キヤノンAE-1は、1976年4月にキヤノンから発売された自動露出マニュアルフォーカス一眼レフカメラである。

キヤノン AE-1

概要 編集

  • キヤノンAE-1は、世界で初めてマイクロコンピュータテキサス・インスツルメンツ社製4ビットCPU)を内蔵したAE一眼レフカメラである。AEとはAutomatic Exposure、つまり自動露出のことである。AE-1では選択したシャッタースピードに合わせて絞りが自動設定される「シャッタースピード優先AE」方式を採用している。部品の電子化、ユニット化と自動組み立ての導入で、従来の一眼レフカメラより約300点の部品削減に成功し大量生産が可能となったため、他社の同クラスのカメラより2万円近く安い価格設定が実現できた。[1]
  • コピーライター秋山晶の手による「連写一眼」のキャッチコピーが話題となった。
  • 「連写一眼」の由来となった同時発売の「パワーワインダーA」は、AE-1のボディに装着するとシャッターボタンを1回押すと1コマ巻き上げ、押し続けると連写になるという仕様で、AE-1の大ヒットにより他社もこの方式を採用していくこととなる。販売直後のワインダー装着率は、東京で100%、地方でも50%に達した。[2]
  • シルバーボディとブラックボディがある。ボディ上部カバーはABS樹脂製で、真鍮で作った場合のデザインを再現したため、カメラ評論家でも樹脂製だと気付かなかったという。[3]
  • 1981年に、プログラムAEモードを追加した「AE-1プログラム」が発売された。
  • AE-1プログラムはAシリーズカメラの中で最後まで製造され、1988年8月31日、T70とともに生産終了し、同年11月1日よりオープン価格販売された。[4]
 
FDマウント

脚注 編集

  1. ^  那和秀峻 『名機を訪ねて 戦後国産カメラ秘話』 日本カメラ社 2003年11月
  2. ^ 『アサヒカメラ』 朝日新聞社 2007年6月号 特集「キヤノンMF党の逆襲」
  3. ^  石川弘 『なるにはBOOKS 69 インダストリアルデザイナーになるには』 ぺりかん社 1993年版
  4. ^ 『月刊カメラマン』 モーターマガジン社 1988年12月号 172頁

関連項目 編集