曲解説 編集

 
レオポルト王子とギーゼラ大公女(1872年)

1873年4月20日、オーストリア=ハンガリー皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の長女ギーゼラバイエルン王子レオポルトの結婚式が執り行われた[1]。4月22日、この婚礼を祝うためにウィーン楽友協会黄金の間で催された「宮廷オペラ舞踏会」において初演された[2]。本来この舞踏会はウィーン宮廷歌劇場において催されるべきであったが、当時はまだ舞踏会の設備が整っていなかったためにウィーン楽友協会を会場として開かれた[2]。この初演の時、ヨハン・シュトラウス2世は初めてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した[2]

シュトラウス2世はこのワルツに、皇女の婚礼とは無関係な『ウィーン気質』という曲名を与えた。翌月5月1日にはウィーン万博の開幕式が迫っており、この曲は婚礼の祝典のみならずウィーン万博の門出をも飾る結果となった[2]

ニューイヤーコンサート 編集

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートへの登場は以下の通りである。

出典 編集

  1. ^ 江村(1994) p.184
  2. ^ a b c d 加藤(2003) p.184

参考文献 編集

  • 江村洋『フランツ・ヨーゼフ ハプスブルク「最後」の皇帝』東京書籍、1994年(平成6年)。ISBN 4-487-79143-X 
  • 小宮正安『ヨハン・シュトラウス ワルツ王と落日のウィーン』中央公論新社中公新書〉、2000年12月10日。ISBN 4-12-101567-3 
  • 加藤雅彦『ウィンナ・ワルツ ハプスブルク帝国の遺産』日本放送出版協会NHKブックス〉、2003年12月20日。ISBN 4-14-001985-9 

外部リンク 編集

音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
  Wiener Blut - メータ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏。「EuroArtsChannel」公式YouTube。
  Wiener Blut - シェーンブルン宮殿管弦楽団ウィーンドイツ語版による演奏。公式YouTube。
  Wiener Blut - K&K Philharmoniker による演奏。公式YouTube。
  Wiener Blut - Wiener klassik Orchesterによる演奏。公式YouTube。