クサントス (ギリシア神話)

クサントス古希: Ξάνθος, Xanthos, ラテン語: Xanthus)は、ギリシア神話、人物、あるいはである。英語読みでザンザスとも呼称する。主に、

のほか数人が知られている。

アキレウスの馬 編集

このクサントスは、ギリシア神話に登場する名馬の1つである。ハルピュイアポダルゲーと西風ゼピュロスの子で、バリオスと兄弟であり、不死であったとされる。またクサントスとバリオスはペーダソスとともに英雄アキレウスの持つ、3頭の名馬の1つでもあった[1]

クサントスとバリオスはもともとポセイドーンの馬だったが、ペーレウステティスが結婚したさいに贈られた[2]。その後、アキレウスはトロイア戦争に2頭を連れていき、エーエティオーンとの戦争で得た名馬ペーダソスとの3頭で自分の戦車を引かせた。パトロクロスの死によってアキレウスが戦争に復帰したとき、ヘーラーはクサントスの口を借りてアキレウスに死の運命を予言した[3]

アキレウスの死後、クサントスとバリオスは再びポセイドーンの馬になったという[4]

プトレマイオスの子 編集

このクサントスは、テーバイの王プトレマイオスの子である。プトレマイオスに続いてテーバイの王となった。パウサニアスはクサントスはテーバイ最後の王と伝えている。アンドロポンポスと一騎打ちで戦ったが、アンドロポンポスの謀略で殺された。その後、テーバイでは王政は廃止された。

その他のクサントス 編集

脚注 編集

  1. ^ 『イーリアス』16巻。
  2. ^ アポロドーロス、3巻12・5。
  3. ^ 『イーリアス』19巻。
  4. ^ 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』p.194b。
  5. ^ 『イーリアス』20巻、21巻。
  6. ^ ヒュギーヌス、145話。
  7. ^ 『イーリアス』5巻。
  8. ^ ヒュギーヌス、30話。
  9. ^ 『イーリアス』8巻。

参考文献 編集

先代
プトレマイオス
テーバイ王(神話時代)
次代