座標: 北緯37度51分11秒 東経65度14分13秒 / 北緯37.85306度 東経65.23694度 / 37.85306; 65.23694

ケルキ (Kerki) は、トルクメニスタン東部の町。この町は、レバプ州内に位置している。かつて中世期における旧称は、アーモル・エ・ザム (Āmol-e Zamm)、ないしザム (Zamm) といい[1]、また、1999年から2017年にかけては、アタムラト (Atamyrat) と称されていた。この町は、平野のただなか、アムダリヤ川の左岸にある。

ケルキ

Kerki
ケルキの位置(トルクメニスタン内)
ケルキ
ケルキ
北緯37度51分11秒 東経65度14分13秒 / 北緯37.85306度 東経65.23694度 / 37.85306; 65.23694
トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン
レバプ州
ケルキ郡英語版

概要 編集

近傍にある町や村には、ムクリ英語版 (3.3 nm)、アミデリャ (Amyderya) (2.1 nm)、スルヒ (Surkhi)(3.1 nm)、キイクチ (Kiikchi) (2.2 nm) などがある[2]

ソビエト連邦時代には、カラクーム運河の一環をなす、延長100kmに及ぶ「ボッサガ=ケルキ運河」 が1925年から1929年にかけて建設された[3]

1999年テュルクメナバートからケルキまでの鉄道が完成し、隣国ウズベキスタンを迂回しなくても、ケルキから直行でテュルクメナバートへ行けるようになった[4]2016年の遅い時期には、鉄道は南方のアフガニスタンとの国境に面したイマムナザル英語版まで伸び、さらにアフガニスタン側のアキナ英語版まで達し、ケルキは鉄道の結節点となった[5]。この路線は、アフガニスタン北部を縦貫する鉄道の一部となることが見込まれている

この町は、町の中心部から3キロメートル (2 mi)ほど離れた場所にあるケルキ空港のサービスを受けている。2012年8月、トルクメニスタンの国営会社であるトルクメニスタン航空は、国外からの出資と設計を受け入れて毎時100人ほどの旅客をさばける新たな複合施設を空港に設けると発表した[6]2013年2月、ケルキの町と、対岸のケルキチの村を結ぶ道路橋アタムラト・ケルキチ橋英語版が開通した[7]

市名の変遷 編集

ケルキという名称は、もともとペルシア語ろう者の山」を意味する「カルク (کرکوهKarkuh)」がチュルク語族に入って発音が変化したものである[8]

ソビエト連邦時代には、長らくケルキ(ロシア語: Керки)と称されていた[9]

1999年トルクメニスタンの大統領サパルムラト・ニヤゾフは、かつてこの町で教師として働き、その後第二次世界大戦で戦死した自身の父親アタムラト・ニヤゾフロシア語版を記念して、市名をアタムラトと改称した。

2017年11月、この名称は、大統領グルバングル・ベルディムハメドフによって元のケルキに戻された[10]

脚注 編集

  1. ^ アーカイブ 2011年4月29日 - ウェイバックマシン
  2. ^ Falling rain gazetteer
  3. ^ 地田徹朗「戦後スターリン期トルクメニスタンにおける運河建設計画とアラル海問題」『スラヴ研究』第56号、北海道大学スラブ研究センター、2009年、8頁“...実験運河としてアフガニスタンとの国境に程近いアムダリア川左岸の町ボッサガからケルキ方面に約 100 キロに渡り放水する「ボッサガ=ケルキ運河」 が1925年に建設が開始され、1929 年に竣工。”  NAID 120001498438
  4. ^ Grantham, Andrew (2008年7月15日). “Atamyrat to Afghanistan railway plan”. 2017年7月17日閲覧。
  5. ^ Salehai, Zarghona (2016年11月28日). “Afghan-Turkmenistan railroad inaugurated”. Pajhwok Afghan News. http://www.pajhwok.com/en/2016/11/28/afghan-turkmenistan-railroad-inaugurated 2017年1月17日閲覧。 
  6. ^ “New Airport in Atamurat, East of Turkmenistan”. The Gazette of Central Asia (Satrapia). (2012年8月16日). http://www.satrapia.com/news/article/new-airport-in-atamurat-east-of-turkmenistan/ 2012年8月16日閲覧。 
  7. ^ Президенты Украины и Туркмении открыли мост через Амударью и заложили новый аэропорт
  8. ^ Muqaddasī, Muḥammad ibn Aḥmad, and M. J. de Goeje. 1967. Kitāb Aḥsan al-taqāsīm fī maʻrifat al-aqālīm. Bibliotheca geographorum Arabicorum, pars 3. Laydin: Maṭbaʻ Brīl.
  9. ^ 地田徹朗「戦後スターリン期トルクメニスタンにおける運河建設計画とアラル海問題」『スラヴ研究』第56号、北海道大学スラブ研究センター、2009年、1頁“(1) アムダリア川(ケルキ(現アタムラト)市南方ボッサガ)~...”  NAID 120001498438
  10. ^ Внесены изменения в административно-территориальное деление Лебапского велаята [Changes to the administrative-territorial divisions in Lebap velayat]” (ロシア語). Türkmenistan Bu Gün. (2017年11月27日). http://tdh.gov.tm/news/tm/articles.aspx&article10235&cat11 2018年1月5日閲覧。 

関連項目 編集

外部リンク 編集