シャッグス(The Shaggs、ザ・シャッグズ)は、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州フリーモント英語版出身の姉妹によって結成された女性ロック・グループである。ワイルド・マン・フィッシャーらと共にアウトサイダー・アートの音楽(アウトサイダー・ミュージック)のグループとされている。ウィスコンシン州出身のザ・シャッグ、コネチカット州出身のザ・シャッグズとは異なる。

シャッグス
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジャンル ガレージロックプロトパンクアウトサイダー・ミュージック
活動期間 1968年 - 1975年1999年2017年
レーベル Red Rooster Records英語版ラウンダー・レコードRCAレコード
旧メンバー ドロシー・ウィギン・センプリーニギターボーカル
ベティ・ウィギン・ポーター(ギター)
ヘレン・ウィギンドラム
レイチェル・ウィギンベース

キャリア 編集

オリジナルメンバーのドロシー・ベティ・ヘレンの3人は実の姉妹で、裕福かつ厳格な家庭に生まれた。学校にも通わせてもらえず、文字通りの「箱入り娘」として育てられた彼女たちには、音楽の知識は無いに等しかった。

しかし、「娘たちが音楽で売り出せば世界的なスターになれる」という祖母からの予言を信じた父のオースティン・ウィギンによって、強引にバンドを結成。幸か不幸か資産だけは潤沢にあったため、3人は朝から晩まで触ったこともなかった楽器を練習させられ、ライブハウスで演奏させられた。ベティは後に「さっさと演奏を終わらせて帰ろうという気分」だったと振り返っており、父からの期待とは逆に3人は嫌々音楽活動をしていた。その中で結成後1年足らずでリリースされたのが1stアルバムである。

1stアルバム『Philosophy of the World』をリリース後、ようやくまともに練習を重ね、さらに楽器経験のある従妹のレイチェルが加入したことにより、やっとバンドとして機能することとなった。1970年にドクター・ディメントのラジオ番組にフランク・ザッパが出演し、シャッグスを話題にしたことで彼女たちの存在が一部で知られるようになった。バンドは、1975年に2ndアルバム『Shagg's Own Thing』発表後に、姉妹の父であるオースティンが死去したのをきっかけとして解散している。フランク・ザッパは「シャッグスは”ビートルズよりも優れている”」と発言したとの伝説もあるが、この言葉は実際には81年のロック評論家、レスター・バングズ英語版のThe New Yorker誌での記事の引用である[1]

メンバー 編集

  • ベティ・ウィギン・ポーター(Betty Wiggin Porter) - リズムギター
  • ドロシー・ドット・ウィギン・センプリーニ(Dorothy Wiggin Semprini) - リードギターボーカル
  • ヘレン・ウィギン(Helen Wiggin) - ドラム、2006年逝去
  • レイチェル・ウィギン(Rachel Wiggin) - ベース(後に参加)

ディスコグラフィ 編集

収録曲

    1. Philosophy Of The World
    2. That Little Sports Car
    3. Who Are Parents
    4. My Pal Foot Foot
    5. My Companion
    6. I'm So Happy When You're Near
    7. Things I Wonder
    8. Sweet Thing
    9. It's Halloween
    10. Why Do I Feel?
    11. What Should I Do?
    12. We Have A Savior
    1. You're Somethin' Special to Me
    2. Paper Roses - アニタ・ブライアント、マリー・オズモンドのカバー
    3. Shagg's Own Thing (musical version)
    4. Painful Memories
    5. Yesterday Once More - カーペンターズのカバー
    6. My Pal Foot Foot
    7. I Love
    8. Shagg's Own Thing (vocal version)
    9. Love at First Sight
  • The Shaggs - 1stと2ndをカップリングした編集盤
    1. I'm So Happy When You're Near
    2. My Companion
    3. That Little Sports Car
    4. Sweet Thing
    5. Philosophy of the World
    6. What Should I Do?
    7. My Pal Foot Foot
    8. Who Are Parents
    9. Things I Wonder
    10. Why Do I Feel?
    11. It's Halloween
    12. We Have a Savior
    13. Who Are Parents [Run-Through]
    14. You're Something Special to Me
    15. Wheels
    16. Paper Roses
    17. Shaggs' Own Thing [Musical Version]
    18. Painful Memories
    19. Gimmie Dat Ding [Live]
    20. My Cutie
    21. Yesterday Once More
    22. My Pal Foot Foot
    23. I Love
    24. Shaggs' Own Thing [Vocal Version]
    25. Love at First Sight

脚注 編集

  1. ^ "Better Than the Beatles (and DNA, Too)" by Lester Bangs”. www.keyofz.com. 2021年5月13日閲覧。

関連項目 編集