コアヒンディー語: मावा, Khoa, Khoya)は、インドネパール濃縮乳。一般的にヒンディー語でコアと呼ばれるが、マバ(mava)という別名もある[1]

コア

インドイスラム文化圏の影響を受けた地域で作られており、チベット文化圏では作られない[2]

概要 編集

牛乳中華鍋のような凹状の大鍋に入れ、焦げないよう攪拌しながら1時間ほど強火で加熱して作る[3]。約20Lの牛乳から、およそ1/5にあたる4-4.5kgの柔らかくて固形状になったコアが得られ、水牛乳を使う場合もある[1]ネパールでは4-6時間かけて加熱し、原料乳の1/6ほどに濃縮して乳固形分70-75%の状態に仕上げている例もある[2]

味は甘く、食感はザラザラしている[1]。加熱濃縮の際、生乳20Lに対して1.5kgほどの砂糖を加える事もあるが、コアを乳菓の原料とする事も多いため、無糖製法の方が一般的である[1]。なお、牧畜民はコアを作らず、都市や農村で専門的な職人が作っている[1]

応用 編集

 
コアを原料とするバルフィ

バルフィグラブ・ジャムンペダー英語版など、インドを中心に様々な乳菓の材料として用いられる[4]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e 平田(2011a: 80)
  2. ^ a b 高橋(2003: 8)
  3. ^ 平田(2011a: 79)
  4. ^ 平田(2011b: 67)

参考文献 編集

  • 平田昌弘「ユーラシア大陸の乳加工技術と乳製品 : 第6回 南アジア-インドの都市部・農村部の事例1 : 乳のみの乳製品」『New Food Industry』第53巻第6号、食品資材研究会、2011a、73-81頁、NAID 120005590050 
  • 平田昌弘「ユーラシア大陸の乳加工技術と乳製品 : 第7回 南アジア-インドの都市部・農村部の事例2 : 乳菓」『New Food Industry』第53巻第7号、食品資材研究会、2011b、65-73頁、NAID 120005590051 
  • 高橋富士雄「ネパール,トルコ,モンゴルに見る伝統的乳利用の姿」『ミルクサイエンス』第52巻第1号、日本酪農科学会、2003年、1-15頁、doi:10.11465/milk.52.1 

関連項目 編集