サーモンキャノン

鮭の産卵時の川上りを補助する道具

サーモンキャノン (英語: salmon cannon) は、サケの産卵時の川上りを補助する道具。ダムによって鮭の川上りが妨げられている地域での利用が前提とされている。

概要 編集

2014年アメリカワシントン州に本社を置くWhooshh社によって開発された[1]。長いチューブの中を魚に負荷がかからない環境に維持し、チューブの中に魚を通すことで目的の場所まで魚を移動させることができる装置である。開発当初は人間が魚をパイプ内に手作業で送り込む必要があったが、2019年時点では製品が改良され魚が自らパイプに泳ぎ入れることで動作するようになっている。パイプ内にはエアロックの様なものが存在しており、外との圧力さにより魚は移動する。また移動時に魚に傷がつかないよう、霧吹きによる潅水が行われており、呼吸を行いながら摩擦もなく移動ができる。移送中の魚への影響が心配されるという意見もあるが、このシステムはパイプ内に魚の生育環境と同等の環境が整備されているため魚はパイプの中にいることにすら気づかないとされており、パイプから出てきた魚はそのまま水中を泳ぐことができる[2]

2019年にアメリカのパシフィックノースウェスト国立研究所の研究員が発表した論文によれば、従来の魚道などと比較して安全に輸送することができるとされている[3]

2019年8月時点のインタビューによれば、サーモンキャノンはサケをおよそ時速35キロメートルで移動させることができ、24時間で50000匹程度のサケを輸送できる[4]

脚注 編集

  1. ^ 砲弾ではなくサケを発射するサーモンキャノンが誕生、気になる用途は?”. Gigazine (2014年8月14日). 2022年11月29日閲覧。
  2. ^ What is the 'salmon cannon' and how do the fish feel about it?”. The Guardian (2019年8月15日). 2022年11月29日閲覧。
  3. ^ Lysel Garavelli; Timothy J.Linley、Brian J.Bellgraph、Briana M.Rhode、Jill M.Janak、Alison H.Colotelo (April 2019). “Evaluation of passage and sorting of adult Pacific salmonids through a novel fish passage technology”. Fisheries Research 212: 40-47. doi:10.1016/j.fishres.2018.12.010. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0165783618303539 2022年11月29日閲覧。. 
  4. ^ The internet is going crazy over a 'salmon cannon' that shoots fish over a dam”. CNN (2019年8月12日). 2022年11月29日閲覧。

関連項目 編集