グロスター公爵(Duke of Gloucester)は、イギリス王室でしばしば時の君主の息子の1人に授けられる公爵位であり、その名はグロスタシャーグロスターの地名にちなんでいる。現在の第6期の従属爵位は、アルスター伯爵とカローデン男爵である。

グロスター公爵
Dukedom of Glouceter
創設時期1928年3月31日(第5次創設)
創設者ジョージ5世(第5次創設)
貴族連合王国貴族(第5次創設)
初代トマス・オブ・ウッドストック(第1次創設)
ヘンリー(第5次創設)
現所有者リチャード(第5次創設)
相続人アレグザンダー・ウィンザー
相続資格世襲
付随称号アルスター伯爵
カローデン男爵
現在のグロスター公、リチャード王子

歴史 編集

この爵位は最初1385年にイングランド王エドワード3世の13番目の子であるトマス・オブ・ウッドストックに授けられた。しかしトマスは甥リチャード2世と対立、1397年に追放され死亡したことにより爵位は消滅した。次に1414年ヘンリー4世の5番目の子であるハンフリー・オブ・ランカスターに授けられたが、彼も政争で失脚した末に1447年に急死、再び爵位は消滅した。

第3期は1461年エドワード4世が即位すると弟のリチャードに授けられた。後にリチャードが国王リチャード3世に即位すると、公領は国王領に編入された。1485年にリチャード3世がボズワースの戦いで戦死した後、3人のグロスター公のいずれもが後継ぎなく死んだためにこの爵位は不吉とされ、150年間誰にも授与されなかった。

次のグロスター公はチャールズ1世の息子のヘンリー・ステュアートに授けられたが、彼が亡くなると爵位自体が公式に消滅した。

アン女王の息子のウィリアム王子が生涯(1689年 - 1700年)に渡って「グロスター公」と自称していたが、結局正式には公爵位は与えられなかった。フレデリック・ルイスも若い頃(1718年 - 1726年)にグロスター公を自称していたが、後にエディンバラ公に列せられるとそちらを使うようになった。

次のグロスター公の創設はジョージ3世の弟ウィリアム・ヘンリーの時であり、正式爵位は「グロスター=エディンバラ公」となった。

現在の第5期のグロスター公の創設はジョージ5世の子ヘンリー王子の時の事である。ヘンリー王子が亡くなると、爵位は息子のリチャード王子が継承し、現在に至っている。現時点での推定相続人はアルスター伯アレクサンダー・ウィンザーである。

グロスター公 第1期(1385年) 編集

グロスター公 第2期(1414年) 編集

グロスター公 第3期(1461年) 編集

 
リチャード3世は1483年に即位するまでグロスター公だった。

グロスター公 第4期(1659年) 編集

グロスター=エディンバラ公(1764年) 編集

グロスター公 第5期(1928年) 編集