ロックウェル・インターナショナルの半導体部門がスピンオフして誕生したコネクサント (Conexant) は、かつて存在したNASDAQ上場半導体企業。

コネクサントシステムズ
Conexant Systems
種類 公開会社
本社所在地 アメリカ合衆国カリフォルニア州ニューポートビーチ
設立 1999年1月
業種 製造業
事業内容 半導体製造
代表者 Jan Johannessen (CEO)
売上高 9億7000万USドル減少 1億2259万USドル 2006年度
1億400万USドル(2016年度)
従業員数 3120人 (2006年)
300人 (2017年)
所有者 Synaptics Incorporated
テンプレートを表示

2017年シナプティクス社に3億4300万USドルで企業買収され、企業としては消滅した[1][2]

歴史 編集

1983年デジタル-アナログ変換回路を商用化するために Henry Katzenstein が Brooktree Corporation を創設した。また、1984年、ComStream が創業。ロックウェル・インターナショナルは、1996年9月、Brooktree を買収してロックウェル・セミコンダクタの一部とし、1997年5月、ComStream のブロードバンド関連製品事業を同じくロックウェル・セミコンダクタの一部として吸収した。ロックウェル・セミコンダクタは 1999年1月にロックウェル・インターナショナルからスピンオフして独立し、コネクサントとなった。2017年、シナプティクス社に企業買収・吸収された。

製品系列 編集

 
コネクサント製チップ

コネクサントは、モデムファクシミリ現金自動預け払い機などに使われる集積回路では世界有数のメーカーである。2010年現在も、コネクサント製 Softmodem プロセッサはモデム市場での高い市場シェアを保持している。モデム製品の他に、イメージセンサHDオーディオコーデックビデオエンコーダ・ビデオデコーダの開発、販売も行っている。

Brooktree 買収後、セットトップボックス市場に参入し、TVチューナー用DSP(主にPC用アドオンカードおよびVTR向け)でも大きなシェアを有するようになっている。

2003年デジタル加入者線 (DSL) や無線ネットワーク (Wi-Fi) 向けの集積回路で有名な GlobespanVirata を吸収合併した。GlobespanVirata のもたらした技術により、コネクサントは家庭と外界を繋ぐあらゆるブロードバンドメディアに関する技術を扱う企業へと成長した。

2004年H.264VC-1の技術を保有する Amphion Semiconductor を買収した。これは、コネクサントのライバルであるBroadcomが、コネクサントに H.264 関連の技術を提供していた Sandvideo を戦略的に買収してしまったことへの対抗措置であった。この買収により、HDTV市場への道も保証された。

コネクサントは2002年に半導体工場を Jazz Semiconductor としてスピンオフさせ、ファブレス企業となった。半導体製造は台湾のTSMCUMC、ドイツ・シンガポールのGLOBALFOUNDRIESに委託している。

財務状況 編集

2006年度末現在、過去3年間に渡ってコネクサントの業績は減退している。借金が多く、利子の支払いに悩まされている。債務削減をしないかぎり、投資家の信頼は回復しないとされる。 2008年4月30日に家庭向けブロードバンドメディア処理 (BMP) 事業をNXPセミコンダクターズへ売却、2009年8月24日にはブローバンド関連製品事業をIkanos Communicationsへ売却し債務返済に充てており、着実に経営状態改善を図っている。

競合企業 編集

脚注 編集

  1. ^ Synaptics Closes Acquisition of Conexant Systems”. Synaptics Incorporated (2017年6月26日). 2018年10月22日閲覧。
  2. ^ San Jose-based Apple supplier buys 2 businesses for $438M”. Silicon Valley Business Journals (2017年6月12日). 2018年10月22日閲覧。