カナの婚宴(カナのこんえん: ラテン語: Nuptiae in Cana factae))は、イエス・キリストの最初の奇跡としてヨハネ福音書2章1-11節に記されている。

ジョット画「カナの婚宴」(14世紀)
カフル・カンナにあるカトリック「カナの婚宴教会」
聖ゲオルギオス正教会」(カフル・カンナ)
三日目に、ガリラヤカナで婚礼があって、イエスの母がそこにいた。イエスも、その弟子たちも婚礼に招かれた。

ぶどう酒が足りなくなったので、 母がイエスに、「ぶどう酒がなくなりました」と言った。 イエスは母に言われた。 「婦人よ、わたしとどんなかかわりがあるのです。わたしの時はまだ来ていません。」 しかし、母は召し使いたちに、「この人が何か言いつけたら、そのとおりにしてください」と言った。 そこには、ユダヤ人が清めに用いる石の水がめが六つ置いてあった。いずれも二ないし三メトレテス入りのものである。 イエスが、「水がめに水をいっぱい入れなさい」と言われると、召し使いたちは、かめの縁まで水を満たした。 イエスは、「さあ、それをくんで宴会の世話役のところへ持って行きなさい」と言われた。召し使いたちは運んで行った。 世話役はぶどう酒に変わった水の味見をした。このぶどう酒がどこから来たのか、水をくんだ召し使いたちは知っていたが、 世話役は知らなかったので、花婿を呼んで、言った。 「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、 酔いがまわったころに劣ったものを出すものですが、あなたは良いぶどう酒を今まで取って置かれました。」

イエスは、この最初のしるしをガリラヤのカナで行って、その栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。 — 日本聖書協会『聖書 新共同訳』、ヨハネによる福音書 2章1-11節

場所 編集

カナの婚宴がどこであったかには、諸説ある。

このうち、カフル・カンナにはカトリック教会が建てた「カナの婚宴教会」があり、イスラエル巡礼では寄る人が多い。すぐ近くには、「聖ゲオルギオス正教会」もある。レバノンのカナの方が実際にはナザレに近いので、レバノン住在のクリスチャンはそこへ詣でる。

脚注 編集


参考文献 編集

  • 共同訳聖書実行委員会; 日本聖書協会『聖書: 新共同訳』日本聖書協会、1998年1月。ISBN 978-4-8202-1205-8NCID BA37101585 
  • 『ヨハネ講解』尾山令仁 羊群社
  • Clowes, John, 1817, The Miracles of Jesus Christ published by J. Gleave, Manchester, UK
  • Kilgallen, John J., 1989 A Brief Commentary on the Gospel of Mark, Paulist Press, ISBN 0-8091-3059-9
  • Lockyer, Herbert, 1988 All the Miracles of the Bible ISBN 0-310-28101-6
  • Maguire, Robert, 1863 The Miracles of Christ published by Weeks and Co. London
  • Miller, Robert J. Editor, 1994 The Complete Gospels, Polebridge Press, ISBN 0-06-065587-9
  • Rageh Omaar 2003 The Miracles of Jesus BBC documentary
  • Trench, Richard Chenevix, Notes on the miracles of our Lord, London : John W. Parker, 1846
  • Van der Loos, H., 1965 The Miracles of Jesus, E.J. Brill Press, Netherlands

関連項目 編集

外部リンク 編集