ザ・ラグビーチャンピオンシップ

ラグビーの国際大会

ザ・ラグビーチャンピオンシップ (英: The Rugby Championship)は、南アフリカ代表(スプリングボクス)、オーストラリア代表(ワラビーズ)、ニュージーランド代表(オールブラックス)、アルゼンチン代表(ロス・プーマス)の南半球4か国のナショナルチームが参加する国際リーグ戦。毎年8月から10月までのうち6週間程度の期間で行われる。主催はSANZAAR。北半球6か国代表によるシックス・ネイションズと並ぶ、強豪国リーグである。

ザ・ラグビーチャンピオンシップ
最新のシーズン・大会:
2023年ラグビーチャンピオンシップ
スポーツ ラグビーユニオン
前身となる大会 トライネイションズ
初回シーズン 1996
チーム数 4
 アルゼンチン
 オーストラリア
 ニュージーランド
 南アフリカ共和国
最新優勝  ニュージーランド (20回目)
最多優勝  ニュージーランド (20回)
関連大会 ブレディスローカップ
フリーダムカップ英語版
マンデラチャレンジプレート英語版
ピューマトロフィー英語版

概要 編集

1996年から2011年までは、南アフリカオーストラリアニュージーランドの3か国によるトライネイションズTri Nations)として開催されていた。「Tri」は3か国対抗戦の「3」を表す。2012年からアルゼンチンが加入し4か国になったため、「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」に名称が変更された[1]

2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を理由に南アフリカが辞退した。9年ぶりに3か国(アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド)の対抗戦となり、開催地はオーストラリアのみに限定された。構成国は異なるものの、このときも「トライネイションズ」の名称を用いている[1]

2国間の定期戦 編集

オーストラリアとニュージーランドの対戦は、ブレディスローカップとして両国の伝統的な定期戦として組み込まれている。同様に、南アフリカとオーストラリアの対戦には、ネルソン・マンデラにちなんだマンデラチャレンジプレート英語版、南アフリカとニュージーランドの対戦にはフリーダムカップ英語版、オーストラリアとアルゼンチンの対戦にはピューマトロフィー英語版が設けられ、勝者にはそれぞれ表彰が行われる。

大会概要 編集

勝ち点の合計で優勝を競う。

  • 勝利: 4点
  • 引き分け: 2点
  • 敗戦: 0点
    • ボーナスポイント
      • 勝利・引き分け・敗戦に関わらず4トライ以上で1点
      • (敗戦チームは)7点差以内の負けで1点

2022年からの対戦フォーマット 編集

2021年まで、各チームとも 同一対戦相手とホームとアウェーを等しく入れ替え、ホームで3試合、アウェーで3試合の計6試合を行っていた。

2022年からはフォーマットを変え、「ミニツアー」的要素を取り入れた[1]。これは、同じ相手チームに対して2試合連続でアウェーで試合を行う(2試合連続で行うために相手国へ遠征する)ほか、逆に、相手チームが2試合連続で試合をしに来る、という内容。観客が2試合続けて同一チームとの対戦を地元で観戦でき、遠征ツアーのようなボリューム感を増すねらいがある[1]。残り2試合は、今までのようにホームとアウェーを入れ替えて1試合ずつ行う[1]。なお、必ず1チームがビジターとして来ないことになる。チーム対戦構成は、年度ごとに変わる。

以下の表は2022年実施のもの[2]。2023年はワールドカップ開催のため各チーム計3試合ずつの縮小版。2024年は、対戦チームを変えて再び下表のような形で行う。このフォーマットは少なくとも2025年まで行われる[1]

2022年「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」日程表 編集

ラグビーワールドカップ開催年 編集

どちらか一方がホームとなる1試合ずつの対戦に縮小される。2007年・2011年は計4試合のみ、2015年・2019年・2023年は計3試合のみ行われた。

戦績 編集

  • ラグビーワールドカップ開催のため、2007年、2011年は4試合のみ、2015年、2019年、2023年は3試合のみ行われた。
  • 2020年は新型コロナウイルス感染拡大により南アフリカ共和国が不参加、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国で争われた。

トライネイションズ (1996–2011, 2020) 編集

  • ブレディスローカップは、オーストラリアとニュージーランドとの対戦の勝者。
  • マンデラチャレンジプレートは、南アフリカとオーストラリアとの対戦の勝者。
  • フリーダムカップは、南アフリカとニュージーランドとの対戦の勝者。
  • ピューマトロフィーは、アルゼンチンとオーストラリアとの対戦の勝者。
  • ウドゥン・スプーン(木製スプーン)は、最下位に贈られる不名誉な賞。
開催年 優勝 ブレディスローカップ マンデラチャレンジプレート英語版 フリーダムカップ英語版 ピューマトロフィー英語版 ウドゥン・スプーン (最下位)
1996   ニュージーランド   ニュージーランド 争われず 争われず 争われず   オーストラリア
1997   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア
1998   南アフリカ共和国   オーストラリア   ニュージーランド
1999   ニュージーランド   オーストラリア   南アフリカ共和国
2000   オーストラリア   オーストラリア   南アフリカ共和国
2001   オーストラリア   オーストラリア   南アフリカ共和国
2002   ニュージーランド   オーストラリア   南アフリカ共和国   南アフリカ共和国
2003   ニュージーランド   ニュージーランド 争われず   南アフリカ共和国
2004   南アフリカ共和国   ニュージーランド   南アフリカ共和国   ニュージーランド
2005   ニュージーランド   ニュージーランド 争われず   オーストラリア
2006   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   南アフリカ共和国
2007   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   南アフリカ共和国
2008   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   南アフリカ共和国
2009   南アフリカ共和国   ニュージーランド   南アフリカ共和国   南アフリカ共和国   オーストラリア
2010   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   南アフリカ共和国
2011   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   南アフリカ共和国
2020   ニュージーランド   ニュージーランド 争われず 争われず   オーストラリア   オーストラリア

ザ・ラグビーチャンピオンシップ (2012–2019, 2021-) 編集

  • ブレディスローカップは、オーストラリアとニュージーランドとの対戦の勝者。
  • マンデラチャレンジプレートは、南アフリカとオーストラリアとの対戦の勝者。
  • フリーダムカップは、南アフリカとニュージーランドとの対戦の勝者。
  • ピューマトロフィーは、アルゼンチンとオーストラリアとの対戦の勝者。
  • ウドゥン・スプーン(木製スプーン)は、最下位に贈られる不名誉な賞。
開催年 優勝 ブレディスローカップ マンデラチャレンジプレート英語版 フリーダムカップ英語版 ピューマトロフィー英語版 ウドゥン・スプーン (最下位)
2012   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2013   ニュージーランド   ニュージーランド   南アフリカ共和国   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2014   ニュージーランド   ニュージーランド   南アフリカ共和国   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2015   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   南アフリカ共和国
2016   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2017   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2018   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2019   南アフリカ共和国   ニュージーランド   南アフリカ共和国   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2021   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2022   ニュージーランド   ニュージーランド   オーストラリア   ニュージーランド   オーストラリア   アルゼンチン
2023   ニュージーランド   ニュージーランド   南アフリカ共和国   ニュージーランド   アルゼンチン   オーストラリア

全期間 編集

トライネーションズ (1996–2011; 2020)
国/地域 試合 ポイント ボーナス
ポイント
テーブル
ポイント
優勝
回数
P 得点 失点
  ニュージーランド 76 52 0 24 2054 1449 +605 35 243 11
  オーストラリア 76 30 3 43 1591 1817 −226 34 160 3
  南アフリカ共和国 72 28 1 43 1480 1831 −351 24 138 3
  アルゼンチン 4 1 2 1 56 84 –28 0 8 0
出典:  lassen.co.nz – Tri-Nations, Australia, New Zealand, South Africa

ボーナスポイントはT – 4*W − 2*Dとして算出。T=テーブルポイント、W=勝利数、D=引き分け数

ザ・ラグビーチャンピオンシップ (2012-)
国/地域 試合 ポイント ボーナス
ポイント
テーブル
ポイント
優勝
回数
P 得点 失点
  ニュージーランド 57 48 2 7 1,979 1,059 +920 36 233 9
  南アフリカ共和国 57 28 4 25 1,449 1,289 +160 26 146 1
  オーストラリア 57 25 3 29 1,304 1,553 −249 13 126 1
  アルゼンチン 57 8 1 48 1,036 1,868 −832 12 46 0
更新: 2023年7月29日
出典:  lassen.co.nz – TRC, Argentina, Australia, New Zealand, South Africa
ボーナスポイントはT – 4*W − 2*Dとして算出。T=テーブルポイント、W=勝利数、D=引き分け数
トライネーションズとザ・ラグビーチャンピオンシップを含めた全期間 (1996–)
国/地域 試合 ポイント ボーナス
ポイント
テーブル
ポイント
優勝
回数
P 得点 失点
  ニュージーランド 133 100 2 31 4,033 2,508 +1,525 71 476 20
  オーストラリア 133 55 6 72 2,895 3,370 −475 47 286 4
  南アフリカ共和国 129 56 5 68 2,929 3,120 −191 51 284 4
  アルゼンチン 61 9 3 49 1,092 1,852 −860 12 54 0
更新:2023年7月29日
ボーナスポイントはT – 4*W − 2*Dとして算出。T=テーブルポイント、W=勝利数、D=引き分け数

テレビ中継 編集

世界各地への放送・配信状況は以下の通り(2024年1月発表時点)[3]

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f About The Rugby Championship” (英語). Super Rugby. 2024年1月24日閲覧。
  2. ^ 2022 TRC” (英語). Super Rugby. 2024年1月24日閲覧。
  3. ^ Broadcast Guide” (英語). Super Rugby. 2024年1月24日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集