クロガシラウミヘビ(黒頭海蛇[1]学名Hydrophis melanocephalus)は、コブラ科ウミヘビ科とする説もあり)ウミヘビ属に分類されるヘビ特定動物有毒

クロガシラウミヘビ
クロガシラウミヘビ Hydrophis melanocephalus
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
亜目 : ヘビ亜目 Serpentes
: コブラ科 Elapidae
: ウミヘビ属 Hydrophis
: クロガシラウミヘビ
H. melanocephalus
学名
Hydrophis melanocephalus
Gray, 1849
和名
クロガシラウミヘビ
英名
Black-headed sea snake

分布 編集

インドネシアからニューギニアまでの海に分布し、日本では南西諸島の沿岸や沖縄に多く見られるが、対馬海流に乗った場合によっては北海道の海にも見られる[2]

形態 編集

全長80-140cm[1]。体形は細長い。体色は淡黄色で黒い横の帯が見られる。頭部が黒いものが多いが、そうでない個体もいる[1]。種小名melanocephalusは「黒い頭」の意で、和名や英名と同義。頭の小ささに対して胴から後半にかけては太い。尾はひれ状になっている[1]マダラウミヘビと特徴が被る点が多く見分け辛いが、頭部の側頭板がほとんど一枚であること、頭部に対して眼が大きいことなどで区別可能[1]

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毒の成分は神経毒から成り、症状は、全身の倦怠感、筋肉痛運動障害呼吸困難麻痺、そして最悪の場合は死に至る。

本種に咬まれた場合は、噛まれた部分より心臓に近い部分をきつく縛り、毒を搾り出す。そして一刻も早く病院へ急行し、医師による適切な治療を受ける。

生態 編集

主に熱帯から亜熱帯に生息する。完全水棲種で、陸にあがることはない。昼行性[1]

海底の砂地で頭を持ち上げてじっとしていることが多く、近づいても逃げることは無いが、何かに驚いたりした場合にはすぐさま水面へ泳いでいく。[1]

食性は動物食で、細長い魚類アナゴ等)を食べる。頭部で海底の砂を掘り起こし獲物を探す。

繁殖形態は卵胎生で、10月頃1回に4-5頭の幼蛇を産む[1]

人間との関係 編集

ウミヘビは総じてあまり攻撃性を持たないといわれるが、クロガシラウミヘビは比較的攻撃的で、人間の姿を見て向かってくることがある為注意が必要である。沖縄では本種に咬まれたことによる死亡例が年に数例出ており、注意が必要であるといえる。

注釈 編集

  1. ^ a b c d e f g h 『日本の両生爬虫類』、304-305頁。
  2. ^ コトバンク「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

参考文献 編集

  • 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、327頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生類はちゅう類』、小学館、2004年、133頁。
  • 内山りょう・前田憲男・沼田研児・関慎太郎『日本の両生爬虫類』平凡社、2002年、201頁。 ISBN 4-582-54232-8

関連項目 編集