オオウキモ

コンブ科の海藻の一種

オオウキモ学名Macrocystis pyrifera)は、不等毛植物門褐藻綱コンブ目コンブ科に属する海藻である。既知の藻類の中では最大種である。

オオウキモ
オオウキモ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
階級なし : ディアフォレティケス Diaphoretickes
階級なし : SARスーパーグループ Sar
階級なし : ストラメノパイル Stramenopiles
: 不等毛植物門 Heterokontophyta
: 褐藻綱 Phaeophyceae
: コンブ目 Laminariales
: コンブ科 Laminariaceae
: オオウキモ属 Macrocystis
: オオウキモ M. pyrifera
学名
Macrocsytis pyrifera (Turner) C.Agardh, 1820
和名
オオウキモ
英名
Giant kelp, Giant bladder kelp

根状部で海底の岩に付着し、上方に向かって茎状部や葉状部を成長させていく。その成長のスピードは著しく速く、1日に50cm近くも成長することもある。茎状部には空気をためた浮き袋が付いているため、これにより海中で直立して浮いていることができる。茎状部は海面に達するまで伸び続け、50m以上に達することもある。海面に達した後は、海面上に広がるような形で成長する。

生態 編集

 
モントレー水族館の展示

オオウキモが密集した場所では、海底から海面に及ぶ長大な藻場が形成される。海中に林立し、さらに海面を覆い尽したオオウキモを側柱と天蓋に見立てて、「カテドラル(大伽藍)」などと呼ばれることもある。この藻場は生物多様性に富んでおり、カニなどの甲殻類ウニヒトデなどの棘皮動物魚類、そしてアザラシラッコなどの海獣類のコロニーとなっている。特にラッコは、海流により藻場から流されないように布団にくるまるようにオオウキモを体に巻きつけて眠る習慣がある。カリフォルニア州にあるモントレー水族館 (Monterey Bay Aquarium) ではオオウキモと魚を配した「ケルプの森」大水槽が人気を博している。

分布 編集

アラスカ半島からカリフォルニア湾にかけての北東太平洋に主に生息するが、南半球の高緯度地域にも生息する。

利用 編集

オオウキモは食用に供されないため、従来採集されることはなかった。しかし近年、オオウキモに含まれるアルギン酸が健康に良いと標榜されたため、アメリカを席巻している健康ブームに乗って、サプリメントなどの材料として節度なき乱獲が続いている。沿岸海域の埋立てや水質汚染、海水温上昇などともあいまってアメリカ沿岸のオオウキモは激減しており、近い将来に藻場の豊かな生態系もろともオオウキモの森は消滅するものと予想されている[1][出典無効]

脚注 編集

  1. ^ テレビ朝日「素敵な宇宙船・地球号」2006年5月28日放映分より