コサメビタキ(小鮫鶲、Muscicapa dauurica)は、スズメ目ヒタキ科サメビタキ属に分類される鳥類。学名はラテン語で Muscicapa が「ハエを捕る鳥」、 dauurica が「ドーリア地方」を意味する[1]

コサメビタキ
コサメビタキ
コサメビタキ Muscicapa dauurica
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : スズメ亜目 Oscines
: ヒタキ科 Muscicapidae
: サメビタキ属 Muscicapa
: コサメビタキ M. dauurica
学名
Muscicapa dauurica Pallas, 1881
和名
コサメビタキ
英名
Asian brown flycatcher
Brown flycatcher

分布 編集

インドインドネシアカンボジアシンガポールタイ大韓民国タジキスタン中華人民共和国香港含む)、朝鮮民主主義人民共和国台湾日本ネパールパキスタンバングラデシュフィリピンブータンブルネイベトナムマレーシアミャンマーモンゴルラオスロシア東部

夏季にシベリア南部、朝鮮半島、ヒマラヤ山脈などで繁殖し、冬季はユーラシア大陸南部、インドネシア、フィリピンへ南下し越冬する。日本では基亜種が夏季に九州以北に繁殖のため飛来(夏鳥)する。

形態 編集

全長13cm。和名はサメビタキより小型である事に由来する。上面は灰褐色、下面は白い羽毛で覆われる。体側面は褐色みを帯びる。眼の周囲に不明瞭な白い斑紋(アイリング)が入り、眼先も白い。

嘴はやや長い。嘴の色彩は黒く、下嘴基部の色彩はオレンジ色。

幼鳥は上面や翼に淡褐色や淡灰色の斑紋が入る。

分類 編集

  • Muscicapa dauurica dauurica Pallas, 1811 コサメビタキ - など

生態 編集

平地から山地にかけての落葉広葉樹林に生息する。群れは形成せず、単独もしくはペアで生活する。

食性は動物食で、昆虫などを食べる。樹先などに止まり、飛翔している獲物を目掛けて飛翔し捕食する。渡りの時期にはマユミアカメガシワなどの木の実も食べる。

繁殖期に縄張りを形成する。日本では標高1,800m以下の落葉広葉樹林で繁殖する。高木の葉がない水平な樹上にウメノキゴケなどをクモの糸で付着させた樹皮やコケを組み合わせた皿状の巣を作り、日本では5-6月に1回に3-5個の薄い青色のを産む。メスのみが抱卵し、抱卵期間は12-14日。雛は孵化してから12-14日で巣立つ。

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関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ 『鳥類図鑑』、108頁。

参考文献 編集

外部リンク 編集