カワバンガ(Cowabunga) とは、1960年代サーファー文化におけるスラングの一つである。サーフィンでうまく波に乗ることができたときに発せられる場合が、主な使用例である。

由来 編集

この言葉は、1950年代アメリカの子供向けテレビ番組、『Howdy Doody』に登場するキャラクター、Chief Thunderthud によって使われた言葉、"kawabonga"に由来する。ティンカ・トンカ・インディアン(Tinka Tonka Indians、Princess Summerfall WinterspringとChief Feathermanによる架空の部族)の言葉で、あらゆる驚きを表現するために用いられる"Kawagoopa" という言葉があったが、後にChief Thunderthud(Ooragnak Tribeに属した)が同様の感嘆として"kawabonga"を使い始めた。1960年代、この番組を見て育ったサーファーたちが、この言葉をサーフィンの場で用いて、いつしか「カワバンガ(Cowabunga) 」という現在の語形に変化していった。

1970年代から1990年代まで 編集

別のアメリカの子供向けテレビ番組である『セサミストリート』のキャラクター、クッキーモンスターは、1970年代に"kowabunga!"を感嘆の語として使用するようになった。(頭文字が"K"になっているのは、この言葉が、Kで始まる語例として番組中で用いられたためである。 また、プレーリー・ドーンが「この言葉は単語として認められない」という主張に対する反論として、「カワバンガもまた単語である。難解だが詩的な性質を有している(Kowabunga too a word. It esoteric, but it poetic in its own right.") 」と語った。)また、漫画『ピーナッツ』の登場キャラクターであるスヌーピーもまた、この言葉を広く知らしめたという。

この言葉が人々の間によく知られるようになったきっかけは、1980年代後半から1990年代前半にかけて放送されたアニメ番組、『ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ』の主人公の一人、ミケランジェロが多用したことである。また、1990年代初頭のアニメ、『ザ・シンプソンズ』の登場人物の一人であるバート・シンプソン の着ていたTシャツの絵柄として2回登場した。

1997年には、ハンソンのメンバーである、アイザック・テイラー・ザックらによる自主制作ビデオ『タルサ東京、そしてどこからも遠い場所』の中でもこの表現が行われた。

さらに、southern federation United States Wrestling Associationに所属するプロレスラーカワバンガを名乗る人物が登場した(カクタス・ジャックのマネージャーを務め、またWCWなどのレフェリーとしても知られた、マーク・カーティスことブライアン・ヒルデブランド(en:Brian Hildebrand)が正体であった)。彼はニンジャタートルズのコスチュームを身につけたレスラーであった。

2000年代以降 編集

現在、この言葉はアメリカ国内のあらゆる場面で用いられている。例えば、アメリカ国立ヒトゲノム研究所のプレスリリース[1]には、「やったぜ! 我々科学者はウシゲノム解析プロジェクトを開始しました!("Cowabunga! Scientists To Start Bovine Genome Project")」と書かれた。また、MSNBC の記事[2]には、「やったぜ、肥料で発電です(Cowabunga: Manure becomes electricity)」というタイトルが付けられた。

さらに、映画『Barnyard』(注:ウシが主人公のCGアニメ映画)では、「マナバンガ!("man-abonga" 、ウシを表すcowと人間を表すmanを入れかえたもの)」という使用例がある。 別の使い方として、どこかへ跳ね上がるとき、または飛び込むときに、あたかも爆撃をするかのごとく「カワバンガ!」と叫びながら行うことがある。

また、2002年の映画、『アバウト・ア・ボーイ』の登場人物である12歳の少年マーカスがこの言葉を使った。