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エリゼ・ド・ヴェール

コンスタンス・エリゼ・ド・ヴェール（Constance Élise de Vère、1879年 - 1966年11月）は、ブリュッセルに生まれ、スイスに没した[1]、20世紀初頭のフランスで活動したイギリス人女優。

1899年、レオポルド・エミール・ロイトリンガー撮影。

経歴 編集

生い立ちと家族 編集

エリゼ・ド・ヴェールは2人の芸術家の間に生まれた娘であった。彼女の父親ハーバート・ガーディナー・シェイクスピア・ウィリアムズ・ド・ヴェール (Herbert Gardiner Shakespeare Williams De Vère) は、1843年にロンドンで生まれ[2]、シャルル・ド・ヴェール (Charles de Vère) やチャールズ・デヴェア (Devere) といった芸名で知られた、奇術用の機器の製作者であり、また彼自身も奇術師であった[3]。彼はロンドンで活動し、次いで1878年にブリュッセルに移り、最終的に1892年にパリに定住した[4]。母親のジュリア・フェレット (Julia Ferrett) は、1852年にスターミンスター（英語版）で生まれ、ドキタ (d'Okita) という仮名で舞台に上がり、1916年にパリで死去した[5]。その後、父シャルル・ド・ヴェールは、イザベル・ド・ポルトガル (Isabelle de Portugal) という女性と再婚し、1931年にエトレパニー（フランス語版）に没した[2]。彼は、最初の妻とともに、バティニョール墓地（フランス語版）に埋葬された[6]。

エリゼ・ド・ヴェールには多くの兄弟がいた。クロード・ウィリアムズ・ド・ヴェール（Claude Williams de Vère、1874年-?）、キャロライン・フローレンス・ド・ヴェール（Caroline Florence de Vère、1875年-1901年）、シリル・ド・ヴェール（Cyril de Vere1881年-?）、カミーユ・ド・ヴェール（Camille de Vère、1885年-1909年）、クレレット・ド・ヴェール（Camille de Vère、1886年-?）、そして、イオニア (Ionia) という芸名で奇術師として活動したクレマンティーヌ・ド・ヴェール（フランス語版）（1888年-1973年）である[7][8]。

芸歴 編集

エリーズ・ド・ヴェールは、その活動の初期において、コニー・ド・ヴェール (Connie de Vère) という名義を使っていた可能性がある。また、誤記と思われるエルシー・ド・ヴェール (Elsie de Vere) という名もしばしば見受けられる[9]。

1896年、ジョルジュ・メリエスは、彼女がダンスする姿を捉えた映画『ミス・ド・ヴェール』を制作した。

1900年頃、エリゼ・ド・ヴェールはパリで活動しており、オリンピック劇場（フランス語版）で開催された美人コンテストでジャンヌ・ドルツァル（フランス語版）に次ぐ2位となった[10]。特に、写真家レオポルド・エミール・ロイトリンガー（フランス語版）のスタジオで撮影された多くの写真は、若くて魅力的な舞台スターとして彼女を捉えている[11][12]。エリゼ・ド・ヴェールは、しばしばベルリンやウィーンの舞台にも出演した[13]。1903年と1904年には、ニューヨークのブロードウェイで、フローレンツ・ジーグフェルドの『Red Feather』に出演し、フィファイン嬢 (Mademoiselle Fifine) を演じた[14]。アメリカ合衆国では、彼女の名前は「Elise de Vere」とか「Elise De Vere」と綴られた[15]。

私生活 編集

エリゼ・ド・ヴェールは、イギリスの市民権を保持しながら、パリに定住していた。1917年12月まで未婚だった彼女は、ニューヨーク州ニューアーク（英語版）で実業家フランク・ジョセフ・ゴールドソル（ドイツ語版）と突然結婚し[16][17]、一緒にパリのボワ・ド・ブローニュ通り（フランス語版）60番地18に住んだ[18]。アメリカ人だったフランク・ゴールドソルは、1916年にフランスに帰化したが[19]、フランスで汚職事件に関わり、1922年に失脚した[20]。その後、夫妻は、1934年にスイスのヴォー州でゴールドソルが亡くなるまで結婚したままであった[21][22]。以降のエリゼ・ド・ヴェールの消息は、詳らかでない。

脚注 編集

  1. ^ Registre des inhumations au cimetière des Batignolles, avec la mantion « Venant de Suisse », sur Geneanet
  2. ^ a b Acte de décès no 39, 23 décembre 1931, Étrépagny, Archives de l'Eure [lire en ligne] (vue 10/10)
  3. ^ (en) Sir Charles Blake Cochran, The Secrets of a Showman, Londres,‎ , p. 100
  4. ^ Charles de Veres
  5. ^ Acte de décès no 1679, |27 juillet 1916, Paris 16e, Archives de Paris [lire en ligne] (vue 25/31)
  6. ^ Registres journaliers d'inhumation, cimetière des Batignolles, 29 juillet 1916 et 25/12/1931, Archives de Paris
  7. ^ Dates de la famille sur mundia.com
  8. ^ Ionia Clementine de Vere - Charles Greene III London Presentation Magic - YouTube
  9. ^ Annonce de 1888
  10. ^ (en) « The Drama », The New York Times, 16 juillet 1899
  11. ^ Seite mit Bildergalerie
  12. ^ Élise de Vère auf cabinetcardgallery.wordpress.com
  13. ^ (en) Tim Bonyhady, Good Living Street : Portrait of a Patron Family, Vienna 1900, Knopf Doubleday Publishing Group,‎ , 384 p. (ISBN 978-0-307-90681-6, lire en ligne)
  14. ^ “Elise de Vere”. Broadway Cast & Staff / Internet Broadway Database. 2022年12月14日閲覧。
  15. ^ “Florenz Ziegfeld Jr.”. IMDb. 2019年8月25日閲覧。
  16. ^ Liste des passagers du Chicago en 1917
  17. ^ The Washington Times, 7 mars 1918, p. 2
  18. ^ “L'affaire Godsoll”. L'Humanité (Gallica): p. [vue 2/2]. (1917年12月13日). https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k255127m 2021年9月26日閲覧。 
  19. ^ “Godsol, Frank Joseph”. www.siv.archives-nationales.culture.gouv.fr. 2021年9月26日閲覧。
  20. ^ “La fin d'une vieille affaire”. Le Matin (Gallica): p. 2. (1922年2月9日). https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k573874x 2021年9月26日閲覧。 
  21. ^ Origines sur ancestry.com
  22. ^ “F.J. Godsol”. IMDb. 2021年9月26日閲覧。

外部リンク 編集

 
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