シャトゥーChatou)は、フランスイル=ド=フランス地域圏イヴリーヌ県コミューン。パリの西の郊外にあり、ルノアールが多くの絵を残した場所として知られている。

Chatou

行政
フランスの旗 フランス
地域圏 (Région) イル・ド・フランス地域圏
(département) イヴリーヌ県
(arrondissement) サン=ジェルマン=アン=レー郡
小郡 (canton) 小郡庁所在地
INSEEコード 78146
郵便番号 78400
市長任期 ジスラン・フルニエ
2008年-2014年
自治体間連合 (fr) Communauté de communes de la Boucle de Seine
人口動態
人口 29,472人
2006年
人口密度 5 802人/km2
住民の呼称 Catoviens
地理
座標 北緯48度53分46秒 東経2度09分06秒 / 北緯48.8961度 東経2.1517度 / 48.8961; 2.1517座標: 北緯48度53分46秒 東経2度09分06秒 / 北緯48.8961度 東経2.1517度 / 48.8961; 2.1517
標高 平均:m
最低:22 m
最高:58 m
面積 5.08km2
Chatouの位置(フランス内)
Chatou
Chatou
公式サイト Site officiel de la ville
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地理 編集

シャトゥはパリの10km西、セーヌ川に面している。サン=ジェルマン=アン=レーとは6km、ヴェルサイユとは10km離れている。コミューンの東は、セーヌ川を挟んでリュエイユ=マルメゾンと向かい合っている。セーヌ川に浮かぶアンプレッショニスト島(fr)では、毎年3月と10月に古物品およびハム見本市(fr)が開催されている。

歴史 編集

 
シャトゥーからパリを眺める
 
シャトゥーのセーヌ河岸にある閘門
 
メゾン・フルネーズ。現在は博物館
 
舟遊びをする人々の昼食

シャトゥーとは、ガロ=ローマ時代の人名Cattusに由来する。シャトゥーの地にはかつてローマ人のヴィッラがあった。6世紀以降、ヴィッラの周囲の村が成長し、メロヴィング朝時代には他の村も現れた。9世紀以降村は成長し、シャトゥーとクロワジーの領主が勢力を拡大した。住民は基本的に漁業とワイン用ブドウ栽培で生計を立てていた。ノルマン人がセーヌ川一帯へ侵攻しても貿易が妨げられることはなかった。11世紀に初めて教会が木造で建てられ、以後も同じ場所に教会が再建されている。

13世紀の記録には、村の名がChatoまたはCathoと書かれていた。

1374年、シャルル5世時代の地主で王の宮廷官吏ジル・マレがシャトゥー領主となった。このジル・マレは現在ほとんど忘れ去られているが、当時王の友として輝かしい立場にあった人物で、1369年には王の名を冠した図書館を管理していた。シャルル5世の図書館は後に王家の図書館となり、現在のフランス国立図書館へと至っている。

1762年、アンリ・レオナール・ジャン・バティスト・ベルタンがシャトゥーの領地を買い取り、古い城を修繕し、ジャック=ジェルマン・スフロ(frパンテオンの設計者)の図面で新たな城を建てた。新しい城にはニンファエウムが建てられたが、1910年に壊されている。ベルタンが最後のシャトゥー領主であった。

19世紀、最初に穀物や野菜の生産でシャトゥー経済は発展した。1837年、パリからル・ペックへの鉄道路線が敷かれた。これが村の発展のきっかけとなった。シャトゥーに魅せられたパリ市民は、舟遊びをしたり、河岸のギャンゲットに集まった。多くの別荘が建てられた。

現代[いつ?]に入るとシャトゥーにはガスが引かれ、街灯がともされ、トラムがやってきた。この時代には市場も開かれていた。19世紀後半、シャトゥー生まれの画家アンドレ・ドランなど印象派や、モーリス・ド・ヴラマンクフォーヴィズムの画家たちがシャトゥーに関心を抱いた。オーギュスト・ルノワールは、アンプレッショニスト島のレストラン、メゾン・フルネーズの常連客となった。『舟遊びをする人々の昼食』(Déjeuner des Canotiers)は、シャトゥーで描かれた作品の一つである[1]。1898年は、コミューンの産業史に残る記念の年となった。映画会社パテが工場を構えたのである。ここでは1955年当時1700人が雇用されていた(1994年に工場は建て壊された)。

交通 編集

  • 道路 - 県道186号線。コミューン内を東西に横切り、リュエイユ=マルメゾンとの間に架かる橋を通る。県道321号線はコミューン内を南北に走り、北のカリエール=シュル=セーヌ、南のクロワジー=シュル=セーヌとをつなぐ。
  • 鉄道 - RER A線シャトゥー=クロワジー駅

出身者 編集

脚注 編集

  1. ^ 池上英洋『西洋美術史入門』筑摩書房、2012年、102頁。ISBN 978-4-480-68876-7