キノボリウオ(木登り魚、Anabas testudineus)はスズキ目キノボリウオ亜目キノボリウオ科キノボリウオ属(アナバス属)に属する淡水魚。

キノボリウオ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : キノボリウオ亜目 Anabantoidei
: キノボリウオ科 Anabantidae
: キノボリウオ属アナバス属Anabas
: キノボリウオ A. testudineus
学名
Anabas testudineus
(Bloch1792)
英名
Climbing perch
Climbing gourami

分布 編集

台湾(金門島)、中国南部から東南アジアインドなどに広く生息し、湖沼、河川にすむ。メコン川などでは内陸の奥深くまで分布している。

形態 編集

野生では体長25cm程になるが、水槽内では20cm以上にはならない。

生態 編集

キノボリウオという名が付いているが、実際は木に登ることはなく、実際には、雨天時などに地面を這い回る程度である。 このような名が付いたのは、鳥に捕まって木の上まで運ばれ、生きているのを目撃した人が、木に登ったと勘違いしたためである。このように地上に進出できるのは、同じ仲間のベタグラミーと同様に、エラブタの中に上鰓器官(ラビリンス器官)を持ち、これを利用して空気呼吸ができることと、他の仲間と異なり、這い回りやすい体型のためである。地上では、ペタペタと這い回り、鳥などに食べられると鰓が喉に引っ掛かり窒息死させる。雑食性。寿命は5年程度。

利用 編集

現地では食用にもされている他、観賞魚としても流通している。 ベトナムではBún Cá Rô Đồngという、米粉麺の料理の具・出汁として利用される。棘が多いので注意する。

関連項目 編集