キンシウリ金糸瓜錦糸瓜、学名: Cucurbita pepo)は、ウリ科カボチャ属ペポ種に属する一年生のペポカボチャの一変種。アメリカ大陸原産。

キンシウリ

雄花と雌花
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: スミレ目 Violales
: ウリ科 Cucurbitaceae
: カボチャ属 Cucurbita
: ペポ種 C. pepo
品種 : キンシウリ C. pepo
学名
Cucurbita pepo L.
和名
キンシウリ
英名
Spaghetti squash
spuash vegetable marrow[1]

名称 編集

ほぐした果肉の形状にちなむ名称が各国語でつけられている。日本語では、ソウメンカボチャ(素麺南瓜)[1]、ソウメンウリ(素麺瓜)、イトカボチャ(糸南瓜)[1]ともいう。ヘタと先を切り落として適当な大きさに輪切りにし、水から茹で、20分弱経ったら冷水に入れると、果肉の部分がほぐれて素麺状になるため、「ソウメンカボチャ」や「ソウメンウリ」の名がある。

中国語では、「金糸瓜」(繁体字: 金絲瓜簡体字: 金丝瓜拼音: jīnsīguā)のほか、ほぐした果肉がほぐしたフカヒレ(魚翅)に似ていることから「魚翅瓜」(繁体字: 魚翅瓜簡体字: 鱼翅瓜拼音: yúchìguā)とも書く[要出典]。また英語においても、spaghetti squashの名前がつけられている。

栽培 編集

日本には明治期に入って導入され、寒冷な気候にも比較的強く北日本でも栽培されている。日本での植付けの時期は春であり、収穫期は夏である。

利用 編集

食材として加熱して食べる。完熟したかたい果実を串が通るぐらい茹でるか蒸すかすると、果肉がそうめんのように糸状にほぐれる[1]。主に酢の物和え物、汁の実にして食べる[1]

オーブン焼いたり蒸したりしてもよい。カボチャ類の中では比較的カロリーが低くてあっさりしており、日本では酢の物マヨネーズ和えにして食べる。欧米では主菜のつけ合わせに用いられることが多く、パスタの代わりにソースをかけて食べることもある。中国上海市崇明島では特産品のひとつとなっており、漬物に加工することも行われている。

栄養価 編集

ペポカボチャの仲間であるが、西洋カボチャに近い栄養素を持ちつつも、西洋カボチャと比べて水分量は多く含まれていているため、栄養素は全体的にやや少なめと考えられている[1]。野菜としては低エネルギーの食材であるが、カロテン(体内でビタミンAに変化する)、ビタミンB群ビタミンCカリウム食物繊維が豊富である[1]。独特の食感が食欲をそそり、ダイエット向きの食材としてみる向きもある[1]

ギャラリー 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g h 講談社編 2013, p. 100.

参考文献 編集

  • 講談社編『からだにやさしい旬の食材 野菜の本』講談社、2013年5月13日、100頁。ISBN 978-4-06-218342-0 

関連項目 編集