キャンプ・ラズロ(Camp Lazlo)は、アメリカ合衆国のテレビアニメシリーズ。製作はジョー・マレーカートゥーン ネットワーク・スタジオ。アメリカ合衆国のカートゥーン ネットワークで放送された。(日本でも同様)このアニメではボーイスカウトに近いサマーキャンプへ擬人化された動物たちが参加し、ジョー・マレーがニコロデオン向けに製作した『ロッコーのモダンライフ』に通ずる『レトロ』なタイプの笑いやユーモアがあり、パロディや引用もある。 ジョー・マレーによると、 『ロッコーのモダンライフ』同様キャラクターの人格をその動物のアイデンティティに当てはめたとのこと[1]

あらすじ 編集

いんげん豆キャンプのサマーキャンプに参加した、ラズロ、ラージ、クラムの3匹。だが、このキャンプ場は、ルールを重んじる隊長・ランパスによって、厳重に管理されていた。ラズロはそんなキャンプに退屈して、危険だが楽しい遊びを始め、ラージとクラムを巻き込んでしまう。物語は、この3匹が、様々な騒動を巻き起こすコメディである。

登場人物 編集

ゼリー小屋トリオ 編集

ラズロ
- 河本邦弘/英 - カルロス・アラズラキ
本作の主人公。サマーキャンプに参加した。冒険や楽しい事が大好き。自由奔放かつ楽天家で友達想い。「キャンプは冒険」を持論とし、キャンプのルールはあまり守らず、何かと問題を巻き起こすが、本人は全く気にしていない。ピエロ嫌いで、子供の頃に見たサーカスで彼の目の前でピエロの鼻が落ちたトラウマによるもの。
ラージ
声 - 朝倉栄介/英 - ジェフ・ベネット
ラズロと同じ小屋になったインド。とても丁寧な言葉遣いだが、寂しがり屋でおっとりとした性格。汚い所、蛇や虫が嫌い。ラズロに翻弄される形で、何かとトラブルに巻き込まれるが、仲間達とはそれなりに楽しんでいる模様。マシュマロが大好物。
クラム
声 - 松田健一郎/英 - カルロス・アラズラキ
ラズロ、ラージと行動を共にする小さなサイ。器用で賢いが、気分屋な為に誤解を招く事も多い。日本語吹き替えでは片言で喋っている。スリルが好き。好物はシリアル。

いんげん豆キャンプ 編集

ランパス
声 - 利根健太朗/英 - トム・ケニー
いんげん豆キャンプの隊長を務めるヘラジカ。スカウトの物を没収したり幼稚な悪戯をしたりと、非常に意地悪な性格。自分より立場の低いものには尊大な態度で接するため、よくスリンクマンやスカウトをこき使っている。だが、上司のフーハには頭が上がらない。ジェーンに想いを寄せているが、なかなか振り向いてもらえない。子供の頃は宇宙飛行士を目指しており、実際に宇宙飛行士になれたが大きな角が入り口に引っかかってロケットに乗り込めず、結局宇宙へ飛び立つ事は出来なかった。
問題を毎回起こすラズロやラージ、クラムについては気に入らないらしく「クソガキ共」と呼ぶ事も。
スリンクマン
声 - 星光明/英 - トム・ケニー
ランパスのアシスタントを務めるナメクジ。真面目で優秀だが、骨が無い為に打たれ弱い。ランパスとはスカウト時代からの付き合い。スカウト時代はスーパーナメクジというスタントマンをしていた。
エドワード
声 - 中田隼人/英 - ダグ・ローレンス
いじめっ子のカモノハシ。家は裕福。人前では強がっているが、根は臆病で小心者。四人の兄がいる。自分よりも目立っているラズロやゼリー小屋トリオを目の敵にしているが、大抵は逆に痛い目に合ってしまう。ベロニカという女の子の人形をとても大切にしているが、そのことはキャンプのメンバーには秘密にしている。
サムソン
声 - 伝坂勉/英 - ジェフ・ベネット
眼鏡をかけたモルモット。様々なアレルギーを患っているため、薬はいつも欠かせない。飛んできたボールをぶつけられるなど、痛い目に遭うことが多い。
チップ&スキップ
声 - 間宮康弘(チップ)、土屋トシヒデ(スキップ)/英 - スティーブ・リトル
不潔なフンコロガシの双子。頭の周りにハエが飛んでいるが、そのハエはラズロが入隊した時に貰ったもの。2人とも頭が弱く、どこかズレている。襷をしている方がスキップで彼の方が兄。
デイブ&ピンポン
声 - 星光明(デイブ)、中田隼人(ピンポン)/英 - ダグ・ローレンス
背が高いアビの双子。首が長い方がピンポン。
レミング達
声 - /英 - スティーブ・リトル
青くて小さなレミング4人組。それぞれの名前は「ラリー」「レオナルド」「ルイ」「リニメント」。全員見た目がそっくりで、一緒に行動していることが多い。
ハロルド
声 - /英 -
水色のセイウチ。ハロルドという名前は嘘の名前らしいが、作中で本名は明かされていない。スーパーヒーローに憧れている。

どんぐりキャンプ 編集

パッツィ
声 - 小島幸子/英 - ジョディ・ベンソン
桃色の髪をしたマングースの女の子。高飛車な性格だが、ラズロに好意を寄せている。実はフーハ会長の娘である。チーズアレルギーで、食べると身体が腫れあがってしまう。
ニーナ
声 - ならはしみき/英 - ジル・タリー
パッツィと共に行動している眼鏡をかけたキリンの女の子。SF映画が大好きで、特に「宇宙もの」には目がない。
グレッチェン
声 - 京井幸/英 - ジル・タリー
パッツィと共に行動しているワニの女の子。性格は凶暴で、いんげん豆キャンプのメンバーにも辛くあたる。
ジェーン・ドー
声 - 小島幸子/英 - ジョディ・ベンソン
どんぐりキャンプの隊長を務める雌鹿。上品で愛らしい女性なのだが、怒ると暴走してしまう。
マーカス
声 - ならはしみき/英 - ジル・タリー
ジェーン・ドーのアシスタントを務めるイボイノシシ。とても規律に厳しい性格で、いんげん豆キャンプを目の敵にしている。いんげん豆キャンプのオモチャを奪い取り、それを自分の物にするのが趣味。

その他 編集

フーハ
声 - /英 - ジェフ・ベネット
サマーキャンプの会長を務めるバイソン。問題を起こすいんげん豆キャンプや、その隊長のランパスをいつも叱りつけているが、褒める事もある。『バレンタインデー』という話で、パッツィが娘である事が判明した。
マクミューズリー
声 - /英 - カルロス・アラズラキ
いんげん豆キャンプのシェフを務める山羊。ヘルシーではないお菓子をスカウトから没収している。スカウトからの料理の評判は決して良くない。
レスリー
声 - /英 - ダグ・ローレンス
いんげん豆キャンプの看護師を務める桃色の。ナース服を着ているがオス。いつも車輪付きの回転椅子に座って行動している。

受賞歴 編集

2006 年、Pulcinella Awardsの児童向けテレビアニメシリーズ部門と全年齢テレビアニメシリーズ部門で受賞し、イタリアのポジターノで開かれた第10回カートゥーンズ・オン・ザ・ベイの最優秀キャラクターにラズロが選ばれた[2][3] 。尚、カートゥーンネットワークは過去に2度受賞しており、『フォスターズ・ホーム』のブルーも2005年に受賞したことがある。Hello Dolly / Over Cooked Beans(邦題:僕のベロニカ/焼けつくキャンプ)という回が第58回プライムタイム・エミー賞 アニメーション番組賞(1時間以上部門)にノミネートされ[4]Where's Lazlo?(邦題:ラズロはどこ?)という回が第59回プライムタイム・エミー賞で アニメーション番組賞(1時間以上部門)を受賞し[5]2008年には、Lazlo's First Crush(邦題:ラズロの初恋)という回が 短編形式アニメ番組部門 スペシャルクラス番組賞を受賞[6]

このアニメのプロダクションデザイナーSue Mondt[7]Squirrel Secretsという回の美術監督を評価され、第59回プライムタイム・エミー賞でIndividual Achievement in Animationを受賞[8]。また、"Hard Days Samson"という回のプロダクションデザインでは、アニー賞にノミネートされた[9]

サブタイトル 編集

全て日本での放送順である。

第1シーズン 編集

1:ふたりでひとり/たいへんなピクニック
2:会長がやってくる/カユイカユイ島の宝
3:消灯/サメのラージ
4:クワの木 だいすき/マシュマロはやめられない
5:魚つり(のはず)/男の子は宇宙人
6:いとしのドー/クラムは天才
7:ないないクラブ/タンをはくラマ
8:ヘビ・ハンター/レーシング・スリンクマン
9:カヌー遠足/マダムのカツラ
10:ナメクジ祭り/ホットドックマンデー
11:レストランでランチ/くさいキャンプ
12:いたずらの日/こわい映画
13:チーズ車輪/ズボンおろし

第2シーズン 編集

14:キャンプ・ハロウィーン/ミートマン
15:ラージの売店/ミス・フリフリ
16:親の日/クラブ・インゲン豆
17:お手伝いバッジ/恋の病気
18:僕のベロニカ/焼けつくキャンプ
19:ニキビ山の戦い/ジェットマウンテン
20:豆つみチャンピオン/怪物狩り
21:ゲップコーラス/秘密の握手
22:スキーに行こう/カンペキな相棒
23:キャンプのマスコット/トマトスカウト
24:ちいさなおじいさん/秘密の温泉
25:キャンプ・サムソン/体力テスト
26:7個の毒サンドイッチ

第3シーズン 編集

27:キャンプよ、さようなら
28:体重をふやせ/モテモテ、サムソン
29:エドワードを待ちながら/オモチャを返して
30:クラムはどこ?/恐竜の骨
31:女子と座るな/虫大嫌い
32:ぐっすりおやすみ/土どろぼう
33:人生のパートナー/イライラテント
34:牙の魔法使い/スリンクマン隊長
35:フロートコンテスト/ソラチョののろい
36:レスリーさんの休暇/エドワードのラジオショー
37:隊長の木/グレッチェンをかわいがれ
38:アッと驚くスクープ/エドワード郵便になる
39:勝負はこれから/エドワードの日

第4シーズン 編集

40:ラズロはどこ? パート1
41:ラズロはどこ? パート2
42:バレンタインデー/フンコロガシな仕事
43:賞がほしい/サムソンの友達
44:エドワードの卵/ビーンスカウトガイド
45:地図にのせよう/ハロルドとラージ
46:ヘンテコ宇宙魚/チーズ星
47:ランパス対火山/レスリー看護師長
48:フンコロガシキャンディー/リーキーレイクツアー
49:ラズロの初恋/ランパススタイル
50:サムソンのにせ手紙/コーヒーテーブルの幽霊
51:友達を勝ち取れ/ニッコリマンキャンプ
52:ドーのかわいい坊や達/ピエロキャンプ

長編 編集

ラズロはどこ?(Where's Lazlo?) 編集

長編作品の第1作としてアメリカで2007年2月18日に放送。日本では同年10月8日に放送。後に40話、41話に分割されて放送された。アニメ本編の前日談となっている。

ストーリー 編集

ラズロが突然いなくなった。悲しいラージとクラムは、ラズロが初めていんげん豆キャンプに来た日のことを振り返る。

脚注 編集

  1. ^ Q & A with Joe Murray," Cartoon Network Pressroom
  2. ^ Ryan Ball (2006-4-10). “Lazlo Emerges as Champ on the Bay”. Animation Magazine. 2006年10月29日閲覧。
  3. ^ "Camp Lazlo Archives," Joe Murray Studio
  4. ^ The 58th Primetime Emmy Awards”. Academy of Television Arts & Sciences (2006年). 2009年4月13日閲覧。
  5. ^ Primetime Awards The 59th Primetime Emmy Awards”. Academy of Television Arts & Sciences (2007年). 2009年4月13日閲覧。
  6. ^ ACADEMY OF TELEVISION ARTS AND SCIENCES 60TH ANNUAL PRIMETIME EMMY AWARDS”. Academy of Television Arts & Sciences (2008年). 2009年4月13日閲覧。
  7. ^ Sue Mondt at IMDB”. 2009年4月13日閲覧。
  8. ^ ACADEMY OF TELEVISION ARTS & SCIENCES ANNOUNCES EMMY AWARD WINNERS IN COSTUMES FOR A VARIETY OR MUSIC PROGRAM AND INDIVIDUAL ACHIEVEMENT IN ANIMATION”. Academy of Television Arts & Sciences (2007年8月21日). 2009年4月13日閲覧。
  9. ^ 2006 Annie Awards by Category”. 2007年8月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月13日閲覧。 - Nominees from the official Annie Award website, November, 2006

関連項目 編集

外部リンク 編集