クロヒョウ 龍が如く新章

クロヒョウ 龍が如く新章』(クロヒョウ りゅうがごとくしんしょう)は、セガより2010年9月22日に発売されたPlayStation Portable用ゲームソフト。

クロヒョウ 龍が如く新章
対応機種 PlayStation Portable
開発元 セガ
シンソフィア
発売元 セガ
人数 1人(通信プレイ時1 - 4人)
メディア UMD
ダウンロード販売
発売日 日本の旗 2010年9月22日[1]
日本の旗 2011年12月1日(廉価版)[2]
対象年齢 CEROD(17才以上対象)
コンテンツ
アイコン
セクシャル、飲酒・喫煙、ギャンブル[1]
売上本数 日本の旗 25万5664本[3]
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キャッチコピーは「暴力の果てに、誇りはあるのか?」。

概要 編集

龍が如く』シリーズ通算6作目となった今作では、キャラクター・システムなどが一新された。本作はパッケージ版の他にダウンロード版も発売されたが、どちらもセーブデータの共有は可能。イベントシーンでは、従来のCGムービーではなく、イラストに音声をあてると言う『メタルギアソリッド ポータブル・オプス』にも似た表現方法を採用している[注 1]。総合監督の名越稔洋は、題材を「暴力」としている。名越は「暴力という言葉は社会的にも嫌われている。しかし、暴力でしか何かを見つけられない存在もいて、納得のいく暴力もあれば、暴力を使う卑怯者もいる。社会から脱落者を都合よく出すような言葉だと思う。その想いを描きたくなった」と語っている。クロヒョウシリーズは『龍が如く 見参!』などの外伝作品とは異なり、龍が如く本シリーズと同じ時間軸を共有している作品である[4]が、ストーリー自体は本シリーズと接点はなく、クロヒョウという独立した作品となっている。

キャストには、モデルの手島優星あや中村アン、ボクサーの内山高志など、従来作と同じく著名人を起用している。メインストーリー・脚本は野尻靖之オフィス・トゥー・ワン所属)が担当。

広範なマルチメディア展開がされており、10月5日から12月21日までTBSMBS系列火曜深夜枠でテレビドラマが放映された。また、週刊ヤングマガジンでも浅田有皆著作のコミック化がされた。

地下格闘場を軸とした物語ではあるが決して閉鎖的な内容ではなく、ゲーム自体は従来同様に歓楽街・神室町を股に掛けて展開される。従来のシリーズ作品同様リアルに再現された街を探索、各所のプレイスポット(容量の制限もあり縮小)やサブイベントを楽しむことが出来る。その他、ミニゲーム方式で行うアルバイトが追加された。アドベンチャー時のカメラワークは『見参!』以降の3D方式ではなく、『2』以前と同様の固定視点が自動で切り替わる方式になっている。また、サブストーリーの発生場所がマップに表示されるようになった。一方、タクシーは利用不可。

バトル 編集

本作の特徴として、喧嘩バトルが従来とは趣の異なった独特のシステムとなっている。主人公や敵の体力ゲージなどの表示は一切表示されず、純粋に戦闘の模様のみが画面に映る方式を採っている[注 2]。また、画面の大半をキャラクターが占めるなど背景よりもキャラクターを中心とした画面構成になっていたり、隣接した時に2D対戦格闘ゲームのような視点になるなど、1対1の戦いを意識したカメラワークとなっている。複数登場する敵も最大3人であり、本編のような多人数戦ではなく少数での戦いに特化している。

シリーズ初の「スタイル」システムが導入された。スタイルは喧嘩、ボクシングプロレス空手など20種類登場する。スタイルよっては、長所・短所、ヒートアクションもそれぞれ異なり、バトルの状況・敵のスタイルによって切り替えることもできる。

ヒートケージは、過去の作品と異なり、数回のバトルで使い回しができず、使用タイミングを見分ける必要がある。ヒートアクションも各スタイル3種類と少なく、従来のヒートアクションというよりは格闘ゲームの超必殺技的な意味合いが強い。ヒート状態は青→黄→赤の順にレベルアップしていき、青と赤は各スタイル固定のヒートアクションだが、黄は地形により技が変化するヒートアクションになっている。

体の怪我のシステムも導入された。「頭」、「胴」、「腕」、「脚」の4つの体位が、ダメージを受けるごとに体位のダメージが蓄積し、動けなくなるなどのデメリットが生じる。

レベルアップで「HP」と「防御力」がアップする。ある場所で所持金と引き換えに「パンチ」、「キック」、「スタミナ」のパラメータを上げることができる。

システム上、本編のような敵を蹴散らして進むアクションステージは存在しない。

ストーリー 編集

神室町に1人の少年がいた。少年の名は、「右京龍也」。「力こそがすべて」と信じ、暴力だけで生きていた少年は、高校中退後、神室町でケンカに明け暮れる日々を過ごしていた。

2010年9月。ある雨の日、龍也は中国系の闇金を襲うという大胆不敵な計画を画策する。この計画にあまりに無謀すぎると言い仲間たちが離れる中、彼は単身襲撃を試みる。しかし、そこにいたのは関東ヤクザを仕切る一大組織、東城会の直系九鬼組幹部・戸田直樹だった。

龍也に襲いかかる戸田。だが、龍也は戸田を圧倒。野獣のごとき強さで戸田を叩きのめした。勝利の高笑いをしていた龍也だったが、気がつくと戸田は血を流して息絶えていた。

極道の幹部殺害により、東城会、警察に追われる身となった龍也は、神室町から逃亡しようとするが、九鬼組の組長・九鬼隆太郎に捕まり、とある場所に連れて行かれる。そこは、九鬼組が運営する非合法闘技場「ドラゴンヒート」であった。

九鬼から「ドラゴンヒートで10連勝すれば、戸田殺しを見逃す」という条件を突き付けられた龍也。

それは、自由を奪われた少年の宿命であり、彼に選択の余地はなかった。

ただ勝ち続けること。

己の拳で運命を切り開くために、右京龍也は戦いの舞台に上がる。

登場人物 編集

楽曲 編集

続編 編集

クロヒョウ2 龍が如く 阿修羅編
2012年3月22日発売(PlayStation Portable)。

テレビドラマ 編集

クロヒョウ 龍が如く新章
ジャンル テレビドラマ
脚本 八津弘幸
谷村典子
演出 六車俊治
村松弘之
深迫康之
出演者 斎藤工
石田卓也
石黒英雄
製作
制作 毎日放送(MBS)
放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域  日本
放送期間2010年10月5日 - 12月21日
放送時間毎週火曜 25:25 - 25:55
放送分30分
回数11
公式ウェブサイト
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2010年10月5日より毎日放送製作、TBS系列で放送された。斉藤工の民放連続ドラマ初主演作。また、TBSでは前番組である毎日放送の深夜ドラマ枠に続いて放送されるため2番組続いて毎日放送製作及びドラマ枠となる。深夜番組でMBSとTBSが同時ネットするのは初めてのこと。

世界観や登場人物の人間関係は概ね原作に沿っているが、全体のストーリーは原作と大幅に異なる。

キャスト 編集

スタッフ 編集

主題歌 編集

  • RIZE「MUPPET」(ファー・イースタン・トライブ・レコーズ)

各話リスト 編集

各話 放送日 脚本 演出 視聴率
(関東)
視聴率
(関西)
第一章 2010年10月05日 八津弘幸 六車俊治 1.0% 2.4%
第二章 2010年10月12日 1.9% 2.4%
第三章 2010年10月19日 1.8% 2.3%
第四章 2010年10月26日 谷村典子 村松弘之 1.6% 3.1%
第五章 2010年11月02日 2.3% 1.3%
第六章 2010年11月09日 八津弘幸 六車俊治 2.1% 2.8%
第七章 2010年11月30日 村松弘之 1.8% 2.3%
第八章 2010年12月07日 1.0% 2.8%
第九章 2010年12月14日 深迫康之 1.4% 3.3%
第十章 2010年12月21日 六車俊治 1.8% 2.8%
最終章
平均視聴率 関東1.7% 関西2.5%
(視聴率はビデオリサーチ社調べ)

放送局 編集

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 備考
近畿広域圏 毎日放送 2010年10月5日 - 2010年12月21日 火曜 25時25分 - 25時55分 製作局
関東広域圏 TBSテレビ
北海道 北海道放送 2010年10月17日 - 日曜 24時56分 - 25時26分
福岡県 RKB毎日放送 2010年10月18日 - 月曜 26時25分 - 26時55分
日本全域 PlayStation Store 2010年10月20日 - 毎週水曜更新予定 有料(レンタル方式)
中京広域圏 中部日本放送 2010年11月12日 - 金曜 27時05分 - 27時35分
日本全域 ファミリー劇場 2012年8月1日 - 8月8日 月-水曜 25時00分 - 26時00分 CSチャンネル
最終日のみ27時30分まで

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ この際は、従来作とは違い、イベントスキップはできないが、早送りや一旦停止が可能である。イベントスキップは一度クリアすることでできるようになる。
  2. ^ 体力が少なくなるごとに画面の周囲が赤く表示されていくので、ある程度の体力の状態は判別できるようになっている。また、主人公の体力ゲージはメニュー画面で参照可能で、ここでアイテムを使用することもできる。
  3. ^ 2015年発売のゲーム『龍が如く0 誓いの場所』では、東城会直系堂島組若頭補佐の渋澤啓司を演じている。

出典 編集

  1. ^ a b クロヒョウ 龍が如く新章”. プレイステーションオフィシャルサイト. Sony Computer Entertainment Inc.. 2018年9月11日閲覧。
  2. ^ クロヒョウ 龍が如く新章 PSP® the Best”. プレイステーションオフィシャルサイト. Sony Computer Entertainment Inc.. 2018年9月11日閲覧。
  3. ^ 週刊ファミ通』12月8・15日合併号、エンターブレイン、2011年、17頁。
  4. ^ 龍が如くPRESENTS『復活!神室町 RADIO STATION』第5回”. 龍が如く.com (2012年2月27日). 2012年10月3日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集

MBS 火曜深夜25:25 - 25:55
前番組 番組名 次番組
あらびき団
【TBS制作】
クロヒョウ 龍が如く新章
TBS 火曜深夜25:25 - 25:55
けいおん!!
【TBS制作】
クロヒョウ 龍が如く新章