キノ資本主義(キノしほんしゅぎ、英語: Keno capitalism)は、ポストモダン都市における土地利用を説明する都市構造モデルである[1]。土地利用の様相がキノのゲームボードのようであることからこの名がつけられた[1]ロサンゼルス[注釈 1]をモデルとする[3]。提唱者は、マイケル・ディア英語版およびスティーブン・フラスティである[1]

ポストモダン都市では、都心を代表点とする都市構造をとらず[1]、ランダムな都市要素から構成される[3]。開発は周辺の土地利用とは無関係にランダムに進められ、中心を持たない断片的で非連続的な都市構造をなし[1]エッジシティエスノバーブなどがランダムに立地している[4]

初出 編集

  • Dear, M. and Flusty, S. 1998. Postmodern Urbanism. Annals of the Association of American Geographers 88: 50-72. doi:10.1111/1467-8306.00084

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ロサンゼルスは、同心円モデル都市の発展段階論を適用できない都市である[2]

出典 編集

  1. ^ a b c d e 川口 2018, p. 466.
  2. ^ 長尾 2002, p. 178.
  3. ^ a b ノックスほか 2013, p. 327.
  4. ^ 長尾 2002, p. 179.

参考文献 編集

  • 川口太郎 著「20世紀の都市空間」、経済地理学会 編『キーワードで読む経済地理学』原書房、2018年、455-469頁。ISBN 978-4-562-09211-6 
  • 長尾謙吉「都市再編とロサンゼルス学派」『季刊経済研究』第25巻第1号、2002年、177-188頁。 
  • ポール・ノックス、スティーヴン・ピンチ 著、川口太郎・神谷浩夫・中澤高志 訳『改訂新版 都市社会地理学』古今書院、2013年。ISBN 978-4-7722-5266-9