ギルバート=バルシャモフ限界

ギルバート=バルシャモフ限界: Gilbert-Varshamov bound)とは、符号線型符号とは限らない)のパラメータの限界を指す。「ギルバート=シャノン=バルシャモフ限界」(GSV限界)とも。

定理 編集

q進数の符号   が長さ   で最小ハミング距離   であるとき、その可能な最大サイズ(符号語の総数)を   とする。なお、q進数の符号は、  個の要素の   上の線型符号である。

すると、次が成り立つ。

 

q が素数冪の場合、この限界を次の式が成り立つ最大の整数 k を使って   と簡略化できる。

 

証明 編集

符号   の符号語の長さを  、最小ハミング距離 、最大符号語数を

 

とする。すると、全ての   について少なくとも1つの符号語   が存在し、   の間のハミング距離   に対して次が成り立つ。

 

さもなくば、  を符号語として追加しても、その符号の最小ハミング距離   は変化しない(  が最大であるという前提に矛盾する)。

それゆえ、  全体は   を中心とする半径   の全ての和集合に含まれる。

 

ここで、各球の大きさは

 

となる。これは、n桁の符号語のうち最大 d-1 桁を(の中心である符号語の対応する桁の値から)変化させ、 種類の異なる値とすることができる(符号はq進数で、  種類の値を取りうる)。したがって、次のような推論が成り立つ。

 

すなわち:

 

となる(  であるため)。

関連項目 編集