クイセブ川(クイセブがわ、Kuiseb River)は、ナミブ砂漠を東西に横切る枯れ川。東部の上流部では流水が常時見られることが多いが、下流の西部に流れていくにつれてナミブ砂漠の乾燥地域に入り、流水が見られなくなる。通常、中流・下流域では地下水として流れており、その水分のおかげで、クイセブ川の河床にはアカシアの木をはじめ、植物が生育する環境がある。

平均すると1年に1回程度の洪水が見られ、大規模な洪水の場合のみ、流水が大西洋に達することもある。大西洋に繋がる河口部分にはクイセブデルタが広がり、そこには現地語でナラ(!nara[注釈 1])と呼ばれる独特なウリ科植物(Acanthosicyos horridus、和名カラタチウリ)が生育している。

クイセブ川流域には、トップナール(Topnaar)と呼ばれる牧畜民が住んでおり、彼らはナラを収穫し、食糧や現金収入源としている[1]

脚注 編集

注釈 編集

出典 編集

  1. ^ 水野一晴『気候変動で読む地球史 限界地帯の自然と植生から』NHK出版、2016年、180, 181頁。ISBN 978-4-14-091240-9