クマイチゴ(熊苺[3]学名: Rubus crataegifolius)はバラ科キイチゴ属に分類される落葉低木。別名、エゾクマイチゴ[1]、エゾノクマイチゴ[1]、タチイチゴ[1]、タケシマクマイチゴ[1]。赤色に熟した果実は食用になる。

クマイチゴ
白い5枚の花弁は離れてつく
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: バラ目 Rosales
: バラ科 Rosaceae
亜科 : バラ亜科 Rosoideae
: キイチゴ属 Rubus
: クマイチゴ R. crataegifolius
学名
Rubus crataegifolius Bunge (1833)[1]
シノニム
和名
クマイチゴ(熊苺)

特徴 編集

落葉広葉樹の低木[4]。高さは1 - 2メートル (m) になり[4]、キイチゴ属の中では大型なほうである。根は地下を横に這い、あちこちから地上にを伸ばす。茎は直立するか傾斜し、木質化するが太くは育たない。樹皮は赤味を帯びた濃褐色で固く、毛がなくて枝には刺が多い[4][3]は単葉で、長さ2 - 5センチメートル (cm) の葉柄があり鉤形の刺をもつ。葉身は長さ4 - 10 cmの広卵形あるいは卵円形で、浅くあるいは中程度でモミジ状に3 - 5つに裂け[4][3]、表面には伏毛があり、裏面の葉脈には刺がある。葉縁には不揃いの鋸歯がある[4]

花期は初夏(5 - 7月)[4][3]。冬芽から伸びた新枝の先に、直径1.5 - 2 cmほどのノイバラに似た5弁の白いが2 - 6個集まって咲く[4][3]果実集合果で夏(6 - 7月ごろ)に赤く熟し、食用になる[4][3]

分布と生育環境 編集

日本では、北海道、本州、四国、九州に、東アジアでは中国朝鮮に分布する[4]

山間部の日当たりのよい林道沿いなど[4]、森林があって、その中でやや荒れたところに生育する[3]。丈夫な茂みを形成するので、このヤブに入り込むと痛いめに遭う。

食用 編集

赤く熟した果実を摘み取って食用とする[3]。生食、あるいはジャム果実酒ジュースゼリーに加工する[3]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rubus crataegifolius Bunge クマイチゴ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月21日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Rubus takesimensis Nakai クマイチゴ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年6月21日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i 高橋秀男監修 2003, p. 170.
  4. ^ a b c d e f g h i j 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 210.

参考文献 編集

  • 高橋秀男監修 田中つとむ・松原渓著『日本の山菜』学習研究社〈フィールドベスト図鑑13〉、2003年4月1日、170頁。ISBN 4-05-401881-5 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、210頁。ISBN 4-522-21557-6 
  • 佐竹義輔ほか編『日本の野生植物 木本Ⅰ』平凡社、1989年。

関連項目 編集

外部リンク 編集