グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ

ロックスター・ゲームスが発売するコンピューターゲーム、GTAシリーズ第八作及びGTAⅢシリーズ第六弾
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グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ』(英名: Grand Theft Auto:Vice City Stories)は、アメリカロックスター・ゲームス社からPSP版が2006年10月1日に発売されたオープンワールドクライムアクションゲームである。本作は『グランド・セフト・オートシリーズ』第8弾、そしてPSP版第2弾にあたる。PSP同梱版も発売され、2007年3月6日にはPS2版がリリースされた(この作品がGTAシリーズPS2版最後の作品になった)。2007年12月6日にはカプコンからPSP・PS2にて日本語版が発売された。略称は『GTA:VCS』。

グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ
Grand Theft Auto:Vice City Stories
ジャンル オープンワールド
クライムアクション
アクションアドベンチャー
対応機種 PlayStation Portable
PlayStation 2
開発元 ロックスター・リーズ
ロックスター・ノース
運営元 ロックスター・ゲームス世界の旗
カプコン日本の旗(過去)
テイクツー・インタラクティブ日本の旗(現在)
販売元 テイクツー・インタラクティブ
プロデューサー レスリー・ベンジーズ
ディレクター レスリー・ベンジーズ
デザイナー デビッド・ブランド
プログラマー オベ・ヴェルメイ
アダム・ファウラー
アレキサンダー・ロジャー
アル・デュークス
アンドリュー・グリーンスミス
音楽 ダン・ハウザー
デビッド・ブランド
ライセンス なし
シリーズ グランド・セフト・オートシリーズ
人数 ストーリーモード:1人
マルチモード:2人〜6人
メディア [PSP]UMD
[PS2]DVD
[PS3]ダウンロード販売
アクティベーション 不要
運営開始日

PSP
アメリカ合衆国の旗 2006年10月31日
イギリスの旗 2006年11月3日
アイルランドの旗 2006年11月3日
オーストラリアの旗 2006年11月10日
欧州連合の旗 2006年11月10日
日本の旗 2007年12月6日
PS2
アメリカ合衆国の旗 2007年3月6日
欧州連合の旗 2007年3月9日
ニュージーランドの旗 2007年3月9日
日本の旗 2007年12月6日

PS3(PSN)
アメリカ合衆国の旗 2013年4月2日
欧州連合の旗2013年4月3日
使用ブロック数 多数
利用料金 有料
対象年齢 CEROZ(18才以上のみ対象)
BBFC:18
ESRBM(17歳以上)
OFLC(オーストラリア):MA15+
OFLC(ニュージーランド):R18
PEGI18
USK16(16歳未満提供禁止)
コンテンツ
アイコン
暴力・犯罪
ダウンロード
コンテンツ
なし
デバイス PC版は存在しないため不要
必要環境 PC版は存在しないため不要
アスペクト比 4:3
解像度 480p-720p
サウンド 当該項目を参照
売上本数 世界の旗600万本以上
その他 振動機能対応ゲーム
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日本語版限定ではあるものの、GTAシリーズ初のダブルプラットフォーム作品でもある。

実在の特殊部隊SWATFBIが登場したGTAシリーズ最後の作品でもある。

メインストーリー 編集

時は1984年リゾート地、バイスシティ。

主人公のヴィクター・ヴァンスは、病弱な弟の医療費を稼ぐべく陸軍伍長として働いていた。愛称は「ヴィック」。

2002年に発売され、1986年が舞台の『グランド・セフト・オート・バイスシティ』に登場したランス・ヴァンスの兄である彼は家族のために新兵としてバイスシティのフォートバクスター基地に着任したが、不祥事が元で除隊処分を受けてしまう。

その後は、遅れてやってきたランスとともにたった2人だけのマフィア「ヴァンス・ファミリー」としてバイスシティを駆け回り麻薬ビジネスに手を付けていく。

このバイスシティで生き残るためには犯罪を犯すことも必要なのだと知り、ヴィクターは、弟を養うため、そして自らが生き延びるために様々なバイスシティの裏社会の悪事をこなしていかなくてはならなくなってしまった…。

乗り物について 編集

新しくヘリコプターに乗れる様になった。(ストーリミッションやサブミッションでヘリを使用するミッションがある。)

他にも自転車、ホバークラフト、ブルドーザー、水上バイク等に乗る事が可能である。

概要 編集

本作は『GTA:VC』の2年前にあたる1984年バイスシティが舞台となる。主人公は同作に登場したキャラクター、ランス・ヴァンスの兄ヴィクター・ヴァンス。

本作ではヴァンス兄弟のバイスシティにおける成功の軌跡と、『VC』へと繋がる様々な人間模様が描かれている。

アクション 編集

前作『LCS』では泳ぐ事が出来なかったが、本作では可能となっている。

素手での格闘においてはガードや羽交い絞めや首絞め等の掴み技が追加され、『SA』に近くなったと言える。

武器は基本的に『LCS』と同じ様なものが使えるが、新規にイコライザーやスコーピオン(Vz 61)、M249が追加されている。

火炎瓶1発で車両を爆破出来る様になり、使い勝手が良くなっている。

舞台 編集

ゲームシステム 編集

システムの概略は前作『LCS』を継承しているが、細部の操作性などに変更が加えられている。また、後述の「物件経営/エンパイアビルディング」など、実験的な要素もいくつか盛り込まれている。本作では、クリアした殺戮ミッションに再度挑戦することができる(報酬は無い)。また、前作同様、マルチプレイも実装されている。別の意味での前作とも言える『VC』とはマップが若干異なり、入れる店が大幅に増えているが買い物などはできない。

乗り物では、シリーズ初となるジェットスキーが登場。その他には水陸両用6輪駆動車、消火用ヘリ、患者搬送用ヘリ、小型ヘリなどが新たに追加された。また、『SA』と同じく自転車(バニーホップの跳躍は小さい)やホバークラフトブルドーザー、小型飛行機などにも乗ることができる。『VC』と同じで鉄道が存在しない。

アクションでは『SA』で好評であった水泳が可能(潜水は不可)となっている。また、格闘システムも『LCS』より進化し、ガード・掴み攻撃や倒れた相手への顔面パンチ、後からの羽交い絞めや首絞めなどが追加され、『SA』に近い仕様となっているが、『SA』のように壁や障害物をよじ登ることはできない。

また、本作では隠しパッケージに代わるものとして99個の赤い風船を割る、というものがあり、割った個数に応じて特典が貰えるシステムとなっている。達成率が100%になるとメインミッションのデモシーンが見られるモードが存在する。これはシリーズ初の試みとなる。

物件に関して 編集

物件経営/エンパイアビルディング "Empire Building" 編集

本作の新システムとして採用されたビルの経営ミッション。バイカーギャングなど他のマフィアギャングが所有する物件(総数は30件)を襲い、制圧後にIonic Real Estateという不動産会社から土地を購入して自分の事業用建物(業種は6種類)を建設し、活動資金を稼ぐ。

事業の規模は「小/Small Time」「中/Medium Venture」「大/High-Roller」の三段階で、事業規模を大きくするほど高額な投資が必要になるが、収入も比例して大きくなる。さらに大を選んだ場合、選んだ業種ごとに異なる服がもらえる。6つの事業それぞれにミッションが存在し、クリアする毎にその仕事におけるランクが高くなり、収益もアップする。また、購入したビルはセーブポイントの代わりとして利用することもできる。

襲撃後は元々その物件を所有していたギャングと敵対関係になり、ヴィックを見つけると攻撃してくるようになる。さらに他のギャングも自分の物件を襲撃してくることがあり、防衛に行かなかったり防衛に失敗したりすると拠点が壊されて収益が下がるほか、最悪の場合はその物件を奪われてしまうため、制圧した後も自分の物件の防衛に気を配る必要がある。

ミッションの名称 編集

以下、名称は 日本語版での名称/英語版での名称(英語版の名称の翻訳)である。

警備/Protection Racket(ショバ代取立て)
ミッション名 "Extortion"
自分のシマで保護している店から滞納中のショバ代を取り立てる。自分のシマにいる対立ギャングとの抗争も起こる。
称号: Nobody → Hoodlum → Ultimate Badass
金融/Loan Shark(高利貸し)
ミッション名 "Loan Shark"
商品を満載した輸送車及び車両を強奪し、アジトに持ち帰る。
称号: Nobody → Lifter → Crim-Reaper
派遣/Prostitution(売春)
ミッション名 "Pimping"
売春婦と客との連絡役を行う(いわゆるポン引き)。売春婦達はしばしば客とトラブルを起こすため解決に奔走することとなる。
称号: Nobody → Panderer → Mack Daddy
砂糖/Drugs(麻薬取引)
ミッション名 "Drug Running"
バイスシティのあちこちにいる売人とヤクの取引をする。無論のこと取引は警察にマークされており、また、取引と偽って金を奪おうとする売人もいる。
称号: Nobody → Dealer → Smack Daddy
密輸/Smuggling(密輸)
ミッション名 "Smuggling"
密輸入したブツを海上で極秘裏に受け取り、アジトに届ける。海上ではライバル業者の妨害が、陸上でもSWATによる取り締まりが待ち受けている。
称号: Nobody → Mule → Pirate Captain
強奪/Robbery(強盗:ミッション)
ミッション名 "Robbery"
運び屋からブツや現金を強奪し、追っ手を振り切ってアジトに持ち帰る。
称号: Nobody → Larcenist → Heist Meister

登場武器一覧表 編集

登場する武器 編集

打撃系武器
近接武器。一部武器では連続技も出せる。
投擲武器
投げて使用する武器。まとまった敵や車を爆破するのに適している。
小火器
拳銃
2種類のみ。物語序盤ではよく使う。
  • ピストル
自動拳銃。撃ちやすく反動も小さいが、威力が低い。モデルはベレッタ 92F
  • イコライザー
回転式拳銃。使用弾薬.357マグナム弾。反動は大きいが、威力が強い。モデルはコルト・パイソン
ショットガン
近接距離では高威力のため使用する機会は多いが、遠距離だと威力は落ちる上、射距離も短い。物語序盤から中盤まで使える。
  • ショットガン
モデルはモスバーグM500
モデルはイサカM37
  • 軍用ショットガン
モデルはフランキ・スパス12
サブマシンガン
片手で撃てるものと両手撃ちの2種類が存在。物語序盤-中盤まで使える。また、唯一車両からのドライブバイができる。
モデルはその名のとおりVz.61 スコーピオン。
モデルはその名のとおりイングラムM10。サイレンサー付きではあるが消音にはならない。
  • マイクロSMG
モデルはUZI
  • SMG
モデルはH&K MP5Kの民間向けであるH&K SP89
アサルトライフル
中盤以降の敵が所持している。1発の威力が高い上、射距離があるので終盤まで使える万能武器。
  • AK
モデルはAK-47
  • アサルトライフル
モデルはM16自動小銃
スナイパーライフル
遠距離の敵を殺害するのに適している。
  • スナイパーライフル
モデルはM21狙撃銃
  • レーザースナイパーライフル
モデルはドラグノフ狙撃銃
重火器
特殊系武器。ロケットランチャーや機関銃火炎放射器などが分類される。
モデルはM72 LAW
  • ミニガン
モデルはGAU-19
モデルはその名のとおりM249軽機関銃。

登場人物 編集

斜体は英語名、()内は声優名を表す。

主な登場人物 編集

ヴィクター・ヴァンス Victor "Vic" VanceDorian Missick
  • ミッション"Soldier"から登場
今作の主人公で、『VC』に登場したランス・ヴァンスの兄。28歳[1]。生き延びるために犯罪を犯すことには吝かではないが、幼い頃から母親が薬物依存症であったことから麻薬コカインの類、またそれらの使用者に対しては嫌悪感情を隠さず、自分が麻薬ビジネスに手を染める事を最後まで嫌がっていた。また、ヴィック("Vic")という愛称で呼ばれている。陸軍伍長として家族のためにバイスシティの陸軍フォートバクスター基地に着任したが、上司であるマルチネスの奸計により除隊処分を受けてしまう。その後、遅れてやってきた弟のランスと共にたった二人だけのマフィア「ヴァンスファミリー」としてバイスシティを駆け回る。『VC』ではオープニングにて登場するが、リカルド・ディアスの差し向けた刺客の手で殺されてしまう。
ランス・ヴァンス Lance Vanceフィリップ・マイケル・トーマス
  • ミッション"Jive Drive"から登場
ヴィックの弟。ヴィックよりかなり背が高いが、ケンカは弱く、お調子者で、しっかりした兄とはまるで正反対である。「ハジけようぜ!」が口癖。また、派手な服や車、家に金をかけたがる部分やPerennial(ペレニアル)のような地味な車に乗ると文句をつけるなど非常にわがままな性格をしており、また様々なトラブルを引き起こしてはヴィックに尻拭いをして貰っている為にヴィックをして「病気のようなもの」と言わしめるが、怒り任せながらも単身でメンデス兄弟の屋敷を襲撃するなど度胸がある一面もある。リカルド・ディアスに対しては「クエンティン」という偽名を使っている。また、『VC』にも登場している。ヴィックがバイスシティにいるという知らせを聞いてドミニカからやって来ており、後にヴィックと共にたった二人だけのマフィア「ヴァンスファミリー」としてバイスシティを駆け回る。
フィル・キャシディ Phil Cassidyゲイリー・ビジー
  • ミッション"Cleaning House"から登場
元軍人である武器に精通した専門家で、現在は武器商人であり、ヴィックとは陸軍在籍時代の戦友でもある。かなりの酒乱で、酒に酔うと銃を振り回す。また、メアリーとルイーズという二人の妹がいる。ヒスパニック系ギャンググループ「チョロ "Cholos"」に仕事を邪魔されて悩まされており、チョロを撃退する為にヴィックに仕事を依頼する。
ジェリー・マルチネス軍曹 Sgt.Jerry Martinez(Felix Solis)
  • ミッション"Soldier"から登場
  • ミッション"Last Stand"で死亡
フォートバクスター基地でのヴィックの上司で、奸計により着任早々のヴィックを除隊に追い込んだ張本人。表向きは軽い態度ばかりが目立っているが、その本性は卑劣な性格をしており、自分の為なら軍の規律を破る事も厭わず、また邪魔者を始末するために軍の戦闘ヘリまで持ち出すこともあるなど執念深い本性を持っている。また、軍隊に所属しながら裏ではヤクの売買などを行っている。メンデス兄弟の依頼でヤクを保管していたところをヴィックとランスにそのヤクを強奪されてしまった為にメンデス兄弟の暗殺リストに入ってしまい、一時はバイスシティを離れていたが、後にヴィックに復讐するために舞い戻り、ゴロツキを使ってルイーズに重傷を負わせる。その後、ディエゴと共にダウンタウンのオフィスビル屋上でヴィックと最後の決闘をするが、最後は返り討ちに遭って死亡する。
アルマンド・メンデス Armando Mendezユル・ヴァスケス
  • ミッション"The Mugshot Longshot"から登場
  • ミッション"Light My Pyre"で死亡
プローン島に大邸宅を構えているバイスシティを牛耳るマフィア「メンデスファミリー」のボス。マルチネスに預けていた麻薬をヴィックとランスによって奪われた為にマルチネスを暗殺リストに入れ、更にはヴァンス兄弟を殺すつもりでいたが、ヴィックの能力に利用価値を見出したことで仕事を依頼するようになる。その後はヴァンス兄弟をバイスシティから放逐しようとするも交渉は決裂し、二人の殺害にも失敗する。その後、ルイーズが退院した際にもルイーズを襲撃すると報告しておきながらランスを襲撃し、更にはヴァンス兄弟を誘き寄せる為に退院したばかりのルイーズを誘拐して致命傷を負わせた。その後はルイーズを助けにメンデス邸を強襲したヴィックに火炎放射器で襲い掛かるも敗死した。
ディエゴ・メンデス Diego Mendez(Ruben Trujillo)
  • ミッション"The Mugshot Longshot"から登場
  • ミッション"Last Stand"で死亡
アルマンドの弟で、饒舌な兄とは対照的な無口な男。哲学書(プラトン)を愛読し、また映画監督のレニ・ヴァッスルマイヤーと付き合っている。アルマンドの敵討ちとしてマルチネスと共にダウンタウンのオフィスビルの屋上でヴィックと戦うも敗死する。
リカルド・ディアス Ricardo Diazルイス・ガスマン
  • ミッション"Steal the Deal"から登場
スターフィッシュ島にあるバイスシティ最大の豪邸に本拠を構える麻薬組織の頭。ナポレオン・コンプレックスで、非常に短気だが、今作ではコカインの影響で気さくな性格になっている。また、『VC』にも登場している。メンデスファミリーを警戒しており、またバイスシティの裏世界を支配するためにヴァンス兄弟に仕事を依頼する。
ウンベルト・ロビーナ Umberto Robinaダニー・トレホ
  • ミッション"Nice Package"から登場
リトルハバナのキューバ系ギャング団を取り仕切る大柄な男。男の中の男以外とは仕事をせず、他人にはやたらと男らしさを求めるが、本人は想像を絶する程のヘタレで、仲間にも勘付かれている。また、『VC』にも登場している。メキシコ系ギャング団「チョロ」と抗争しており、それに関連する仕事をヴィックに依頼する。
マーティー・ジェイ・ウィリアムズ Marty Jay Williams(ジム・バーク)
  • ミッション"Shakedown"から登場
  • ミッション"D.I.V.O.R.C.E."で死亡
ルイーズの夫で、白人貧困層が集まるトレーラーパークマフィア"Trailer Park Mafia"のボス。親戚には人気があるようだが、妻ルイーズとその赤ん坊には容赦なく非情な一面を見せている。フィル・キャシディの紹介でヴィックに裏のビジネスの手法を伝授する。その後、姉の元に逃げ込んだルイーズを無理矢理連れ戻し、娼婦として働かせようとするもヴィックに阻まれ、最後は彼によって殺害された。
ルイーズ・キャシディ・ウィリアムズ Louise Cassidy-Williams(Chesley Rives)
  • ミッション"Shakedown"から登場
  • ミッション"Light My Pyre"で死亡
マーティーの妻で、一児(メアリーベス。GTAシリーズ初の子供兼赤ん坊キャラクターでもある)の母であり、フィル・キャシディの妹でもある。胸に薔薇タトゥーをしている。夫のマーティーから娘共々邪険に扱われていたところをヴィックの助けによりマーティーから逃れて自由を手にし、ヴィックに対して友人以上の感情を抱くようになる。その後、マルチネスの雇ったゴロツキに誘拐され、ヴィックに救われるも瀕死の重傷を負って入院する。退院後は今度はヴィックの命を狙うアルマンドに誘拐されて致命傷を負わされ、最後は駆けつけたヴィックの腕の中で息を引き取る。
レニ・ヴァッスルマイヤー Reni Wassulmaier(Barbara Rosenblatt)
  • ミッション"Accidents Will Happen"から登場
プローン島のインターグローバルスタジオで映画やCМを撮影しているドイツ系の映画監督。コカイン好きの影響からか、自らを「天才」や「男であり女であり全てである」等と称してやまないが、実際は京劇役者と宝塚俳優を合わせたような何とも奇抜な容姿をしている(これはゲーム中のみで公式イラストは後述の4度目の性転換後の女性の姿)。また、撮影資金の殆どをコカインに使ってしまう為、満足する作品を作れずにいる。生来の性は女性であるが、これまでに3回の性転換手術を行っている。また、常に女口調で喋るが、武器を持つと男口調になる。オーシャンビーチの病院で4度目の手術(男→女)を敢行するが、直後に関係を持っていたディエゴ・メンデスに敵対していたヴィックと自身を引き合わせた為に命を狙われる事となり、ヴィックの助けを借りてバイスシティを離れ、ヨーロッパへ向かうことになる。
ブライアン・フォーブス Brian Forbes(ダニエル・オレスケス)
  • ミッション"Money for Nothing"から登場
  • ミッション"The Bum Deal"で死亡
DEAの秘密捜査官。かなりの自惚れ屋で、またパーティが大好きである。また、DEAの人間でありながら賄賂も平気で受け取っている。ランスの仕事仲間を装って秘密捜査を行っていたところをランスに素性を見抜かれ、ヴィック達と金儲けをしたいと弁解するもリトルハイチの廃屋に監禁された。その後、二人の隙を見てスクーターで廃屋を脱出するが、ヴィックによって殺害された。
ゴンザレス Gonzalez
  • ミッション"The Colonel's Coke"から登場
コルテス大佐の部下で、不思議な髪型をした男。大佐のヤクの一部(とはいえ、バン一台分)をネコババしている。また、ゴルフ好きで、「ゴルフの腕前を見ればその人物の人格まで分かる」と豪語している。敵に命を狙われたことを機にヴィックの助けを借りてビジネス機に乗り、バイスシティを離れた。『VC』では主人公トミー達の取引が襲われる原因を作った為に、それを知ったコルテス大佐の命を受けたトミーによって殺害される。

その他の登場人物 編集

メアリー=ジョー・キャシディ Mary-Jo Cassidy(Cathy Trien)
  • ミッション"D.I.V.O.R.C.E"から登場
フィルの妹で、ルイーズの姉。スリムな妹とは似ても似つかない肥満体型且つ自意識過剰なためにルイーズがマーティーに売春宿に売り飛ばされそうになった時やヴィックと親しかった為にアルマンドに誘拐された時には、自身も同様の目に遭うと思い込んでいた。ルイーズの死後は彼女の娘であるメアリー・ベスを引き取った。
アルベルト・ロビーナ Alberto Robina
  • ミッション"Papi Don't Screech"で登場
リトルハバナのカフェ「カフェロビーナ」の店主で、ウンベルトの父。ここ20年間一度も開店時間を遅らせたことがないのが自慢らしいが、心臓が弱い。また、『VC』にも登場している。
ジャネット・ヴァンス Janet Vance
ヴィックとランスの母。若いボーイフレンドのハビエル"Javier"を連れて登場し、バイスシティに訪れてから暫くはランスの家に暮らしていたが、後にヴィックとランスがマルチネスから盗んだヤクを全て持ち逃げしてしまう。
フィル・コリンズ Phil Collinsフィル・コリンズ
  • ミッション"Kill Phil"から登場
イギリス人ミュージシャンで、グランド・セフト・オートシリーズ初の実在する有名人[2]。コンサート開催のためにバイスシティにやってきたが、マネージャーのバリーの借金のカタに何度も命を狙われており、レニの紹介によってヴィックに身辺を警護してもらうことになる。その後、ハイマン記念スタジアムにてライブ(曲は「In The Air Tonight」)を披露する。
バリー・ミッケルスウェイト Barry Mickelthwaiteティモシー・スポール
  • ミッション"Kill Phil"から登場
作中におけるフィル・コリンズのマネージャー(こちらは実在人物ではない)。自身がフォレッリファミリーに借金を負ったことが原因でフィルの命を危険に晒している為、レニの紹介によってヴィックにフィルの護衛を依頼する。
スピッツ Spitz
ゾンビ系ホラー映画で有名な映画ディレクター。自分の映画にヴィックを出演させた縁で彼にレニを紹介する。
フランキー Frankie
  • ミッション"Accidents Will Happen"から登場
レニのアシスタント。いわばゲイで、男が何よりも大好きである。盛り上げが足りないことで一旦はアシスタントをクビになるが、その後はすぐに復帰した。
イーニッド Aunt Enid
ヴィックとランスの叔母にあたる人物。ヤク中の母親に代わって二人の面倒を見てきたが、作中ではポケベルで連絡をくれるだけな為に顔は不明である。
ピート・ヴァンス Pete Vance
ヴィックとランスの弟。病弱なために重い喘息を患っており、ヴィックが軍隊に入隊したのは自身の治療費を稼ぐためで、作中では名前のみ紹介される。

登場するギャング 編集

シャークス/ストリートワナビーズ(Shark/Streetwannabes)
『VCS』(1984年時点)においてEastern Island(東の島)の北部以外の縄張りを全て占める程の強力なギャング。二年後の『VC』では『ストリートワナビーズ』として知られ、彼らの着る革デニムジャケットの背中にサメロゴが入っている。エンパイアビルディングの抗争相手として彼らの所有物件は赤色で表示される。「Sharks」とは本来のサメと「強欲な者」とのダブルミーニングである。
  • 敵対関係→ヴァンス兄弟、バイカーギャング、リカルド・ディアズ
  • 外見→ベレット帽を被り、色の明るい服。
  • 武器→マイクロSMG SMG、Mac10、AK
  • 乗り物→Gang Rancher(ギャングランチャー)
バイカーギャング(Bikers)
二年後の『VC』にも登場するミッチ・ベイカー(本作未登場)率いる、今作(1984年時点)においてシャークスと並ぶ強ギャング。バイスシティ両島の北部大半を縄張りとしているが、今作では敵でありエンパイアビルディングの抗争相手として彼らの所有物件は黒色で表示されており、またマーティー率いる『トレーラー・パーク・マフィア)とは友好関係にあると思われる。本作では『White Stallionz』(ホワイト・スタリオンズ)という全員がホモ・セクシュアルで構成された内部派閥も登場し、あるミッションではヴァンス兄弟のカマを掘ろうとするもののヴィックによって皆殺しにされる。
  • 敵対関係→ヴァンス兄弟、シャークス、チョロ、(エンパイアビルディングをかけての戦闘はないもののメンデス・ファミリーとも確執がある)
  • 外見→古代ローマ風のヘルムートやアクセサリーを身につけている。また、全身に刺青を入れている。
  • 武器→マイクロSMG、SMG、Mac10、スコーピオン、ピストル
  • 乗り物→Biker Angel(バイカーエンジェル)
チョロ(Cholos)
バイスシティのリトル・ハバナとリトル・ハイチに拠点を置くヒスパニックストリートギャング。ウンベルト・ロビーナ率いる『キューバン・ギャング』とは犬猿の仲で、縄張り争いのために日々抗争しているため、周囲の住人達には迷惑な存在となっている。また、マーティー率いる『トレーラー・パーク・マフィア』やフィル・キャシディなどとも抗争しており、何かと敵が多い。アジトを『キューバン・ギャング』とヴィックによって爆破され壊滅に追い込まれた為に、二年後の『VC』には登場しない。
  • 敵対関係→ヴァンス兄弟、トレーラー・パーク・マフィア、キューバン・ギャング、フィル
  • 外見→白のタンクトップに全員同じバンダナを付けている
  • 武器→ピストル、バット
  • 乗り物→Cholo Sabre(チョロセイバー)
トレーラーパーク・マフィア(Trailer Park Mafia)
フィル・キャシディの妹ルイーズの夫であるマーティー・ジェイ・ウィリアムズがリーダーを務めるバイスシティ郊外のトレーラーパークに住む貧困白人層で構成された小規模な犯罪集団。保守的な荒くれ者が多く、チョロと抗争している。フィルの紹介でヴィックとは一時的に協力していたが、後の経緯によってマーティーが殺害され、彼らのビジネスをヴィックに乗っ取られる形となる。
  • 敵対関係→チョロ、ヴィック(当初は協力していたが、後に敵対関係になる)
  • 外見→南軍旗のデザインが入ったTシャツにキャップ、ブーツを履いている
  • 武器→ピストル、バット
  • 乗り物→なし
キューバン・ギャング(Cuban Gang)
ウンベルト・ロビーナ率いるアメリカのキューバ移民で結成されたギャング。リトル・ハバナにおいて同じスパニッシュ系のギャングのチョロと日々抗争しているが、リーダーのウンベルトは臆病で、ヘタレなために実際に戦地へと赴く事は一度も無く、勇敢な部下達が戦闘を行っている。また、チョロ対抗のために雇われ、数多くの任務をこなしてくれたヴィック達とは仲が良く、またフィル・キャシディとも関わりがある。ウンベルトの父であるアルベルト・ロビーナは『ロビーナ・カフェ』というカフェも経営しており、本作にも登場するが、続編に当たる『VC』のように中には入れない。また、エンパイアビルディングの麻薬ミッションで登場する事から麻薬ビジネスにも手を染めていることが分かる。チョロ無き後の『VC』では台頭し始めたハイチ人ギャングと抗争している。
  • 敵対関係→チョロ
  • 外見→80年代風のキューバンシャツを着ている
  • 武器→ピストル
  • 乗り物→Cuban Hermes(キューバンヘルメス。通常のヘルメスHermesに炎のペイントを施したギャングバージョン。『VC』ではエンジンをかけると炎が吹く描写が見られたが、本作ではその描写が無い。また、『VC』では黒地の上に炎のペイントが施されていたが、本作では白地に炎のペイントとなっている。
メンデス・ファミリー(Mendez family)
アルマンドとディエゴの『メンデス兄弟』率いるバイスシティの大物ギャング。プローン島の豪邸にアジト(本拠地)を置き、リカルド・ディアスからは危険視されている。また、団員は道端で見かける事は無いが、最終ミッションなどに登場する。アルマンドはアジトでのヴィックとの戦闘で、ディエゴはその復讐も兼ねてヴィックとの対峙でそれぞれ死亡したためにファミリーは壊滅した。
  • 乗り物→主にSentinel XS(センチネルXS)
ディアスズ・ギャング(Diaz`s Gang)
バイスシティの麻薬王リカルド・ディアス率いる大型麻薬カルテル。スターフィッシュ島にある巨大なディアス邸を本拠地に活動しているものの、ギャング団員はメンデス・ファミリーと同様に道端で見かける事はできず、ミッションでのみ登場する。同じ麻薬ビジネスの商売敵であるメンデス兄弟を危険視しており、主人公ヴィックを利用して壊滅させた。続編に当たる『VC』ではディアス邸周辺に登場するが、本作の主人公であるヴィックを『VC』の冒頭の麻薬取引中に送った暗殺団に殺害させたためにそれがランスの怒りを買い、新たな相棒であるトミーと共に襲撃されてディアスを殺害されたためにファミリーは自然に乗っ取られ、ベルセッティ・ファミリーとなった。

ラジオ局・サウンドトラック 編集

また、前作同様、特定の(特に街を騒がせるような)ミッションのクリア後にはニュース速報が流れる。

マルチプレイ 編集

本作でプレイ可能なマルチプレイモードは以下の通り。

  • Vice City Survivor
オーソドックスでシンプルなもの。一番、自由度が高い。
  • Street Rage
  • Taken for a Ride
  • Protection Racket
  • Tanks for the Memories
  • Grand Theft Auto
  • Hit List
  • Empire Takedown
  • Might of the Hunter
ハンターという戦闘用ヘリに乗って残りのプレイヤーを爆撃する。
  • V.I.P. R.I.P.

『GTA:VCS』の問題点 編集

本作は他のGTAシリーズに比べバグが多く、小さな物から致命的な物まである。

  • 高架の裏側に車が張り付いていることがある。
  • "Light My Pyre" を始めとするミッションにおいて、音声が聞こえなくなる事がある。
  • ノースポイントモールの2階の出口から外に出ると、駐車してある車が爆発することがある。また、屋根の上から多くの人たちが飛び降りてくる。(死ぬケースがほとんど)
  • 敵ギャングのエンパイアビルディングを襲撃後、自身の物件として建て直す際に物件内に閉じ込められ出られなくなる事がある。
  • 高速で移動している際エンパイアビルディングのできる建物が見えなくなりそのまま突っ込むと後からその建物が現れ動けなくなる。
  • メインミッションをクリアすると、通行人や走行する車、舟艇が激減することがある。
  • 歩けなくなることがある。
  • 市民を殺害すると救急車が出動し救命活動を行うが、そのとき派遣されてきた救急車が木に挟まって動かなくなっていることがある。また、戦車チート(↑L↓R←L→R)を使ったときも同じようなことが稀にある。

PSP・PS2バージョンの相違点 編集

北米版
  • チェーンソーの血飛沫がPSP版に比べてPS2版の方が激しく、また、それらの立ち武器で追い討ちをかけられる時間が伸びている。
日本版、北米版共通
  • PS2版ではPSP版に比べて車両を購入できるポイントが高い。
  • PS2版は殺戮ミッションとクレイジースタントの数がいくつか増えている。
  • PS2版でしかプレイできないミッションがある。

日本版『GTA:VCS』の規制点 編集

北米版『GTA:バイスシティストーリーズ』とは違う箇所がいくつかある。

  • 人を殺害しても出血しない。
  • 人体欠損の削除。
  • 人を殺害してもお金が出ない。
  • 遺体に追い討ちをかける事ができない。
  • 銃で人を撃つと確実に手配度が上がる。
  • エンパイアビルディングのミッションにおける表記の変更。「麻薬」→「砂糖」、「売春」→「派遣」など。

関連項目 編集

残酷ゲーム

成人向けゲーム

注釈 編集

注釈

出典・脚注 編集

出典 編集

  1. ^ 『グランド・セフト・オート・バイスシティ・ストーリーズ オフィシャルストラテジーガイド 日本語版』カプコン、2007年。ISBN 978-4862331656 
  2. ^ 『GTA:VCS』の舞台となる「バイスシティ」でのクレイジーな楽しみをレクチャー! - 電撃オンライン”. dengekionline.com. 2020年5月20日閲覧。

外部リンク 編集