エスレンジEsrange)は、スウェーデン北部のキルナ近郊に位置するロケット発射場、および研究施設。高高度気球を用いた科学研究、北極光の観測、観測ロケットの打上げ、人工衛星のトラッキング等を行っている。

BLAST望遠鏡と離陸前の高高度気球
Skylarkロケット。2005年5月2日

ヴァージン・ギャラクティックリチャード・ブランソンはこの場所で宇宙旅行に使用する宇宙港の建設を考えている。

エスレンジは1964年欧州宇宙研究機構(ESRO)によって建設され、1972年に新しく発足したスウェーデン宇宙公社所有権が移された。

ロケットの発射 編集

スウェーデンにおけるロケット活動は主にクロノゴード英語版で行われていた(1961年から64年に18発)。1964年にESROがエスレンジ射場を設立する。

1966年から1972年の間に、ESROは150基以上のロケットを打ち上げた。そのほとんどはサントールナイキ・アパッチスキュアロケットであり、高度は100kmから220km。大気圏電離層研究に重点が置かれていた。

1972年にエスレンジの管理はスウェーデン宇宙公社に移され、より大型のロケットも打ち上げられるようになった。現在、テクサスメーザーマクサスという3つのプログラムがエスランジの主なロケット活動になっており、ESA・DLRの微重力研究をサポートしている。

プログラム ロケットモータ 最高高度 ペイロード重量 微重力時間 期間 発射回数 顧客
TEXUS スカイラーク7英語版VSB-30 250-300 km 330-400 kg 6 分 1977- 47 DLRESA
メーザー Black Brant、スカイラーク7、VSB-30 250-300 km 330-400 kg 6 分 1987- 11 ESA
マクサス キャスター4B 700-720 km 800 kg 12-13分 1991- 7 ESADLR
Mini-Texus ナイキ・オライオン 120-150 km 160-200 kg 3-4 分 1993-1998 6 DLRESA

1966年以後エスレンジから400発以上のロケットが打ち上げられた。個々のロケットについての情報はEsrange rocket launch listを参照。

発射台 編集

エスランジは4台の発射台を保有している

衛星サービス 編集

エスランジは北極に近い緯度のため、極軌道上の衛星との通信に適している。衛星サービスは1978年に始まった。

通信衛星 編集

科学衛星 編集

すべてのスウェーデンの科学衛星はエスランジを通じてコントロールされてきた。

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集

座標: 北緯67度53分38秒 東経21度06分25秒 / 北緯67.89389度 東経21.10694度 / 67.89389; 21.10694