シビウ県

ルーマニアの県
Judeţul Sibiu

紋章

シビウ県の位置
地域 中央地域
歴史的な地域 トランシルヴァニア
県都 シビウ
面積 5,432km²
人口 421,724人(2002年)
人口密度 78人/km²
ISO 3166-2 RO-SB

シビウ県 (シビウけん、ルーマニア語:Judeţul Sibiu, ハンガリー語: Szeben)は、ルーマニアトランシルヴァニア地方の県。県都はシビウ。東部をブラショフ県、西部をアルバ県、北部をムレシュ県、南部をヴルチャ県、南東部をアルジェシュ県に接する。

統計 編集

2002年の調査では、県人口は421,724人、人口密度は78/平方キロメートルだった。

信仰:

国内で5位の、都市化が進んだ県である。都市人口は県人口の65.8%を占め、残りの34.2%が村落に暮らす。伝統的に、県内で多数を占めてきたのはトランシルヴァニア・ザクセン人であった。第二次世界大戦後にルーマニアではドイツ人追放は行われなかったものの、戦時中ナチス・ドイツに協力した疑いをかけられ、ソビエト軍によりシベリア強制収容所へ80,000人以上が送られた。残ったドイツ系の人々は共産主義体制下のルーマニアで迫害され政治的な権利を奪われた。1989年のルーマニア革命後、ドイツへ移住する人が増えて人口が減少した。

県南部は山地に近く、主にルーマニア人が暮らす(en:Mărginimea Sibiului、 マルジニメア・シビウルイ地域)。県北部はトランシルヴァニア高原で、公平にドイツ人とルーマニア人が暮らしていたが、トランシルヴァニア・サクソン人の村々は現在荒廃している。ロマ人人口は主に南部ルーマニアから共産主義時代に村落近くへ移ってきて、増加傾向にある。

県人口[2]
1948 335,116
1956 372,687
1966 414,756
1977 481,645
1992 452,873
2002 421,724

地理 編集

シビウ県は面積が5,432平方キロメートルである。南部は標高2,500メートル以上のファガラシュ山脈、県面積の30%を占めるのはロトル山脈とチンドレル山脈で、南カルパチア山脈に属す。オルト川がシビウ県内で南部へ向け山から流れる。このため、トランシルヴァニア地方とワラキア地方の行き来が容易である。北部はトランシルヴァニア高原である。

主要河川は南部のチビン川支流のオルト川、北部のトゥルナヴァ川である。

経済 編集

シビウ県は国内で活発な経済活動が行われており、外国からの投資比率が高い。主要産業は以下のとおりである。

  • 機械及び自動車部品製造
  • 食品加工
  • 織物産業
  • 林業

県最大の天然資源は、県北部に特に多い天然ガスで、国有数の産出地である。

共産主義政権時代、コプシャ・ミカ(en:Copşa Mică)には2つの化学工業複合施設があり、周囲の環境を汚染していた。この地域はいまだヨーロッパで最悪の汚染地域とみなされている。幸運なことに1989年以後、多くの工業施設が閉鎖され、汚染地域はゆっくりと回復している。

観光 編集

行政区画 編集

県は2つの都市、9つの町、53の小自治体からなる。

主な都市 編集

参照 編集

  1. ^ National Institute of Statistics, "Populaţia după etnie"
  2. ^ National Institute of Statistics, "Populaţia la recensămintele din anii 1948, 1956, 1966, 1977, 1992 şi 2002"