サンピート郡 (ユタ州)

ユタ州の郡

サンピート郡(サンピートぐん、: Sanpete County)は、アメリカ合衆国ユタ州の中部に位置するである。2010年国勢調査での人口は27,822人であり、2000年の22,763人から22%増加した[1]郡庁所在地マンタイ市(人口3,276人[2])であり[3]、同郡で人口最大の都市はエフライム市(人口6,135人[4])である。1852年に設立され、郡名はユトインディアンの酋長サンピッチに因んで名付けられた。

ユタ州サンピート郡
サンピート郡の位置を示したユタ州の地図
郡のユタ州内の位置
ユタ州の位置を示したアメリカ合衆国の地図
州のアメリカ合衆国内の位置
設立 1852年
郡名の由来 ユトインディアンの酋長サンピッチ
郡庁所在地 マンタイ
最大の都市 エフライム
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水

4,151 km2 (1,603 mi2)
4,113 km2 (1,588 mi2)
38 km2 (15 mi2), 0.91%
人口
 - (2010年)
 - 密度

27,822人
標準時 山岳部標準時: -7/-6
ウェブサイト www.sanpete.com

歴史 編集

1849年6月14日、ユト族酋長ワルカラとソウィートがソルトレイク・バレーに行って、モルモン教指導者ブリガム・ヤングに、南約125マイル (200 km) のサンピッチのバレーにモルモン教徒を入植させてくれるよう求めた[5]。ヤングはその要請に応えることと、急速に成長しているソルトレイクの人口を収容する新しい開拓地を見つける必要性があったので、その年8月にその地域を探検する集団を送った。そこは開拓に適していることが分かり、アイザック・モーリーに50組ほどの家族を連れて南に移動し、「サンピート」に入植することを要求した[6]

開拓者達は1849年11月19日にサンピッチ・バレーに到着した。総勢224人の男女と子供達であり、アイザック・モーリー、チャールズ・シャムウェイおよびセス・タフトが指導していた。そこで幾らか議論が行われた後、現在のマンタイ市の位置にこのバレーでは最初の開拓地が設立された[6]

19世紀が経過する中で、スカンディナヴィア諸国から多くの開拓者が入植し、その経過は『サンピッチのサーガ』に収められている。

地理 編集

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は1,603平方マイル (4,150 km2)であり、このうち陸地は1,588平方マイル (4,110 km2)、水域は15平方マイル (39 km2)で水域率は0.91%である[7]

サンピート郡の東側はワサッチ高原(マンタイ山脈と呼ばれたことがあった)に仕切られている。ワサッチ高原は標高約11,000フィート (3,300 m) にもなる。その大半はマンタイ・ラ・サル国立の森のマンタイ地区で覆われている。この山脈の西側斜面から流れ落ちる水が郡内の都市部や農業地帯に供給されている。郡中央部はサンピート・バレー(サンピッチ・バレーと呼ばれたこともあった)であり、そこに郡内の町の大半がある。このバレーの西端は低く乾燥したサンピッチ山脈であり、郡の西境界にもなっている。郡内を南北に流れるサンピッチ川郡南西部でセビア川に合流している。セビア川バレーのこの辺りは、ガニソン・バレーと呼ばれている。

隣接する郡 編集

 
サンピート・バレーにあるマンタイ市、遠景はサンピッチ山脈

国立保護地域 編集

  • フィッシュレイク国立の森(部分)
  • マンタイ国立の森(部分)
  • ユインタ国立の森(部分)

産業と経済 編集

サンピート郡はユタ州の中でも典型的な農業地帯であり、小さな農業町が点在している。農業、家畜の飼育、小事業、公務員およびスノー・カレッジが郡経済の屋台骨である。

重要な産業として七面鳥の飼育があり、モロニ・フィード社は七面鳥の飼育と食品加工を行う会社である。同社は販売会社ノーベスト[8]の部分所有者である。モロニの町内とその近くの七面鳥の加工工場、孵化場、飼育工場、プロパン倉庫および販売所など郡内で幾つかの施設を運営している。州内全体の雇用数は600人を超えており、本社はモロニ近くにある。モロニや郡北部の町には数多い七面鳥の小屋が点在している。

アルファルファなど家畜用飼料の生産も郡の農業経済では占める比率が高い。

人口動態 編集

人口推移
人口
1850365
18603,815945.2%
18706,78677.9%
188011,55770.3%
189013,14613.7%
190016,31324.1%
191016,7042.4%
192017,5054.8%
193016,022−8.5%
194016,0630.3%
195013,891−13.5%
196011,053−20.4%
197010,976−0.7%
198014,62033.2%
199016,25911.2%
200022,76340.0%
201027,82222.2%
Source: US Census Bureau

以下は2000年国勢調査による人口統計データである。

基礎データ

  • 人口: 22,763人
  • 世帯数: 6,547 世帯
  • 家族数: 5,067 家族
  • 人口密度: 6人/km2(14人/mi2
  • 住居数: 7,879軒
  • 住居密度: 2軒/km2(5軒/mi2

人種別人口構成

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 33.2%
  • 18-24歳: 16.4%
  • 25-44歳: 21.8%
  • 45-64歳: 17.8%
  • 65歳以上: 10.8%
  • 年齢の中央値: 25歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 102.4
    • 18歳以上: 100.9

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 43.4%
  • 結婚・同居している夫婦: 67.0%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 7.2%
  • 非家族世帯: 22.6%
  • 単身世帯: 17.8%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 10.1%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 3.27人
    • 家族: 3.68人

収入 編集

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 33,042米ドル
    • 家族: 37,796米ドル
    • 性別
      • 男性: 30,527米ドル
      • 女性: 19,974米ドル
  • 人口1人あたり収入: 12,442米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 15.9%
    • 対家族数: 10.4%
    • 18歳未満: 13.9%
    • 65歳以上: 9.6%

都市と町 編集

 
郡内の詳細

都市 編集

  • センターフィールド
  • エフライム
  • フェアビュー
  • ファウンテングリーン
  • ガニソン
  • マンタイ - 郡庁所在地
  • モロニ
  • マウントプレザント
  • スプリングシティ

編集

  • ファイエット
  • メイフィールド
  • スターリング
  • ウェイルズ

未編入の町 編集

  • アクステル
  • チェスター
  • フリーダム
  • インディアノラ
  • ミルバーン

脚注 編集

  1. ^ Quickfacts.census.gov - Sanpete County - accessed 2011-12-05.
  2. ^ American FactFinder, Manti, Utah
  3. ^ Find a County, National Association of Counties, http://www.naco.org/Counties/Pages/FindACounty.aspx 2011年6月7日閲覧。 
  4. ^ Quickfacts.census.gov - Ephraim, Utah - accessed 2011-12-05.
  5. ^ Albert C.T. Antrei and Allen D. Roberts, A History of Sanpete County (Salt Lake City: Utah State Historical Society, Sanpete County Commission), 1999, 24.
  6. ^ a b Albert C.T. Antrei and Allen D. Roberts, A History of Sanpete County (Salt Lake City: Utah State Historical Society, Sanpete County Commission, 1999), 25.
  7. ^ Census 2000 U.S. Gazetteer Files: Counties”. United States Census. 2011年2月13日閲覧。
  8. ^ Norbest

外部リンク 編集

座標: 北緯39度22分 西経111度35分 / 北緯39.37度 西経111.58度 / 39.37; -111.58