キバナノアマナ属(キバナノアマナぞく、学名Gagea、漢字表記:黄花の甘菜属)はユリ科の1つ。

キバナノアマナ属
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: ユリ目 Liliales
: ユリ科 Liliaceae
: キバナノアマナ属 Gagea
学名
Gagea Salisb.
和名
キバナノアマナ属
  • 本文参照

特徴 編集

多年草。地下にある鱗茎は径10mmほどで、薄皮で被われる。根出葉は線形で、ふつう1個。花茎の先端に数個が散形状につき、基部に1-3個の緑色で線形の総苞がある。花被片は6個あり、黄色か黄緑色で腺体はない。雄蕊は6個、花糸は基部がやや広い糸状、葯は円形または楕円形になる。子房は上位で3室あり、各室に多数の胚珠がある[1]

アジアからヨーロッパに200種ほど[2]あり、日本には3種ある。

属の学名 Gagea は、18 - 19世紀のイギリスの植物学者、トマス・ゲイジ (en) (Thomas Gage) の名に因む[3]

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日本で見られる種 編集

  • ヒメアマナ Gagea japonica Pascher - 北海道、本州、九州にややまれに分布する[1]。日本の環境省レッドリストの絶滅危惧IB類(EN)。
  • キバナノアマナ Gagea lutea (L.) Ker Gawl. - 日本では、北海道、本州中部地方以北に多く、本州西部と四国はまれに分布する。国外では、千島、樺太、朝鮮、中国、シベリア東部、ヨーロッパに広く分布する[1]
  • エゾヒメアマナ Gagea vaginata Pascher - 北海道、南千島に分布する[1]。環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)。

日本国外の主な種 編集

  • Gagea bohemica (Zauschn.) Schult. & Schult.f. - ヨーロッパ西部、中央部から地中海沿岸に分布
  • Gagea caelestis Levichev - 中央アジアに分布
  • Gagea calantha Levichev - 中央アジアに分布
  • Gagea chlorantha (M.Bieb.) Schult. & Schult.f. - アジア西部からトルクメニスタン南部に分布
  • Gagea dschungarica Regel - イランから中国北西部に分布
  • Gagea germainae Grossh. - コーカサスに分布
  • Gagea graeca (L.) Irmsch. - ギリシャからトルコ、キプロス、イスラエルに分布
  • Gagea hiensis Pascher - シベリアから朝鮮に分布
  • Gagea minima (L.) Ker Gawl. - ヨーロッパからコーカサスに分布
  • コウライアマナ Gagea nakaiana Kitag. - パキスタンからシベリア、朝鮮、日本に分布
  • Gagea pedata Levichev - 中央アジアに分布
  • Gagea popovii Vved. - 中央アジアに分布
  • Gagea pratensis (Pers.) Dumort. - ヨーロッパからトルコ北西部に分布
  • Gagea pusilla (F.W.Schmidt) Sweet - ヨーロッパ中央部からコーカサスに分布
  • Gagea reticulata (Pall.) Schult. & Schult.f. - ヨーロッパ南西部からヒマラヤ、北アフリカからアラビア半島に分布
  • Gagea taurica Steven - クリミア半島、コーカサス北部に分布
  • Gagea ugamica Pavlov - カザフスタン南西部に分布
  • Gagea villosa (M.Bieb.) Sweet - ヨーロッパ、地中海沿岸からイラン南部に分布
  • Gagea vvedenskyi Grossh. - アフガニスタンからパキスタン北西部、中央アジアに分布

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d 『日本の野生植物 草本I単子葉類』p.35
  2. ^ Gagea (The Plant List)
  3. ^ Gagea Salisb. -Naturhistoriska riksmuseet 1997

参考文献 編集