オオミドリシジミ

シジミチョウ科のチョウの一種

オオミドリシジミ(大緑小灰蝶、Favonius orientalis)は、チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ミドリシジミ亜科に属するチョウの一つ。

オオミドリシジミ

オス(上)、メス(下)
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目 Lepidoptera
: シジミチョウ科 Lycaenidae
亜科 : ミドリシジミ亜科 Theclinae
: ファボニウス属 Favonius
: オオミドリシジミ F. orientalis
学名
Favonius orientalis
(Murray, 1875),
和名
オオミドリシジミ
(大緑小灰蝶)
英名
The Oriental Hairstreak

概要 編集

ミドリシジミとよく似るが、属は違い少し離れた存在。翅裏は全体的に白っぽく、褐色と白の帯が前後の翅にわたってかかる。後翅肛角の橙斑は2つに分離し、前縁側のそれは黒斑が付いて目玉模様のようになる。尾状突起はやや長い。

形態的にはエゾミドリジョウザンミドリハヤシミドリに類似する。その他にもクロミドリウラジロヒロオビが、同じファボニウス(Favonius)属に分類され、雄の翅表が青緑に輝く一群を形づくる(クロミドリだけは緑色ではない)。

成虫は6~7月ごろ発生(寒冷地では7月以降)し、雄は朝方活発にテリトリーを張り活動する。ミドリシジミ類では比較的低山地にも産する種で、乾燥気味の落葉広葉樹林帯などに見られるが、あまり多くはない。

卵で越冬する。卵は枝上に数個まとめて産みつける。食樹はブナ科コナラクヌギナラガシワカシワミズナラなど。

分布 編集

主要四島に分布するが、九州では内陸部のみ。

国外では中国大陸東北部、ロシア極東、朝鮮半島

関連項目 編集

参考文献 編集

  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112OCLC 170389984