クマコケモモ(熊苔桃、烏華烏児矢[1]Arctostaphylos uva-ursi)はツツジ科の常緑低木。別名、ウバウルシウワウルシ。ウワウルシの名称は、種小名の「uva-ursi」(ウワ=ウルシ)が由来であり、ウルシ科の植物ではない。種小名の「uva-ursi」はラテン語の「クマブドウ」という意味で[2]、和名もこれが由来となっている。

ウワウルシクロンキスト体系
ウワウルシ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : ビワモドキ亜綱 Dilleniidae
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
: クマコケモモ属 Arctostaphylos
: クマコケモモ A. uva-ursi
学名
Arctostaphylos uva-ursi (L.) Spreng.
和名
クマコケモモ(熊苔桃)
英名
Uva-ursi(ウワウルシ)
Bearberry(ベアベリー)など
Arctostaphylos uva-ursi

特徴 編集

北半球の原野や高山に自生する。高さ50cmほど。葉は矩形もしくは円形で2.5センチメートル程度になる[2]。 花期は春〜初夏で、釣鐘型をしたピンク色の小花をいくつか咲かせる。果実は赤く熟し、中に種子が5つある。酸味が強く食用には向かない。

利用 編集

葉は強い殺菌収れん作用があり、尿路殺菌剤として用いることがある[2]。日本薬局方に生薬「ウワウルシ」として収録されている。最近では、メラニン抑制効果が認められたことから、化粧品に配合されることが多い。[3] 主成分はアルブチンエラグ酸などのタンニンなど。尿路消毒薬の原料としても使われる。

アメリカインディアンはこれらのハーブを混ぜてタバコとして喫煙する。煙にも爽やかな酸味が感じられる。アメリカインディアン居留地などで、お土産として購入可能。

匍匐性の植生から、園芸ではカバープランツとして利用されている[2]

脚注 編集

  1. ^ 『難訓辞典 中山泰昌編』東京堂出版、1956年。 
  2. ^ a b c d ジョンソン et al. 2014, pp. 270–273.
  3. ^ 主にアルブチンのグルコース結合をβからαに変換して配合されている。天然と書かれているものはβ結合のまま配合されている。

参考文献 編集

  • レベッカ・ジョンソン、スティーブン・フォスター、ティエラオナ・ロウ・ドッグ、デビッド・キーファー 著、関利枝子、倉田真木 訳『メディカルハーブ事典』日経ナショナル ジオグラフィック社、2014年。ISBN 9784863132726