カノコソウ属学名Valeriana L.)は、スイカズラ科の一つ。クロンキスト体系ではマツムシソウ目 オミナエシ科に所属する。APG植物分類体系ではスイカズラ科に含まれるが、オミナエシ科として分離してもよいとされている。Valerianaの語源は、医薬として強い効能がある事から「強くある」「健康である」というラテン語のvalēre からきたであろうとされている[2]

カノコソウ属
カノコソウの花
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: マツムシソウ目 Dipsacales
: スイカズラ科 Caprifoliaceae
: カノコソウ属Valeriana
学名
Valeriana L.1753
タイプ種
Valeriana pyrenaica L. [1]
英名
Valerian

200種以上

概要 編集

200種かそれ以上の種を含み、一年草根茎主根をもつ多年草、半常緑の半低木、常緑の低木などがある。オーストラリア以外の全世界に分布する。主に温帯地域の湿潤な森林地帯、草地、河のそばに自生する。山岳地帯に生育する高山性の種もある。耐寒性である[3]

主な種 編集

別名ハルオミナエシ。丈は40~80センチで、5月から7月に淡い紅色の花を咲かせる。根に精油が含まれ、薬用として利用されている。日本、朝鮮半島、中国北部、サハリンなどに分布する。
西ヨーロッパが原産で、丈は1.2~2メートルになる。また夏に白・青紫・ピンクの花をつけ、花壇や切り花として栽培されている。根や茎がヒステリー、不安などに薬効があるハーブとして古くから利用されている。
日本に自生する。根元から細い茎を出して繁殖する。4月から5月に白か、稀に紅色の花を咲かせる。
  • Valeriana phu ‘Aurea’
株状になる根茎を持つ多年草。葉は、春に黄色で、夏にかけて黄緑から緑色に変化する。
  • Valeriana edulis Nutt
北米西部に分布し、匂いが強い多年草。インディアンが根を食用に用いた。

脚注 編集

  1. ^ Valeriana
  2. ^ 山田晴美『園芸植物学名事典』農業図書株式会社、1975年、334頁。 
  3. ^ 英国王立園芸協会『A-Z園芸植物百科事典』誠文堂新光社、2003年6月。 

参考文献 編集

  • 英国王立園芸協会『A-Z園芸植物百科事典』誠文堂新光社、2003年6月。ISBN 978-4416403006 
  • 堀田満『世界有用植物事典』平凡社、1989年8月。ISBN 4582115055