グアイアコール
グアイアコールの構造式
IUPAC名グアイアコール(許容慣用名)
2-メトキシフェノール(系統名)
別名グアヤコール
分子式C7H8O2
示性式2-CH3OC6H4OH
分子量124.13
CAS登録番号90-05-1
形状無色または淡黄色の固体または液体
密度1.112 g/cm3, 液体
融点28 °C
沸点204-206 °C
SMILESCOc1ccccc1O

グアイアコール (guaiacol) とは、有機化合物で、フェノール類の一種。フェノールの2位にメトキシ基を持つことから、o-メトキシフェノールとも呼ばれる。グアヤコールグアイヤコール表記ゆれがある

バニリン香料)、グアヤコールスルホン酸カリウム(医薬)などを人工合成する際の原料とされ、虫歯の治療時には歯髄神経の麻痺・消毒に用いられる。正露丸の主剤である日局クレオソートに多く含まれる[1]

ユソウボク(Guaiacum sp.)から発見されたことにより命名された。ユソウボク及び日局クレオソートから製造されるが、後者の場合はリグニン熱分解により生じる。

誤って口内粘膜にふれた場合は即時に洗浄する。現在はあまり使われなくなり、他の薬が使われることが多くなっている。刺激性・毒性があり、成人致死量は3-10グラム[1]

誘導体 編集

ブドウ果汁に含まれるフェルラ酸は、ワインの醸造過程で脱炭酸酵素4-ヒドロキシケイ皮酸デカルボキシラーゼにより4-ビニルグアイアコールとなる。赤ワインにおいては、さらに酸化還元酵素ビニルフェノールレダクターゼにより4-エチルグアイアコールに変換される。これらは、ワインのオフフレーバーの原因となる。

クローブなどの精油に含まれるオイゲノールは、グアイアコールの4位にアリル基を持つ。

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 「o-メトキシフェノール」『化学物質の環境リスク評価 第7巻』環境省環境保健部環境リスク評価室、2009年3月

外部リンク 編集

グアイアコール Guaiacol data