コルサ (CORSA) は、オペルが製造して販売する自動車である。

概要 編集

1982年の初代モデル発売以来、市場に応じてGMグループ傘下のオペルボクスホールホールデンなど様々なブランドで販売し、スペインのサラゴサブラジルメキシコ南アフリカインドなど各地で生産している。

2代目と3代目モデルは、日本ヤナセが『オペル・ヴィータ (VITA)』として販売した。

3代目モデルまで、デザイナーの児玉英雄が担当してデザインした。

GMは2017年に、オペルとボクスホールブランドをグループPSAへ売却し、6代目モデル以降ははプジョー・シトロエンのプラットフォームを用いる。

初代 (1982 - 1993年) 編集

コルサ
コルサ A (S83)
 
3ドアハッチバック
 
 
5ドアハッチバック
概要
製造国   スペイン
  ユーゴスラビア
販売期間 1982–1993年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
2/4ドアセダン
プラットフォーム GM4200
パワートレイン
エンジン ガソリン:
1.0/1.2/1.3/1.4/1.6L I4
ディーゼル:
1.5L I4
変速機 4/5MT
車両寸法
ホイールベース 2,345mm
全長 3,620 - 3,955mm
全幅 1,530 - 1,540mm
全高 1,360 - 1,365mm
車両重量 735 - 865kg
その他
姉妹車 ボクスホール・ノヴァ (イギリス)
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1975年発売のフォルクスワーゲン・ポロや1976年発売のフォード・フィエスタなどに対抗すべく、スペインに新設されたサラゴサ工場で生産して1982年に発売した。

日本は東邦モーターズが少数を輸入し、『オペル 100i/130GT』の名称で販売した。

1990年にドイツなどでトムとジェリーがイメージキャラクターを務めた。

2代目 (1993-2016年) 編集

コルサ
コルサ B (S93)
 
概要
別名 オペル・ヴィータ (日本)
ボクスホール・コルサ (イギリス)
ホールデン・バリーナ (オーストラリア)
シボレー・コルサ (ラテンアメリカ)
シボレー・シェビー (メキシコ)
製造国   スペイン
  ドイツ
  コロンビア
  メキシコ
  アルゼンチン
  ブラジル
  ベネズエラ
  エジプト
  インド
  タイ
  エクアドル
  南アフリカ共和国
販売期間 1993 - 2016年
デザイン 児玉英雄
ボディ
乗車定員 2/5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
4ドアセダン
5ドアワゴン
2ドアピックアップ
パワートレイン
エンジン ガソリン:
1.0L I3
1.2/1.4/1.6 L I4
ディーゼル:
1.5/1.7 L I4
変速機 4MT/AT
車両寸法
ホイールベース 2,445mm
2,480mm (ピックアップトラック)
全長 3,730 mm (ハッチバック)
4,025mm (セダン/ワゴン)
4,155mm (ピックアップトラック)
全幅 1,610 mm
全高 1,440 mm
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オペル・欧州GM在籍中の日本人カーデザイナー、児玉英雄がデザインを担当し、欧州で1993年に発売、日本では1995 - 2000[1]年モデルをヤナセが輸入して販売した。オーストラリアニュージーランドではバリナの名で、日本ではすでにトヨタコルサの車名を登録して使用しており、『オペル・ヴィータ』[2]の名で販売した。

販売当初の車両本体価格は150万円台からで、左ハンドル仕様のみだったが、翌年右ハンドルも追加された。可愛いベイビーのメロディに乗せて「かわいいVITA♪ハイハイ」と歌う親しみやすいテレビCMと丸みを帯びたデザインに加え、デュアルエアバッグABSなど安全装備が充実し、輸入車としては安価なこともあり、初年分はすぐに完売した。軽自動車からの乗り換えも発生し、主に海外ブランド車を扱うヤナセが、軽を下取りして中古車として扱った。2000年に放送されたTBSドラマ「ビューティフルライフ」で常盤貴子が演じるヒロインの愛車として赤いヴィータが劇用車となったことから人気が再燃し、品薄になった。

3代目 (2000-2012年) 編集

コルサ
コルサ C (X01)
 
概要
別名 オペル・ヴィータ (日本)
ボクスホール・コルサ (イギリス)
ホールデン・バリーナ (オーストラリア)
シボレー・コルサ (ラテンアメリカ)
製造国   スペイン
  ドイツ
  アルゼンチン
  ブラジル
  エジプト
  エクアドル
  南アフリカ共和国
販売期間 2000 - 2012年
ボディ
乗車定員 2/5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
4ドアセダン
5ドアワゴン
2ドアピックアップ
パワートレイン
エンジン ガソリン:
1.0L I3
1.2/1.4/1.8L I4
ディーゼル:
1.3/1.7L I4
変速機 5MT
4AT
5AMT
車両寸法
ホイールベース 2,490mm
全長 3,815-4,180mm
全幅 1,645mm
全高 1,440mm
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2001年に欧州で発売し、日本は2001 - 2003年モデルを、GMとヤナセが2代目同様『オペル・ヴィータ』として販売。児玉がデザインに携わった最後のコルサでもある。

4代目 (2006-2014年) 編集

コルサ
コルサ D (S07)
 
前期型 (3ドア)
 
後期型 (3ドア)
概要
別名 ボクスホール・コルサ (イギリス)
製造国   ドイツ
  スペイン
販売期間 2006-2014年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
プラットフォーム SCCS
パワートレイン
エンジン ガソリン:
1.0L I3
1.2/1.4/1.6L I4
ディーゼル:
1.3/1.7L I4
変速機 5/6MT
4AT AF13
6AMT イージートロニック
車両寸法
ホイールベース 2,510mm
全長 4,000mm
全幅 1,735mm
全高 1,490mm
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2006年5月に欧州で発売した。フィアット・グランデプントが供用する「GM ガンマプラットフォーム」を採用した。

日本は2006年5月にオペルが撤退し、本モデルから正規輸入販売されていない。

5代目 (2014-2019年) 編集

コルサ
コルサ E (X15)
 
コルサ E(フロント)
 
コルサ E(リア)
概要
別名 ボクスホール・コルサ (イギリス)
製造国   ドイツ
  スペイン
販売期間 2014-2019年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム SCCS
パワートレイン
エンジン ガソリン:
1.0L I3
1.2/1.4/1.6L I4
ディーゼル:
1.3L I4
変速機 5MT
6AT
5AMT
車両寸法
ホイールベース 2,510mm
全長 4,020mm
全幅 1,735mm
全高 1,480mm
車両重量 1,120 - 1,237kg
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2014年10月に、パリモーターショーで5代目モデルを初公開[3]した。先代同様に3ドアと5ドアが設定され、英国はボクスホールブランドで販売する。

先代を元に再開発したプラットフォームに、新開発の1.0Lターボに加えて1.2L、1.4L、1.4Lターボ、1.3Lディーゼルターボを搭載する。

2015年に、1.6Lターボエンジンを搭載したオペルコルサOPC(ボクスホールコルサVXR)[4]を発売した。最高出力は207PS、最大トルクは245Nm、オーバーブースト機能でトルクを280Nmに引き上げることが可能で、0 - 100km/h加速は6.8秒、最高速度は230km/hである。

6代目 (2019年-) 編集

コルサ
コルサ F
 
コルサ F(フロント)
 
コルサ F(リア)
概要
別名 ボクスホール・コルサ (イギリス)
製造国   スペイン
販売期間 2019-年
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 5ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム PSA EMP1(CMP)
パワートレイン
エンジン ガソリン:1.2 I3
ディーゼル:
1.5 I4
モーター 永久磁石同期電動機(コルサe)
変速機 5MT PSA MA
6MT PSA MB6
8AT アイシンAWF8F35英語版
1速固定ギア比(コルサe)
車両寸法
ホイールベース 2,538mm
全長 4,060mm
全幅 1,765mm
全高 1,435mm
車両重量 1055-1233kg(コルサ)
1530kg(コルサe)
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2019年5月23日に電気自動車の「コルサe」[5]、6月26日にガソリン・ディーゼル車の「コルサ」が発表され[6]、同年に開催されたフランクフルトモーターショー2019で世界初公開した[7]。コルサ Fは当初GMのプラットフォームを用いて開発されていたが、開発中にオペルがグループPSA傘下へ異動したことにより、途中でPSA EMP1プラットフォームに切り替え、約2年の期間で仕上げられた。

パワートレインはガソリン車が1.2Lと1.2Lターボ、ディーゼル車が1.5L BlueHDiで、最高出力はガソリン車が55 - 96kW, 75 - 130hp、ディーゼル車が75kW,102hpである。e-CMPをプラットフォームに採用した電気自動車の「コルサe」は、50kWhのバッテリーを搭載し、最高出力は100kw, 136hp、1回の充電で330km(WLTPサイクル)の走行が可能で、0 - 100km/h加速は8.1秒である。 安全機能は、自動防眩機能付きLEDヘッドライト「IntelliLux LED matrix light」、自動ブレーキ、車線維持機能、自動駐車支援機能などを装備する [7]

コンボライフグランドランドとともに、2021年の日本市場再上陸時に発売予定と2020年2月に発表[8]された。トヨタ自動車から日本でのコルサの商標権がGroupe PSA Japan(現:Stellantisジャパン)に譲渡されて商標権の問題が解決された[9]こともあり、他国向けと同じ名称のオペル・コルサとして日本へ導入される見込み。

英国では、先代同様ボクスホールブランドで販売する。

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ Opel. Opel In South Africa”. Car-cat.com. 2010年7月16日閲覧。
  2. ^ ヴィータはラテン語で「人生」の意味。
  3. ^ “オペル コルサ 新型、発表…欧州Bセグで存在感発揮”. レスポンス. (2014年10月6日). https://response.jp/article/2014/10/06/234197.html 
  4. ^ オペル コルサ 新型に「OPC」…日常性能とサーキット性能を両立”. response.. 2020年2月20日閲覧。
  5. ^ "Sixth-Generation Opel Corsa Goes Electric" (Press release) (英語). Stellantis. 23 May 2019. 2021年12月30日閲覧
  6. ^ "Sporty, Stylish, Economical: New Opel Corsa Orderable From July 1 in Germany" (Press release) (英語). Stellantis. 26 June 2019. 2021年12月30日閲覧
  7. ^ a b 櫛谷さえ子 (2019年8月22日). “オペル、EVやPHEVなど3車種を世界初公開”. 日経XTECH (日経BP). https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/event/18/00078/00002/ 2020年2月5日閲覧。 
  8. ^ “オペル、2021年後半に日本市場に再参入。都内で発表会を開催”. Car Watch. (2020年2月18日). https://car.watch.impress.co.jp/docs/news/1235871.html 2020年12月30日閲覧。 
  9. ^ “トヨタがついに商標を譲渡。オペルがやっと本名「コルサ」を名乗れる!”. ドライバーWeb (八重洲出版). (2020年10月28日). https://driver-web.jp/articles/detail/38282/ 2021年10月14日閲覧。 

外部リンク 編集